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池改修による魚類・甲殻類(十脚目)相の変化に関する研究(横浜市環境科学研究所報 第26号)
池の改修後における魚類、甲殻類相の再生、回復の状況を解析するために5池を対象に調査した結果を報告した。改修前の魚類相は、御手洗池を除いてモツゴ、トウヨシノボリが多く出現していた。もえぎ野公園池、白幡池の例では、改修後の放流1、2ヶ月後、フナ属が顕著に増加し、モツゴも比較的多く増加した。トウヨシノボリの増加は若干遅かった。放流後1から4年後では、特にフナ... -
横浜市内の池における水環境と魚類相、甲殻類(十脚目)相の調査報告(横浜市環境科学研究所報 第26号 25周年記念号)
横浜市内における池の魚類、甲殻類相の現状を把握するために、1994~1997年に行った調査結果を報告する。対象とした池は、ため池が17、公園池が39、遊水地が23、養魚池が1の計80地点であった。池面積は25~46200㎡の範囲であった。水質環境は、栄養型区分から見ると、公園池が過栄養型、その他は富栄養型で、水の色では、茶色、緑色、灰色の順に多く、透明... -
身近な生きものについてアンケート調査結果(第1報)(横浜市環境科学研究所報 第25号)
本調査は、現在の小学生の身近な生き物についての意識、経験、知識及び考え方を把握するため、小学生を中心に中学生、大学及び保護者を対象にアンケート調査を実施したものである。調査の結果、小学生の身近な生き物とのふれあいについては、保護者や大学生に比べ減少しているが、知識や意識はそれほど相違がないことが把握できた。考え方については、大学生や保護者に比べブラック... -
人工衛星データを用いた横浜市内の常緑樹林と落葉樹林の分布状況(横浜市環境科学研究所報 第25号)
ランドサット衛星データより横浜市内の常緑樹林と落葉樹林の分布を調べるアルゴリズムを開発した。1997年のデータより、横浜市内の10アール以上の森林は16%であり、その内落葉樹林が10%、常緑樹林が6%と推測された。また市内の落葉樹林の面積は4500ha程度であり、常緑樹林は3170ha程度と見積もられた。 -
飼育水槽におけるヌカエビの繁殖様式(横浜市環境科学研究所報 第25号)
ヌカエビの繁殖生態を解析するために室内飼育による繁殖様式と交尾行動を観察した。繁殖様式では、雌の同一個体が多数回産卵し、5月から9月まで最大5回、10月までは7回行なっていた。雌の抱卵日数は、平均16日、抱卵からつぎの抱卵まで約10日前後であった。繁殖期間中の体重の変化は雄が増加を示したが、雌は変化がなかった。同一個体の抱卵回数によるフ化個体数は1回目... -
谷戸におけるヌカエビの生息場所と生態との関係 -生物多様性の保全に向けて-(横浜市環境科学研究所報 第25号)
大岡川源流部に生息するヌカエビの地域個体群を対象に、生息環境と生態との関係を検討した。池集団の頭胸甲長の季節変化は、雌の繁殖期が5、6月から8月の下旬までで、生長パターンは、新年級群が8月に出現し、11月まで生長、12月から翌年の2月までは生長が停止した。3月から5月まで再び生長し繁殖集団に加わると思われた。この年級群は、2、3の山を形成する。雄は、雌... -
植物プランクトンの増殖に伴うN/P比の変化に関する理論的考察および東京湾におけるN/P比の空間分布の季節別特徴(横浜市環境科学研究所報 第24号)
まず、植物プランクトンの増殖に伴う海水のN/P比(無機態の窒素とリンの重量比)の理論変化について考察した。その結果、N/P比を大きく変化させる因子として、海水の栄養塩濃度が低いこと、海水のN/P比とレッドフィールド比との差が大きいことの2つが挙げられ、前者のほうが大きく影響すると示唆された。次に、東京湾内41地点の1985年4月から1990年3月までの... -
アロザイム分析によるヌカエビ集団の遺伝学的および形態学的研究 -生物多様性の保全に向けて-(横浜市環境科学研究所報 第24号)
ヌカエビを対象にアロザイムの分析条件の検討を行った。これをもとに大岡川集団の遺伝子組成の把握および集団内の遺伝的変異を解析した。その結果、試料は腹部筋肉、アロザイム分析は、グルコース6燐酸イソメラーゼ(Gpi)、マンノース6燐酸イソメラーゼ(Mpi)、ホスホグルコムターゼ(Pgm)の3酵素で行った。本水系内の分集団間で遺伝子頻度に差がなかった。いたち川... -
横浜市内河川の魚類における寄生虫の感染状況(横浜市環境科学研究所報 第23号)
「自然環境の回復と生態系に関する研究」の一環として1996年度に、横浜市内4水系の魚類の寄生虫の実態把握、河川間での比較、環境指標種としての検討、公衆衛生面での問題点などについて調査した。本報告では、調査の概要について紹介した。検査に供した魚は5科11種で、その内アユ、マハゼ、ボラを除く8魚種から寄生虫が確認された。確認された寄生虫は、原虫類1種、単生... -
横浜市域における地表温度予測モデル(その2) -1995~1997年の解析結果-(横浜市環境科学研究所報 第23号)
都市でのヒートアイランド現象の推定のため既報で構築した地表温度予測モデルを用いて1995年から1997年までの3ヵ年間について、植生の減少に伴う横浜市域での地表温度の上昇予測をおこなった。その結果、横浜市内の現状の植生域(森林、田、畑、公園など)が将来全て市街域(宅地、工場など)に変わった場合、横浜市全域の年平均地表温度は0.1~0.3℃程度上昇するも... -
ダイアジノンの密封系における分解とミジンコへの生態影響について(横浜市環境科学研究所報 第22号)
ダイアジノンは、有機リン系の殺虫剤で一般的に使用されており、平成8年に初貝らが行った横浜市内の河川調査においても、寺家川、平戸永谷川をはじめ、多数の河川から指針値以下(要監視項目、0.005㎎/l)の濃度であるが検出されている。また、土壌中においては速やかに分解するものの、水溶液中では、残存性を示したことから、生態系への影響が懸念されるところである。そ... -
横浜市沿岸域のプランクトン相(横浜市環境科学研究所報 第22号)
横浜市沿岸域のプランクトン調査は、1974年の福嶋・吉武による調査にはじまり、その後、3年に一度の頻度で調査は行われ、1989年以降は富栄養化発生の把握手法検討のための調査の一環として人工衛星運行日に合わせて毎年調査をおこない、1994年までの結果はすで報告している。今回の調査は1995年度に人工衛星運行日に合わせて行われたものである。 -
キショウブ(Iris pseuda-corus L.)による窒素・りんの濃度と除去速度(第3報)(横浜市環境科学研究所報 第22号)
キショウブ(Iris Pseuda-corus L.)... -
キショウブ(Iris pseuda-corus L.)による窒素・りんの除去速度と原水濃度(第2報)(横浜市環境科学研究所報 第21号)
キショウブ(Iris Pseuda-corus L.)... -
キショウブ(Iris pseuda-corus L.)による窒素・りんの除去速度と原水濃度(第1報)(横浜市環境科学研究所報 第20号)
キショウブを水耕法により植栽した人工水路で水耕培養液を供試液として栽培実験を行ったところ、窒素、りんの除去速度は供試液中の窒素、りんの濃度によって変動し、全窒素(T-N)の濃度範囲が13~50mg/ℓの場合、T-Nの除去速度はキショウブ一株について22.69mg/株/日、植栽水路の単位面積(約94株)について2.14g/㎡/日であった。また、T-Nの濃... -
生物による水質モニタリングシステムについての検討(横浜市環境科学研究所報 第19号)
生物を用いた水質のモニタリングは、理化学分析のような汚濁物質の数量化は困難であるが、汚濁物質の影響の連続的かつ総合的な把握が可能である。河川などの水域の水質異常を把握するうえで生物は重要な指標となる。ここでは生物(魚類)による水質の一般的なモニタリング法の特徴について述べるとともに、急激な水質の異常時における魚の水槽中の行動を監視用ビデオカメラを用いて... -
都市における地表温度の特性(その1)(横浜市環境科学研究所報 第19号)
横浜市環境科学研究所周辺の宅地、林、草地、樹木等について、主に晴天日での年間の表面温度を観測した結果、その表面温度は宅地>草地>林及び樹林の順に高くなる傾向を示した。また各表面温度と気温の関係も季節により特有な傾向がみられ、特に夏期では直線相関としてまとめられる場合が多かった。さらに林、樹木などの植生の表面温度と気温の間には、年間を通じて観測値が一致す... -
都市での植生指標を用いたヒートアイランド現象解析のためのNVIモデル(その2) -季節による特性-(横浜市環境科学研究所報 第19号)
前報では夏期の都市での温度上昇について人工衛星データを用いて解析したが、今回は季節について解析した。その結果、前報と同様の手法を用いると、季節によっては誤差が大きくなる場合が生じたため、新たにマトリックスモデルを考案し、これによって解析することにより良い結果が得られた。そこで、横浜市域での今後の植生減少による温度上昇を推定した結果、夏期に比べて冬期では... -
都市域における林内雨・樹幹流(2) -樹木汚染と光化学二次生成物資-(横浜市環境科学研究所報 第19号)
1991年3月~1992年4月までの約1年間、横浜市磯子区で、ヒノキを対象樹木として、樹木内外の降下物、樹幹流を一降水毎採取し、その成分濃度を分析した。その結果得られた樹幹流初期1ℓの分画データと調査地点付近のSO₂, NO₂, SPM, Oxなどの常時監視局データを比較し、樹木汚染と大気汚染物質との関係を検討した。その結果、次の事がわかった。... -
横浜市内水域環境中の細菌に関する研究(I) -貧栄養細菌の分離と培養について-(横浜市環境科学研究所報 第18号)
水域環境中には、Flavobacterium, Pseudomonas, Acinetobacter をはじめとする好気性従属栄養細菌, Beggiatoa, Gallionella のようなイオウ、鉄細菌、Nitrosomanas, Nitrobacter...
