モニタリングすることは、人の健康診断に似ています。定期的にチェックすれば、生態系で生じた異常を早く見つけることができ、すぐに対策をすれば、回復も早く、費用も安く済む場合もあります。また、対策をした場合は、どう回復したのかを知るためにも、モニタリングが大切になります。

コラム 外来種対策の効果
調査からは様々な生態系の異変や危機だけでなく、危機に陥っていた生きものの回復もとらえられています。沖縄県やんばるの森のヤンバルクイナ、福岡県小屋島(こやじま)のヒメクロウミツバメ、埼玉県天覧山・多峯主山(とうのすやま)周辺のヤマアカガエルなどは、地区ごとの取り組みによって回復が見られています。環境保全の取り組みの効果を確認、検証することも、モニタリングの大事な役割の一つです。このような回復確認の事例をもっと増やしていけるよう、保全活動と連携していくことが重要です。
ヤンバルクイナの個体数変化(森林・草原)
沖縄島北部やんばるの森に固有の飛べない鳥で、絶滅危惧種でもあるヤンバルクイナは、特定外来生物のフイリマングースに食べられるなどして個体数が減少してしまっていましたが、2000 年に始まったフイリマングースの防除活動が功を奏し、現在では個体数が回復傾向にあることが確認されました 。
ヒメクロウミツバメの巣数の経年変化(小島嶼)
福岡県の沖合の小さな岩礁である小屋島では、2009 年にドブネズミが侵入し、小型の海鳥で絶滅危惧種でもあるヒメクロウミツバメが多数捕食されてしまいました。ドブネズミの防除後、長い期間を経てようやく再び繁殖が確認されるようになりました。
ヤマアカガエルの産卵数の経年変化(里地)
埼玉県の天覧山・多峯主山周辺景観緑地では、2013 年頃から良好な水辺環境の指標となるヤマアカガエルの産卵が大きく減少しました。2015 年に開始した哺乳類調査で特定外来生物のアライグマが確認されたのを受け、2017 年にアライグマ4頭を捕獲したところ、ヤマアカガエルの産卵数が大きく回復しました 。


