ガンカモ類の生息調査
■ 調査の背景
ガンカモ類の生息調査は、昭和45年、まだ環境庁(現環境省)が発足する以前、鳥獣行政が林野庁所管の時代に各都道府県の協力を得てスタートした。その後、昭和47年からは、ガンカモ類(ガン・カモ・ハクチョウ類)の冬期の生息状況の調査を毎年1月中旬、都道府県の協力を得つつ全国一斉に実施し、野生生物保護行政に必要な資料とするために環境省がとりまとめにあたっている。
なお、調査名称については、開始当初より「ガンカモ科鳥類の生息調査」とされていたが、日本産鳥類目録の改訂をうけ、平成19年度からは「ガンカモ類の生息調査」としている。
■ 目的
湿地の保全や鳥獣保護区の設定等に活用するため、ガン・カモ・ハクチョウ類の冬期の生息状況及び渡来傾向、保護管理を図るべき生息地等についての基礎資料を得ることを目的としている。
■ 内容
毎年1月中旬に都道府県の協力を得て、過去の調査結果、鳥獣保護団体等からの情報に基づき、ガン・カモ・ハクチョウの原則としてすべての渡来地の中から調査地を定め、調査地ごとに調査員を配置して種ごとに個体数を調査し、環境省がとりまとめている。
■ データ利用の際の注意
データの利用にあたっては、下記について留意が必要である。
- 日本全国で一斉に調査することを目標としているが、天候等により調査日に多少の前後が生じることがある。
- 調査者の個人差による誤差、間違いを含んでいる可能性がある。
- 調査範囲が広大なため調査地が限られ、必ずしも日本に飛来していたガン・カモ類の全羽を記録したものとはいえない。
しかしながら、本調査は関係各機関や専門家などで必要に応じ調査法やデータの検討が行われ精度の向上に努めており、全国各地でほぼ一斉に調査が行われているため、調査結果の羽数は充分にその生息数の傾向を表しているものと考えられる。
成果物の利用に当たっては、利用規約への同意が必要である。
■ 調査成果の活用
ガンカモ類の生息調査の結果は、下記のような施策や国際的枠組み等で活用されている。
- 施策への活用:二国間渡り鳥条約会議の情報提供
- 国際協力:Asian Waterbird Censusへの情報提供
- 環境アセスメントへの活用:「鳥類等に関する風力発電施設立地適正化のための手引き」で参照すべきデータとして引用
調査成果を活用した研究の報告や発表について、生物多様性センターに報告があったものは下記のとおり。
● ガンカモ類の生息調査の成果活用事例(PDF形式:194KB)
※本調査のデータを使用して作成した成果を公表された場合や、ウェブサイトで公開される場合は、生物多様性センター(電子メール: )までお知らせくださいますよう、お願いいたします。
■ 調査成果物
● ガンカモ類の生息調査の対象種識別ガイド
ガンカモ類の生息調査の対象種識別ガイド(製本順)
※短辺綴じの両面印刷で出力し、出力された順に重ね、内側に折る。
● 都道府県別調査結果:高病原性鳥インフルエンザ検査優先種(リスク種)の観察状況(PDF形式21.7MB)
※本調査結果は令和4年度に作成。「令和3年度(第53回)調査報告書 第三章 都道府県別の調査結果」に同内容を掲載。
● 調査結果
※1 報道発表資料は、暫定値に基づいて作成されている。
※2 確定値は、暫定値を精査して修正を加えたデータである。
データの解析を行う際は、確定値を利用すること。