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第5回調査
平成7~9年度
(セミのぬけがら
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(ひっつきむし
調査/H8)
(ツバメの巣
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'95身近な生きもの調査(セミのぬけがら)-調査結果 最終版(平成9年)
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'96身近な生きもの調査(ひっつきむし)-調査結果(平成10年)
第5回緑の国勢調査'97身近な生きもの調査 案内パンフレット
'97身近な生きもの調査(ツバメの巣)-調査のてびき(平成9年)
'97身近な生きもの調査(ツバメの巣)-調査結果(平成11年)
第6回調査
平成12~13年度
身近な林調査
第6回緑の国勢調査2000年身近な生きもの調査案内パンフレット(PDFファイル:1,760Kbyte)
2000身近な生きもの調査(身近な林調査 秋冬調査編)-調査のてびき(平成12年)
2001身近な生きもの調査(身近な林調査 春夏調査編)-調査のてびき(平成13年)
2000・2001身近な生きもの調査(身近な林調査)-調査結果(平成14年)
2001身近な生きもの調査(身近な林調査)-セミの抜け殻データ総目録Ⅱ(平成15年)

1.調査の目的

本調査は、以下の事項を目的として環境省が募集した多数の自然愛好家にご参加いただき、「環境指標生物」となる身近な動植物の分布や生態について調査を実施した。

  • 一般の方々の居住地周辺にある身近な自然を全国一律・一斉に調査する事で、数少ない専門研究者だけでは困難な多数の情報を収集する。
  • 調査を通じて国民の身近な自然への関心を高め、その保全の必要性等についての理解を深める。

2.調査の内容と方法

<第3・4回基礎調査>

第3回基礎調査(環境指標種調査の1回目)においては、基準地域メッシュ(「3次メッシュ」ともいう。約1km×1km)を単位として、76種類の動植物について、その分布(確認)情報(「その種がいた」)を収集した。また、第4回基礎調査(環境指標種調査の2回目)においては、同様の単位で10コース48種類の動植物について「見つかった」、「見つからなかった」、「わからなかった」のいずれかの情報を収集した。

<第5回基礎調査>

第5回基礎調査においては、データの信頼性を確保するために、種の確認ができるもの(平成7年度はセミの抜けがら、平成8年度はオナモミ等の種子、平成9年度はつばめの巣の写真)を分布情報とともに参加者から収集する方法を採用した。採取された標本もしくは写真と、採集場所の地名、採集物の種名などを情報として収集し、それらをもとに専門家による種の正確な同定 (識別)を行った。そして、地名から導き出された標準地域メッシュをもとに全国分布図を作成し、対象種の最新の分布状況を明らかにした。

<第6回基礎調査>

第6回基礎調査においては、参加者の方々に居住地近くの「身近な林」を対象地に選んでいただき、四季を通じてその林に出現する動植物や周辺環境を継続的に調査 を行った。このことにより、広く国民に身近な自然環境に対する興味・関心を持っていただき、 合わせて得られたデータを集計、種の同定、結果の解析をすることにより、参加者の方々が身近に感じている自然(身近な林)の特徴、抱えている問題点、保全の方向性等を得ようとした。

3.調査結果

<第3・4回基礎調査>

参加者等、以下のような体制で実施した。

第3・4回自然環境保全基礎調査 身近な生きもの調査 調査結果概要

第3回基礎調査 第4回基礎調査
調査対象 2種類76種
詳細はこちら
10コース 48種類
詳細はこちら
調査協力者(参加者)数 約10万人 約12.3万人
収集データ数 約190万件 約130万件
調査メッシュ数 96,206メッシュ 74,658メッシュ

多数のボランティアの協力を得て、全国一斉に一律の調査方法・結果収録方法により行われた本調査は、わが国の自然環境を把握するための新たな調査形式として画期的なものであった。本調査を通じて、身近な生きものの分布の動向に関する情報が多数得られ、第3回基礎調査においてサワガニの北海道での生息が明らかになったように、大勢の目で調べることにより出会いのチャンスが増え、新たな知見の得られた例もあった。また、第3回基礎調査、第4回基礎調査と2度の調査に共通して対象とされた動植物については、特に都市周辺を地域ごとに見た場合にある程度の経年変化を把握することができた。

このような、いわゆる「ボランティア調査」は、第3回基礎調査において環境省が初めて実施したものを契機に、地方自治体による同様の調査も多数実施されるようになり、そうした波及効果もあった。

<第5回基礎調査>

参加者等、以下のような体制で実施した。

第3・4回自然環境保全基礎調査 身近な生きもの調査 調査結果概要

第5回基礎調査 セミの ぬけがら調査 ひっつきむし 調査 ツバメの巣 調査
調査対象
(詳細はこちら)
32種類
(アブラゼミ・クマゼミ等)
18種類
(オナモミ・ミズヒキ等)
5種類
(ツバメ・イワツバメ等)
参加者人数 約3.7万人 約3.1万人 約3.3万人
収集データ数 約4.4万件 約1.2万件 約8,400件

第3・4回基礎調査では種の同定をボランティアの参加者の方々にゆだねていた。そのため、一部の同定の難しい種については同定ミスと見られるデータが散見された。第5回基礎調査においては実物の標本を送付していただき、それを専門家の手により種の同定をするという調査手法により、種々の解析等に使用可能なより精度の高い分布データが得られた。この手法はいわゆる普通種、広域分布種の分布の現況を把握するのに有効であったと考えられる。
この調査の結果、セミのぬけがら調査においては、新たに関東地方のクマゼミの北への広がりの様子が明らかになるなど、セミの分布、習性、地方名などに関して興味ある結果が得られたこと、ひっつきむし調査においては帰化種のひっつきむの方が在来種のひっつきむしより身近な種になっていること、ツバメの巣調査では営巣場所が建物に多く、かつ大多数の人がツバメの身近な場所での営巣を喜んで受け入れていることなどツバメの営巣と人間生活との良好な関係が明らかになったことなどの成果があった。

<第6回基礎調査>

参加者等、以下のような体制で実施した。

第6回自然環境保全基礎調査 身近な生きもの調査 調査結果概要

第6回基礎調査 秋冬調査 春調査 夏調査
調査対象 身近な林
調査対象種 ドングリ
(コナラ・クヌギ等18種)
タンポポ(シロバナタンポポ・
セイヨウタンポポ等4種)
セミのぬけがら
(アブラゼミ・クマゼミ等32種)
赤い実 黄色い花 夏の虫
参加者人数 約2.6万人
調査した林の件数 約7,000件(延べ数)

「身近な林」として取り上げられた林は「市街地・住宅地の公園林」、「農村の屋敷林・社寺林」等7つに分類され、さらに適宜、地域毎に分類した。その結果、以下のような地域性や人と「身近な林」との関わりの違いに応じた多様な生態系が構成されていることが把握された。

こうした結果が今後のあるべき「身近な林」の姿や自然環境の保全を検討する上で役立てられることを期待している。

なお、特にタンポポについては、外来種が都市化の指標として一律に指摘されてきたが、本調査で採集したタンポポ標本を(独)農業環境技術研究所でDNA解析を行ったところ、外来種が全国的に分布する一方、在来種と外来種の雑種が首都圏、中京圏、関西圏等の大都市周辺に分布している状況が把握できた。

本調査の情報についてはこちらのページで提供している。
http://www.biodic.go.jp/mijika/

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