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横浜市緑区新治地区における明治期から平成期にかけての植生の変遷(横浜市環境科学研究所報 第35号)
横浜市緑区の新治市民の森の保全管理計画が平成22 年度に策定される。その基礎資料に活用する目的で、新治市民の森 周辺の自然環境の変遷を植生図で追跡した。明治期と昭和期の植生図をGIS 化して、既にGIS 化されている平成期の植生 図と比較した。新治市民の森周辺において、樹林地は明治期から平成期まで総面積の約50%で推移していた。各年代の樹... -
横浜のゲンジボタル、ヘイケボタルの生息環境調査(横浜市環境科学研究所報 第34号)
2007 年度から2009 年度にかけて横浜市内におけるホタル生息環境調査を行った。22 地域(地点)で行った調査結果か らゲンジボタルは21 地域で確認され、9 地域でヘイケボタルが確認された。ゲンジボタルの生息地域は、従来からの里 山環境以外にも都市的な河川でも今回確認することができた。またホタル協働調査を行った市民にホタルへの意識調査... -
梅田川の改修後における魚類の再生と生活場選択に関する研究(横浜市環境科学研究所報 第34号)
梅田川下流の改修区間で、魚類の回復状況と生息場選択性を明らかにするために調査を行なった。期間中の採集魚種リ ストは、全体で5 科15 種が確認され、採集個体数割合はカワヨシノボリ、アブラハヤ、オイカワの3 種で90%以上を占 めた。改修後の形態区分を水際、河床等の特徴から、開放区、カバー区、人工区等として比較検討した。採集個体数はカ... -
横浜港の底層環境調査 -みなとみらい~瑞穂地区-(横浜市環境科学研究所報 第34号)
富栄養化が進行している東京湾の西岸にある横浜港において2008 年6、9月に水質、底質および底生生物の調査を行 い、底層環境の現状について検討した。水質は表層で赤潮、底層で貧酸素状態であった。底質は嫌気度が強く、内港部で は泥分率や強熱減量が高かった。また、全硫化物は帷子川河口先で特に高かった。底生生物は多毛類が優占し、貝類では... -
横浜東部地域におけるGIS を活用した明治前期の植生図化と植生の変遷(横浜市環境科学研究所報 第34号)
生物多様性やヒートアイランド対策の観点から、横浜の自然環境の変遷を植生図で追跡することは重要である。明治10 年代後半に作成された「迅速測図」を基に作成した明治期植生図をGIS 化して、現存植生図と比較検討した。本研究で調 査した横浜東部地域において、明治期に水田や畑・果樹園であった耕作地は、ほとんど住宅地や工場地となっていた。明... -
今までの横浜市沿岸域の水環境調査の取り組みと今後の課題(横浜市環境科学研究所報 第33号)
「地域の水環境としての沿岸海域における、地方環境研究所の果たす役割とは」を念頭に、今までの沿岸海域調査研究を 顧みて、今後の課題についてまとめた。本市研究所が取り組んできた沿岸海域調査研究は、発生源規制関連の研究、水域 環境モニタリング関連の研究と水質浄化関連の研究と多岐に渡っていた。これらの調査研究を踏まえて、本市の施策との... -
横浜港の底層環境調査 -浚渫覆砂工区-(横浜市環境科学研究所報 第33号)
富栄養化状態の水質を改善するために十数年前に浚渫・覆砂工法を施した横浜港新港地区において水質、底質および底 生生物の調査を行い、改善策の現況について未施工区と比較検討した。底質は浚渫覆砂工区の強熱減量や泥分率が浚渫覆 砂完了直後の1999 年にくらべてやや高くなっているが、未施工区の値より低く、浚渫覆砂の効果は持続していることが認... -
横浜の川におけるアユの分布状況 -2007年度調査と繁殖予備調査-(横浜市環境科学研究所報 第33号)
河川生態系の生物多様性を保全、再生、水辺ネットワークの構築を図っていくための基礎的資料を得ることを目的に、アユの分布状況等の調査を行った。 -
まち・生き物・自然が融合する環境づくりに関する研究(第二報)(横浜市環境科学研究所報 第32号)
横浜市内における生物に配慮した環境への改善(生物生息空間の質の向上)、市街地への自然的環境や生き物の誘導に係る施策検討に寄与することを目的とし、平成17年度より本研究を進めてきた。今回は第二報として、市街地内に点在する樹林地や自然的環境を一部残す公園のうち、整備等に伴う土地改変の程度が異なる5箇所を選定し、そこに生息する生き物と土地改変が生物生息空間に... -
小雀公園の水域生態系 -公園管理のための基礎資料-(横浜市環境科学研究所報 第32号)
小雀公園において、水質や水生生物の保全を目指した管理を行うための基礎資料を得ることを目的に、2006年に水環境と水生生物の調査を行った。公園内の池は富栄養化状態となっていたが、水質悪化の原因となっていた堆肥の除去により、水質の回復が認められた池があった。公園内の池と水路で確認された魚類はコイ(イロゴイ)、モツゴ、ドジョウ、カダヤシの3科4種、甲殻類(十... -
和泉川の魚類流程分布と河川環境(横浜市環境科学研究所報 第32号)
源流と下流までの水生生物の双方向移動を考えた水辺のネットワーク化に向けて、和泉川の魚類流程分布と河川環境との関係を検討した。調査地点は源流と上、中流の多自然型改修区と境川合流点の17地点とした。確認された魚種は全体で5科19種(属、飼育品種を含む)、和泉川が4科18種であった。流程分布は源流部から上流でホトケドジョウ、上流よりの地点でアブラハヤ、下流よ... -
日本丸ドックにおけるカキによる水質浄化(横浜市環境科学研究所報 第32号)
東京湾、横浜港の水質は、事業場排水の規制や下水処理場による生活排水の浄化により、1970年代後半から水質は改善されはじめたものの、1990年以降からは横ばい状態で春から秋にかけては毎年、赤潮が発生している。そのような状況の中で、横浜港内の海水と連結している日本丸ドック内の水質は、ドック外で赤潮が発生している時にも、通常赤潮が発生しないことを再確認した。... -
横浜市沿岸域における貧酸素化状況調査(横浜市環境科学研究所報 第32号)
横浜市沿岸域の海水の貧酸素化状況やその時の底質の状況を把握するために3地区6地点を対象として水質、底質および底生生物の調査を同時に行った。海水表層では7月は本牧沖、根岸湾口、および金沢湾沖で赤潮、8月は本牧沖で赤潮がみられた。このとき海水底層では7月は本牧沖、根岸湾で貧酸素化状態、8月は本牧沖で貧酸素化状態であった。底質の性状は金沢沖、根岸湾、本牧沖の... -
源流域水環境基礎調査結果 -円海山周辺-(横浜市環境科学研究所報 第32号)
2006年度に行った円海山周辺の源流域水環境基礎調査における水環境と生物生息状況の調査結果から以下のことが明らかになった。 1)水質は、夏季と冬季で概ね良好である。2)生物多様性は、湿地・樹林・林縁・水辺等多様な環境から構成されていることが背景になっている。3)「横浜市水と緑の基本計画」... -
横浜市こども植物園における気温変動による植物開花日の経年変化(横浜市環境科学研究所報 第32号)
横浜市こども植物園で生育している花の咲く木本類及び草本類41種の開花日を1981~2007年の27年間調査し、横浜市内の年平均気温と比較検討した結果、以下の結果を得た。27年間の開花日は、木本類及び草本類ともに(1)開花時期の早くなる傾向のもの、(2)開花時期の遅くなる傾向のもの、(3)開花時期の変動する傾向のもの、(4)開花時期が変化しない傾向のもの... -
緑のカーテンの温度低減効果(横浜市環境科学研究所報 第32号)
小学校26箇所、保育園14箇所、公共施設3箇所、一般家庭25箇所、会社敷地1箇所の計69箇所で実施した緑のカーテンについて、2007年夏季の温度低減効果を観測した。その結果、晴天日の日向では、温度低減効果は10℃程度であり、曇天日や日陰では3~4℃程度であった。また、教室内の温熱環境を観測した結果、緑のカーテンで緑化している教室では、緑化していない教室... -
まち・生き物・自然が融合する環境づくりに関する研究(第一報)(横浜市環境科学研究所報 第31号)
横浜市内における生物に配慮した環境への改善(生物生息空間の質の向上)、市街地への自然的環境や生き物の誘導に係る施策検討に寄与するため本研究に着手した。今回は第一報として、市街地内に現存する樹林地や自然的環境を有する公園において動植物相調査を実施し、環境特性(環境構成要素、面積、緑の七大拠点からの距離など)と、そこに生息する生き物との相関や傾向等について... -
源流域水環境基礎調査結果 -鶴見川、帷子川-(横浜市環境科学研究所報 第31号)
平成16年度と平成17年度に行った源流域水環境基礎調査から、河川流量変化や流域の樹林被率と水源涵養機能、水環境計画の水質目標と源流域河川水質、湿地環境と生物生息状況、生物指標と生物生息状況における源流域の特徴的知見が得られた。 -
帷子川源流域におけるホトケドジョウの分布状況調査(横浜市環境科学研究所報 第31号)
帷子川水系の源流域における魚類相調査を実施して結果以下の成績を得た。1984年から2005年調査までの既存報告から、確認された魚種は8科27種、現流域では消失した魚種がシマドジョウの1種、ホトケドジョウは、調査年度に関係なく出現率が高かった。現流域30地点で確認された魚種は4科6種、出現地点、採集個体数ではホトケドジョウがいずれも50%以上の率を占めて... -
鶴見川水系における谷戸水路と河川の人工構造物と魚類流程分布との関係(横浜市環境科学研究所報 第31号)
谷戸生態系の生物多様性の保全、再生のための基礎資料を得るために、鶴見川流域の谷戸と支川、本川との魚類流程分布と人工構造物との関係について検討した。対象水域は、A、B谷戸の4水路、小溝には堰、落差工が設置され、その落差高の平均値は20cm以上、流れ幅が0.2~1.8mであった。谷戸水路と支川Cとの合流点は2ヶ所あり、1m以上の落差高だった。支川Cには落差...
