調査成果の活用

モニタリングサイト1000の成果は、国や地方自治体による環境行政、民間企業が行う環境アセスメント調査、研究者の学術論文の作成、市民団体の教育・普及活動などに活用されています。

行政 環境省 各種計画への寄与
  • 生物多様性国家戦略
  • 生物多様性及び生態系サービスの総合評価
  • 生物多様性条約に基づく国別報告書
  • 気候変動影響評価報告書及び気候変動意見具申
保護地域の指定・見直し
■ ラムサール条約湿地登録
  • 登録時の根拠データとして使用
    荒尾海岸、与那覇湾(2012登録)、東よか干潟(2015登録)、葛西臨海公園(2018登録)、志津川湾(2018登録)
  • 登録後の管理においても活用
    シギ・チドリ類:144サイトのうち、14サイトがラムサール条約湿地として登録(2019年度時点)
    ガンカモ類:81サイトのうち、25サイトがラムサール条約湿地として登録(2019年度時点)
■ 鳥獣保護区指定・見直し
  • 福島潟鳥獣保護区(2014更新)、大山鳥獣保護区(2017更新)などに陸生鳥類調査、ガンカモ類調査等の結果を活用
■ 国立公園の指定・管理
  • 特別保護地区、海域公園地区などの保全管理状況の把握
    例)高山帯における盗掘や踏み荒らしなどの人為的な影響(南アルプス国立公園など)
    土砂流出によるサンゴ群集への影響(石垣西表国立公園など)
  • 自然公園法における指定植物の検討(上信越高原国立公園)
世界自然遺産地域の管理 ■ 白神山地
陸生鳥類のデータを使用し、ブナ林における動植物の多様性が適切に保護されているかを把握

■ 小笠原諸島
保全状況の主要指標として、森林草原調査、海鳥調査を使用

■ 知床
海域管理計画定期報告書では、海鳥類の営巣状況の把握のため海鳥調査のデータを活用
「生物多様性の観点から重要度の高い場所」の抽出 ■重要湿地
2016年の見直しでは、45湿地について本業務の調査成果を使用

■重要里地里山
選定された600か所のうち、57か所でモニタリングを実施

■重要海域
ガンカモ類・シギ・チドリ類・海鳥調査のデータを使用
野生動植物の保全管理
■希少種保全
  • レッドリスト改定(シロチドリ(VU)、アカヤマドリ(NT)、オオセグロカモメ(NT)など)
  • 希少種保全のための生息(餌)環境の評価(ケナガネズミ、オキナワトゲネズミ)
  • 海鳥繁殖地への立入自粛区域の設定(慶良間諸島国立公園)
  • 生息地保全対策(海鳥生息地の土留め対策)(日出島)
■外来種、移入種等対策
  • 外来生物の防除(アライグマ、ブルーギル、外来植物など)
  • セイヨウオオマルハナバチの監視手法の作成(大雪山)
  • ドブネズミ駆除(ユルリ・モユルリ島、沖ノ島・小屋島)
  • ネコの島外移送(天売島、御蔵島)
■野生鳥獣対策
  • 捕獲制限や狩猟鳥獣の指定解除等の見直し(バン、タシギ)
  • シカ食害の影響把握による個体数管理、防鹿柵の設置や研究(芦生(京都府)、秩父大山沢(埼玉県)など)
地方自治体
条例・各種計画の策定・改定
  • 生物多様性地域戦略(千葉県流山市、熊本県熊本市)
  • 環境基本計画(鹿児島県姶良市)
  • その他(海上の森保全活用計画2025(愛知県)
保護地域の指定・見直し
  • 沖縄県指定鳥獣保護区の新設(米須海岸、翁長干潟など)
野生動植物の保全管理 ■希少種保全(レッドデータブックの改定等)
  • 栃木県レッドデータブック(尚仁沢のイヌブナ群落)
  • 島根県レッドデータブック(ヒメクロウミツバメ)
  • レッドデータおきなわ(クロツラヘラサギ)
■外来種対策
  • アライグマ対策(神奈川県、北海道帯広市、茨城県土浦市、大阪府枚方市など)
  • 外来植物の駆除(京都府長岡京市、兵庫県淡路市)
  • 「生態系被害防止外来種リスト」の作成(長野県)
企業 CSR、環境アセスメント 78件(2019年度1年間で環境アセスメントを目的としてデータファイルがダウンロードされた件数)
学術研究(研究者等) 学術論文、学会発表等 913件(2020年11月時点での累積 ※把握しているもののみ)
普及啓発(メディア) 新聞やニュース等のメディアでの紹介
学術研究(研究者等) 国際的取組との連携 GBIF(Global Biodiversity Information Facility)へのデータ登録件数 約14万件(2020年11月時点)
BISMaL(Biological Information System for Marine Life)へのデータ登録件数 約21万件(2020年11月時点)