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水域環境指標-III 鶴見川のフナによる水域環境評価の研究 -亜種別、性別、季節別の形態、血液、血清成分について-(横浜市公害研究所報 第11号)
鶴見川に生息するフナを指標魚として血液生理学的観点からモニタリング手法の基礎的検討を行い、以下の成績を得た。(1)調査期間は、1983年2月から1986年2月の3年間であった。供試魚の年齢組成は2歳魚が多く占めた。(2)鶴見川に生息しているフナは鰓耙数、背鰭軟条数、赤血球長経から区分すると、キンブナの雌雄2倍体、ギンブナの雌3倍体が多く占め、まれに2倍... -
鶴見川中流域における水質の周日変動(横浜市公害研究所報 第10号)
鶴見川水系の千代橋、都橋の両地点における水質等の周日調査を実施したところ、いかに示す結果が得られた。 (1)都橋では千代橋に比べて流動変動が大きく、恩田川水系は1日に流量ピークが2つ現われる典型的な都市河川であった。... -
Nitzschia palea(Kϋtz.)W.Smithの培養試験による帷子川と大岡川の藻類増殖潜在能力の調査(横浜市公害研究所報 第10号)
Nitzschia palea の培養試験により測定した帷子川と大岡川のAGPは、夏期に0.14~1.25 Chl. a mg/ℓ、冬期に0.12~1.78 Chl.a mg/ℓで冬期に大きい値となる傾向が認められた。... -
野外飼育におけるコイの血液成分の季節、年齢、性による変化(I)(横浜市公害研究所報 第10号)
神奈川県産のコイを用い、野外実験水槽で2年8ヶ月にわたり飼育し、血液成分の季節、性、年齢及び生長による変化について検討し、以下の成績を得た。 1)給餌条件は実験開始2年後に飼料効率、増重率が高かった。3年後は秋、冬で高かった。 2)体重は実験開始時の平均が8.4gから、終了時が737.1gに増加し、生殖腺重量比は3年目で6.5%と高い値となった。... -
横浜市における魚類を指標とした工場排水の規制手法に関する研究(横浜市公害研究所報 第10号)
横浜市は、1975年(昭和50年)から、工場排水規制において生物学的手法の導入について検討を進めてきた。その結果、1977年12月に飼育手法について「工場等に係わる魚類飼育指針」、1982年に検査手法について「魚類指標による排水評価のための技術要領」、1985年には排水の評価手法について「魚類指標による暫定排水評価指針」を策定した。本報では導入の背景、... -
Nitzschia palea(Kϋtz.)W.Smithの培養試験による境川の藻類増殖潜在能力の調査(横浜市公害研究所報 第9号)
Nitzschia palea を供試藻とし、藻類培養試験により測定した境川のAGPは夏期に1.48~2.33 Chl. a mg/ℓ、冬期に2.09~2.61Chl. a... -
Nitzschia palea(Kϋtz.)W.Smithの培養試験による鶴見川の藻類増殖潜在能力の調査(横浜市公害研究所報 第9号)
1981年8月から84年2月の間、鶴見川水系で代表的付着藻類のNitzschia paleaを供試藻として測定した鶴見川の藻類増殖潜在能力は、恩田川が最も高く(1.10~2.88 chl. a mg/ℓ ), 次いで鶴見川本流( 1.06~2.54 chl. a mg/ℓ), 谷本川(0.68~1.87 chl. a mg/ℓ),... -
メッキ業排水の鯉を用いた急性毒性試験 (第1報)(横浜市公害研究所報 第9号)
排水の処理効果を生物学的に評価する試みとして、捺染業、洗濯業に続き、電着塗装作業を一部含むメッキ業の排水について、75時間急性毒性試験法による現場実験を行った結果、次のことがわかった。 1) メッキ系排水実験でシアン系、クロム系排水では、CN⁻,... -
コイ(Cyprinus carpio)の鰓における形態学的研究 -水温及び溶存酸素量との関係-(横浜市公害研究所報 第9号)
魚類の健康診断技法の一つとして、鰓の形態について水温及び溶存酸素量との関係から検討を行った。その結果、水温及び溶存酸素量の環境条件を変えることにより鰓に形態的変化が現れることが明らかになった。低水温(6℃)時で酸素が充分ある条件においては、鰓弁、二次鰓弁上皮は拡張し、それに伴ない二次鰓弁における外界との接触面積は減少した。又飼育条件を低水温から高い水温... -
コイ(Cyprinus carpio)における摂取率と飼料効率について(第2報) -水温との関係-(横浜市公害研究所報 第9号)
工場排水の影響を成長試験で評価する場合、摂餌率と飼料効率との関係、および水温、溶存酸素量等飼育環境との関係を把握し、適正な給餌条件を明らかにする必要がある。今回、3飼育水温条件下における摂餌率と飼料効率との関係について検討を行った。その結果、飼育水温の影響が飼料効率に現れること、およびその場合における適正な給餌条件について明らかになった。 -
コイ(Cyprinus carpio)の血液性状に及ぼす塩化ナトリウムの影響(第2報)(横浜市公害研究所報 第9号)
淡水魚であるコイを高濃度の塩化ナトリウム(NaCl)に直接曝露して、生理学的影響について検討した。前回は血清無機塩について報告した。今回はヘモグロビン、ヘマトクリット等を中心に検討し、以下の結果を得た。 1) 実験水の塩分の濃度段階は対照区(0%)、実験I区(0.50%)、II区(0.75%)、III区(1.00%)の計4段階であった。... -
コイ(Cyprinus carpio)における肥満度について(第2報)(横浜市公害研究所報 第8号)
成長量によるコイの健康評価法を確立するための一環として、肥満度と水温との関係について検討した。今回おこなった試験の結果から、肥満度は水温の低い飼育条件の方が高い飼育条件に比べて大きくなる傾向があることがわかった。また、このことは、飼育水温を低温から高温へ変えた場合に肥満度が小さくなる傾向があることからも確認できた。これらの関係については、日間増重率と日... -
コイ(Cyprinus carpio)の血液性状に及ぼす塩化ナトリウムの影響(第1報)(横浜市公害研究所報 第8号)
淡水魚であるコイを高濃度の塩分(塩化ナトリウム)に直接曝露して、塩分のコイに及ぼす生理学的影響について検討した。今回は成長量、血清無機塩量を中心にして検討し、以下の結果を得た。 1)... -
Nitzschia palea(付着性ケイ藻)を用いたAGP測定法の検討(第2報) -河川水による培養試験-(横浜市公害研究所報 第7号)
Nitzschia palea を供試藻とするAGP測定法を確立するため、河川水を用いた藻類培養試験等の実験を行った。その結果以下のことが明らかになった。 1)熱分解法とろ過法で前処理した試水の無機窒素化合物濃度はほぼ同じであるが、リン酸態リン濃度は熱分解法で前処理した試水で小さくなる傾向を示した。 2) 試水の希釈は最大増殖量が1,000 chl... -
コイ(Cyprinus carpio)における肥満度について -日間増重率との関係-(横浜市公害研究所報 第7号)
コイの肥満度について日間増重率および日間増重率と日間体長増加率との関係から検討を行った。実験結果から肥満度と日間増重率に正の相関が見られ、このことからも、肥満度と日間増重率との間に相関があることが数学的明らかになった。 -
洗濯業排水の鯉を用いた急性毒性試験(横浜市公害研究所報 第7号)
凝集処理効果を生物学的に評価する試みとして、捺染業に引き続き洗濯業を選択し、移動式魚類試験装置を用いて現場実験等を行った。総合排水の凝集処理前および後の水を用いて、鯉に対する75時間急性毒性試験を行った結果、凝集処理によって死亡率は100%から0%へ、内部および鯉形態の異常出現率は100%から50%とかなりの改善が認められた。しかし、処理後の水でも横転... -
Nitzschia palea(付着性ケイ藻)を用いたAGP測定法の検討(横浜市公害研究所報 第6号)
河川に広く分布し、有機汚濁の著しい都市河川で代表的な付着藻であるNitzschia paleaを用いたAGP測定法を確立するため、Gorham No.11... -
捺染排水の鯉を用いた急性毒性試験(横浜市公害研究所報 第6号)
排水処理における凝集処理効果を生物学的に評価する試みとして、捺染業を選択し、現場実験を行った。捺染工程の手捺染、自動捺染、水洗の各排水およびこれらの総合排水について、鯉に対する75時間急性毒性試験を行った結果、凝集処理によって死亡率および外部、内部、鰓観察結果の異常出現にかなりの改善が認められた。又、工程排水のうち自動捺染排水で鯉が死亡した主因物質はア... -
コイ(Cyprinus carpio)の幼魚のおける血液性状の研究(第2報)-血漿蛋白量とセルローズアセテート電気泳動法による血漿蛋白分画の基礎的研究-(...
本研究は、魚類の集団の健康状態を血液化学的観点から評価する手法を確立するために行った。供試魚は健康なマゴイ(1才魚)を用い、尾数は91尾であった。体重は88.1±30.9(g), 体長は14.5±3.7(cm),... -
東海道線・戸塚駅付近のボーリングコアより得たケイ藻群集(横浜市公害研究所報 第5号)
戸塚駅周辺部の地質・土質調査の一環として実施された深層ボーリングコアを用い、微化石層序の確定と堆積環境を推進するためケイ藻分析を行なった。22試料から38属191種のケイ藻が検出され、Navicula属、Pinnularia属、Gomphonema属の種が多く、淡水種が76%を占めもっとも多かった。分析を行なった各層のケイ藻群集はかなり異なっていた。戸...
