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瀬谷狢窪公園および寺ノ脇の水辺の水域生態系(横浜市環境科学研究所報 第31号)
瀬谷狢窪公園では多様な生物群集が生息する公園の水路環境を維持・保全するため、雨水浸透マスの設置、湧水池と水路の浚渫、樹木の間伐などの整理が行われた。和泉川では寺ノ脇の水辺整理が行われ、瀬谷狢窪公園と一体化した自然環境が整備された。このような整備が生物群集に及ぼす影響あるいは効果を明らかにするための調査を行った。その結果、公園内ではホトケドジョウやオニヤ... -
横浜市内での壁面緑化の温度低減効果 -2006年夏季の観測事例-(横浜市環境科学研究所報 第31号)
環境科学研究所、道路法面、小学校、住宅など21ヶ所に設置された種々の種類の壁面緑化について2006年夏季に温度低減効果を観測した。その結果、壁面緑化の温度低減効果は植生の種類より主に日射の影響を強く受け、晴天日の日向の壁面緑化では温度低減効果は10℃前後認められたが、曇天日や日陰では3~8℃程度であることがわかった。 -
横浜市内における生物生息空間に関する一考察(横浜市環境科学研究所報 第30号)
横浜市内における生物に配慮した環境への改善、又は生物生息空間の連結化(ネットワーク化)、市街地への自然的環境や生き物の誘導に係る施策検討に寄与するため、「まち・生き物・自然が融合する環境づくりに関する研究」に着手した。今回は、当該研究のための予備調査の一環として実施された生物調査、並びに過去において実施された陸域生物相調査の結果に基づき、環境特性(環境... -
パネル式壁面緑化の温度低減効果(横浜市環境科学研究所報 第30号)
近年、都市部でのヒートアイランド対策として壁面緑化が普及しつつある。多種類ある壁面緑化のうちでパネル式は温度の遮断効果が大きいと考えられている。そこで市内の水再生センターに設置されたパネル式壁面緑化(50m₂)について2005年夏期に温度低減効果を測定した。測定により以下のような結果が得られた。... -
鶴見川における農薬調査について(横浜市環境科学研究所報 第30号)
平成16年6月、横浜市の鶴見川(千代橋、亀の子橋)において農薬調査を行ったところ、モリネート、シメトリン、メフェナセット、ブロモブチドなどの除草剤及び殺菌剤(イプロベンホス)が検出されたが、環境基準値、指針値等を超えるものは認められなかった。また、河川水にミジンコ急性毒性試験を適用した結果、48時間後の遊泳阻害率は全て0%で、急性毒性は認められなかった。 -
東京湾で観察された、渦鞭毛藻 Alexandrium minutum Halim (横浜市環境科学研究所報 第30号)
横浜市では、1987年から赤潮発生時期を中心に毎年、プランクトン調査を実施している。この調査の中で1999年に渦鞭毛藻のAlexandrium属の種が初めて東京湾、横浜市沿岸で観測された。... -
分水路取水庭の河川機能に及ぼす影響に関する研究(横浜市環境科学研究所報 第30号)
都市河川の大岡川水系において治水用の分水路取水庭を中心として水質・底質・付着物・シオグサ・魚類の調査を行った。その結果、日野川の取水庭で水質のBODが上流より約4割減少し、滞留による浄化作用がみられた。2箇所の分水路取水庭の底質は源流域からの土壌や植物由来有機物の多寡によるとみられる違いがみられた。また、冬季の取水庭の浚渫によって流出した土砂が下流の河... -
横浜の森林土壌の酸性化の実態と酸中和能(3) -市内森林土壌の酸中和能(ANC)の状況-(横浜市環境科学研究所報 第29号)
横浜市内の森林土壌のANC( 酸中和能)の状況を把握することを目的に、前報で得た交換性塩基データ及び、交換性塩基総量(交換性Ca+交換性Mg+交換性Na+交換性K) とANCの関係式(黒ボク土: Y=1.15X-1.06 (R²=0.9956)、褐色森林土: Y=0.82X-2.35 (R²=0.9963)... -
横浜の森林土壌の酸性化の実態と酸中和能(2) -人工酸性雨・カラム試験による酸中和能の測定-(横浜市環境科学研究所報 第29号)
横浜市内の森林土壌が持つANC(酸中和能)の状況を把握することを目的に、前報で得た土壌試料のうち、地域、土壌型、樹種、土壌理化学特性等、種々異なる11試料を選び、人工酸性雨-カラム試験によりANCを測定した。その結果、11の試料のANCは0.8~18.2meq/100gの範囲内にあり、これを地域、樹種別で比較すると、林外(平均=18.1、n=2)、道路... -
横浜市におけるヒートアイランド現象が及ぼす熱中症や動植物への影響(横浜市環境科学研究所報 第29号)
横浜市におけるヒートアイランド現象の影響を把握するため、気温の経年変化を踏まえた上で、熱中症や動植物への影響について検討した。横浜地方気象台の観測データ(1928~2000)を基に、横浜の年平均気温の上昇率を算出した結果、約2.6℃/100年であった。都市化の影響が少ない中小都市の上昇率が約1.0℃/100年であることから、その差約1.6℃はヒートアイ... -
港北区役所屋上緑化での温度低減効果 -2004年夏期の解析-(横浜市環境科学研究所報 第29号)
港北区役所屋上緑化での2004年夏期の大気気温、屋上緑化部分地中3cm,10cm,20cm、屋上コンクリート表面温度、日射量、風向風速について観測した結果を解析した。その結果、夏期のコンクリート表面温度は最高で50℃以上にも達するが、緑化部分の地中3cmでは最高でも40℃程度であり、地中20cmでは30℃前後でほぼ一定なことがわかった。日射量と温度との... -
大岡川の河川構造物が魚類流程分布に与える影響に関する調査報告(横浜市環境科学研究所報 第29号)
大岡川を対象に河川構造物が魚類流程分布に与える影響を解析するために周年調査を行い、以下の結果を得た。床固工(落差工)等の構造物は33基が設置され、高さ1m以上の落差工が上流域に4基(D3~6)、中流域に1基(D29)が設置されていた。淵型はF型の落ち込み淵が最も多く、ついでS型の基質変化型が多かった。... -
瀬谷狢窪公園(横浜市)の水域生態系(横浜市環境科学研究所報 第29号)
瀬谷狢窪公園および近接地を流れる水路と、和泉川の公園に近接する部分を対象に、水環境と水域および陸域生物の調査を行った。公園内の湧水の硝酸態窒素濃度が高い傾向がみられたが、水環境は良好な状態が維持されていた。両水域の生物群集はそれぞれの環境特性を反映し、水路にはホトケドジョウ、サワガニ、オニヤンマ、オナシカワゲラ属、ヘビトンボ類、カワニナ、モズクなどの源... -
河川における環境基準達成のための要因に関する研究(第3報) -鶴見川水系-(横浜市環境科学研究所報 第29号)
横浜市北部の鶴見川水系のおいて河川の環境基準に影響の大きい流入源として下水処理場を取り上げ、その上下流で水質・底質・付着物・付着藻類について調査を行った。その結果、河川水量の半分程度を下水処理場放流水が占め、水量確保の面では処理場放流水の貢献は大きかった。水質のBODは冬季に硝化の影響により処理場の下流等で環境基準を超えており、また処理場はリンの主たる... -
エコロジカルネットワーク調査『トンボはドコまで飛ぶか』調査結果(横浜市環境科学研究所報 第28号)
京浜臨海工業地帯に立地する5事業所敷地内の池及び樹林地において、企業、市民、行政、専門家の協働によるトンボの移動調査を2003年9月17日及び18日の2日間にわたり実施した。その結果、361匹11種のトンボを捕獲し、内51匹は再捕獲されたものであった。このうち、1匹は、事業所間約2kmを移動して再捕獲されたものである。このことは、京浜臨海部の工場事業所... -
横浜市沿岸域で発生した Mesodinium rubrum による赤潮(横浜市環境科学研究所報 第28号)
2003年5月に東京湾奥から横浜市沿岸域にかけて大量のMesodinium rubrum... -
河川における環境基準達成のための要因に関する研究(第2報) -柏尾川水系-(横浜市環境科学研究所報 第28号)
横浜市南部の柏尾川水系において河川の環境基準に影響の大きい流入源として下水処理場を取り上げ、その上下流で水質・底質・付着物・付着藻類について調査を行った。その結果、河川水量の半分以上を下水処理場放流水が占め、水量確保の面では処理場放流水の貢献は大きい。水質のBODは硝化の影響が加わって処理場の下流で高くなる傾向があり、またリンの主たる排出源となったいた... -
ヒートアイランド対策としての屋上緑化の温度低減効果調査 -2000年5月~2001年4月の結果-(横浜市環境科学研究所報 第27号)
屋上緑化の温度低減効果の調査を2000年5月から2001年4月の一年間について行った。その結果、夏期の晴天日では屋上コンクリート面では最高60℃にも達するが、屋上緑化の地中20cmでは30℃以下であり、屋上緑化による温度低減効果は夏期に集中していることがわかった。またヒートアイランド対策としての屋上緑化のためにはその土壌の厚さは通常20cm程度必要であ... -
閉鎖水域の日本丸ドック(横浜港)における水質状況(横浜市環境科学研究所報 第27号)
調査期間中、海水循環ポンプ停止に伴うドック内の水質悪化は見られず、ドック内の透明度は、ドック外に比べて、常に高く、赤潮の発生しやすい春季から夏季においても、ドック外の透明度が1.5mに対して、ドック内では5.7m以上であった。ドック内は、ドック外に比べて閉鎖的な水域であり、赤潮の発生しやすい時期においても、赤潮が発生しないという現象は、閉鎖的な水域の浄... -
アロザイム分析によるヌカエビ集団の遺伝学的および形態学的研究(第2報) -横浜市域および三浦半島の集団間の比較-(横浜市環境科学研究所報 第27号)
神奈川県東部の横浜市域および三浦半島に分布するヌカエビを対象に遺伝的特徴、形態等について集団間の比較検討を行い、以下の成績を得た。酵素としてグルコース6燐酸イソメラーゼ(Gpi)、マンノース6燐酸イソメラーゼ(Mpi)、ホスホグルコムターゼ(Pgm)の3酵素で解析を行った結果、集団間の遺伝子頻度に差が認められ、Mpi、Pgmの遺伝子座は集団間で差が大き...
