小島嶼(海鳥)調査

生態系「小島嶼」

生態系「小島嶼」

海によって長い間隔離されたことで、固有種や、特異な形態や生態をもつ生物が存在し、高い独自性を有しています。種分化、進化の宝庫とも言え、わが国のみならず世界の生物多様性の保全のためにも重要な生態系です。
このような陸地を繁殖に利用し、生涯の約90% を海洋で過ごす海鳥の種類や、個体数・巣数などを調査しています。

トピックス

調査項目と内容

現地調査主体:研究者

■調査者・専門家へのインタビュー

調査項目 調査内容 調査頻度 調査結果の概要
種類・種数 目視、写真からのカウント等 3年に1度もしくは5年に1度
  • 海鳥の長期的な量的・質的状況
  • 希少種、南限・北限種等の調査対象種の推定巣数(密度)の増減傾向
  • 繁殖地において海鳥の生息を妨げるおそれのある環境要因
個体数
繁殖エリア 全島踏査等
繁殖数・
繁殖密度
抱卵期または育雛期における抱卵・抱雛中の巣数カウント等
海鳥の生息調査1
海鳥の生息調査2

■詳しくはマニュアル・動画マニュアルをご覧下さい。

分かってきたこと

海鳥の繁殖地に侵入した外来種が脅威に

本来、捕食者のいない「島」で子育てを行う海鳥にとって、島への外来種の侵入は大きな脅威となります。2017年度までの海鳥調査の結果、各地の島々で外来の捕食者による海鳥への被害が確認され、希少な種の繁殖数が大きく減った島もあることがわかりました。
福岡県小屋島(こやしま)サイトでは、2009年にドブネズミの侵入と多数のヒメクロウミツバメの死体を確認後、成鳥は飛来するものの、卵や雛の確認はなく巣穴数も減少しています。

小屋島のヒメクロウミツバメの巣数のグラフ

図. 小屋島のヒメクロウミツバメの巣数
固定調査区2ヶ所(合計面積120㎡)で繁殖の確認あるいは痕跡のあった巣数。

  •  

■その他分かってきたことは、分かってきたこと一覧をご参照下さい。

施策への活用

  • ・生物多様性及び生態系サービスの総合評価
  • ・国や地方自治体のレッドリストの改定(エトピリカ、ウミガラス、オオセグロカモメなど)
  • ・生物多様性地域戦略
  • ・保護地域や世界遺産地域などの指定や管理(知床、小笠原など)
  • ・保護増殖事業計画などの希少種の保全対策
  • ・土留め工事などの生息地の保全対策
  • ・ドブネズミ駆除事業などの外来種対策
  • ・地域ごとの風力発電や混獲によるリスク・把握など海鳥の保全対策
  •  
  • ■詳しくは施策への活用一覧をご参照下さい。

調査結果へのリンク