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植生調査(植生自然度調査)

植生図の閲覧・GISデータのダウンロード

1/2.5万現存植生図(平成11~整備)
画像を閲覧・GISデータダウンロード(自然環境Web-GISへ)
1/5万現存植生図(昭和54年~平成10年整備)
・画像を閲覧
・GISデータをダウンロード(自然環境Web-GISへ)
調査時期 成果物一覧
第1回調査
昭和48年度
1/20万現存植生図(昭和50年/ 都道府県別53面)
1/20万植生自然度図(昭和50年/ 都道府県別53面)
自然環境保全調査報告書(第1回緑の国勢調査)(昭和51年)
第2回調査
昭和54年度
自然環境保全基礎調査要綱(植生・湖沼・河川)(昭和54年)
植生調査集計整理作業 植生図凡例(主要群落)解説(昭和55年)
植生調査報告書(昭和55年/ 都道府県別<山梨・長野を除く>45冊)
植生調査報告書(昭和56年/ 全国版)
1/5万現存植生図(昭和56~57年/ 608面)
第3回調査
昭和58~61年度
植生調査報告書(昭和62~63年・都道府県別<愛知・香川・宮崎を除く>44冊)
植生調査報告書(昭和63年/ 全国版)
1/300万現存植生図(昭和63年)
1/5万現存植生図(昭和60~平成元年/ 685面)
第4回調査
平成元~5年度
植生調査報告書(平成6年/ 全国版)
1/250万現存植生図(平成6年)
1/250万植生自然度図(平成6年)
1/5万現存植生改変図(平成6年/ 1293面)
現存植生図メッシュ画像
植生調査 群落名一覧
3次メッシュ植生データ
第5回調査
平成6~10年度
1/250万現存植生図(平成11年)
1/250万植生自然度図(平成11年)
1/5万現存植生改変図(平成11年/ 1293面)
現存植生図メッシュ画像
3次メッシュ植生データ
第5回基礎調査植生調査報告書植生メッシュデータとりまとめ全国版
第5回基礎調査植生調査報告書植生メッシュデータとりまとめ全国版(植生調査報告書付属cd-rom)
第5回基礎調査植生調査報告書植生統一凡例の考え方
第5回基礎調査植生調査画像解析業務(全国版)
第6回調査
平成11~16年度
第7回調査
平成17年度~
第6回・第7回自然環境保全基礎調査植生調査情報提供ホームページ
その他(関連調査の結果)

1.調査の目的

我が国の国土は南北約3000km超に及ぶ島嶼群であり、亜熱帯のマングローブ林から標高3000mを越える高山帯のお花畑まで、多種多様な自然環境が存在している。植生はこの多様な自然環境に対応して地域ごとにさまざまな様相を示しているが、これらの多様性は植生の存在する地域の地史・気象・地質・地形さらには人間を含む他の生物との相互作用等に基づく植物の進化及び適応の結果である。
植物社会学に基づいて群落単位を地形図上に表現した植生図は、環境アセスメント及び自然環境保全施策立案のための重要な基礎情報として位置づけられている。本調査は、全国の植生の現況を把握して、上記のような重要な役割をもつ現存植生図を全国的に整備するほか、詳細な現地調査に基づき、我が国の生物多様性に関する基礎情報を収集する目的で行われている。

2.調査の内容と方法

第1回調査から第5回調査まで、調査は環境省から都道府県に委託して実施された。また、第6回調査以降は民間請負により実施している。
第1回調査では、空中写真及び現地調査により縮尺5万分の1の現存植生図(原図)を作成し、この原図をとりまとめて、縮尺20万分の1の現存植生図を各都道府県単位で作成した。
第2回及び第3回調査では、全国の植生の現況をより詳細に把握して、地域レベルの計画に対応できる5万分の1現存植生図の作成を目指して調査が進められ、第2回基礎調査および第3回基礎調査でそれぞれ全国の約2分の1の地域が調査された。 5万分の1現存植生図は昭和62年度までに1,293面が作成された。
第4回及び第5回調査では、経年変化の把握を効率的に行うため、 人工衛星画像を活用して植生図を修正する方法が新たに導入された。この方法は、新・旧2時点の衛星画像データ(ランドサットMSS、TM等)を比較して植生改変地を抽出し、必要に応じて現地調査を実施して植生情報を修正するというものである。この方法により、5万分の1現存植生改変図を作成した。また、1/250万現存植生図並びに1/250万植生自然度図を作成した。
第6回調査からは、生物多様性評価や環境アセス等の社会的ニーズに応えるため、より情報量が多い縮尺1/2.5万での植生図の作成を開始した。また、「統一凡例」を定めることにより複雑な凡例の整理を行い、植生図利用者の利便性向上を図った。植生図の作成に際しては、空中写真及び衛星画像等を基に群落境界線を抽出し、現地調査情報を反映させることで一定の精度を確保している。
第7回調査では、引き続き縮尺1/2.5万現存植生図の作成を進め、早期の全国整備を目指している。なお、第6・7回調査の結果については下記URLを参照のこと。

第6回・第7回自然環境保全基礎調査植生調査情報提供ホームページ: http://gis.biodic.go.jp/webgis/sc-006.html

3.調査結果

植生調査においては、作成年度が異なる植生調査情報を比較することで、我が国の植生概況の変遷を把握することができる。植生調査結果の集計に当たっては、全国の現存植生図を 基準地域メッシュ (「3次メッシュ」ともいう。約1km×1km=約1k㎡)単位で小円選択法(メッシュ中央部の5mmの測定円内で優占する群落を読み取る)により群落コード化し、全国現存植生図(1k㎡メッシュ単位)、主要群落の全国分布図等の作成、植生自然度別の集計等を行った。「植生自然度」とは、植物社会学的な観点から、群落の自然性がどの程度残されているかを示す一つの指標として導入されものである。植生自然度は、つぎの10ランクに区分された。

植生自然度区分基準

植生自然度 区分基準
10 高山ハイデ、風衝草原、自然草原等、自然植生のうち単層の植物社会を形成する地区
9 エゾマツ-トドマツ群集、ブナ群集等、自然植生のうち多層の植物社会を形成する地区
8 ブナ・ミズナラ再生林、シイ・カシ萌芽林等、代償植生であっても、特に自然植生に近い地区
7 クリ-ミズナラ群落、クヌギ-コナラ群落等、一般には二次林と呼ばれる代償植生地区
6 常緑針葉樹、落葉針葉樹、常緑広葉樹等の植林地
5 ササ群落、ススキ群落等の背丈の高い草原
4 シバ群落等の背丈の低い草原
3 果樹園、桑園、茶畑、苗圃等の樹園地
2 畑地、水田等の耕作地、緑の多い住宅地
1 市街地、造成地等の植生のほとんど存在しない地区

第1回~第5回調査で作成された植生図を対象に、小円選択法により1k㎡メッシュ単位で植生自然度に区分して集計したところ、以下の結果となった。

第2回~第5回調査結果を比較すると、国土面積に占める森林(植生自然度9~6)の割合は減少傾向にある 。そのうち植林地の割合はほとんど変化していないので、自然林・二次林(植生自然度9~7)の減少が森林の減少を引き起こしたと推察される。一方 、二次草原、市街地などの割合は、増加の傾向にある。

植生自然度の経年変化

植生自然度 第1回
自然環境保全基礎調査
第2回・第3回
自然環境保全基礎調査
第4回
自然環境保全基礎調査
第5回
自然環境保全基礎調査
メッシュ数 構成比(%) メッシュ数 構成比(%) メッシュ数 構成比(%) メッシュ数 構成比(%)
自然草原
(自然度10)
3,260 0.9 4,038 1.1 4,011 1.1 3,993 1.1
森林
(自然度9,8,7,6)(*1)
244,994 68.0 248,538 68.2 247,229 67.8 245,376 67.3
自然林・二次林
(自然度9,8,7)
169,854 47.1 157,735 43.3 155,383 42.6 153,962 42.2
植林地
(自然度6)
75,140 20.9 90,803 24.9 91,846 25.2 91,414 25.1
植林地
(自然度6)
75,140 20.9 90,803 24.9 91,846 25.2 91,414 25.1
二次草原
(自然度5・4)
12,876 3.6 11,676 3.2 12,124 3.3 13,159 3.6
農耕地
(自然度3・2)(*2)
83,030 23.0 77,412 21.2 77,701 21.3 78,052 21.4
市街地など
(自然度1)(*2)
15,597 4.3 21,172 5.8 21,847 6.0 22,430 6.2
緑の多い住宅地
(自然度2)
4,394 1.2 6,331 1.7 6,427 1.8 6,431 1.8
その他
(自然裸地・不明区分)
602 0.2 1,464 0.4 1,487 0.4 1,490 0.4
全国(*3) 360,359 100.0 364,300 100.0 364,399 100.0 364,500 100.0
開放水域 0 - 4,170 - 4,211 - 4,227 -
全国 360,359 - 368,470 - 368,610 - 368,727 -

第1回調査のデータに開放水域が含まれていなかったため、今回調査結果との比較に際しては、開放水域を除し全国土に対する構成比を算出し、その増減をみることとした。

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