森林・草原の先生にインタビュー!

モニタリングサイト1000 って何に役立つの??

中静 透 氏(国立研究開発法人 森林研究・整備機構 理事長)

森林の変化は緩やかで、その過程をデータから捉えることは容易ではありません。しかしモニタリングサイト1000 が高精度な調査を行ったことで、温暖な地域の樹木が現在よりも冷涼な地域に拡大していることなど、具体的な変化が見えてきました。他にも、この事業のデータを使って、森林の変動や働きに関する様々な研究が行われています。さらにモデルを使った予測が可能になれば、気候変動への適応策を検討する重要な材料になります。

沿岸域の先生にインタビュー!

モニタリングサイト1000 で何がわかるの??

白山 義久 氏(国立研究開発法人海洋研究開発機構 特任参事)

海は陸と比べて変化が速く、変動の大きな生態系です。毎年継続して調べることで通常の年にどれくらい変動するか把握しているからこそ、より大きな変化を異変として検出できます。東日本大震災の津波などによる生態系への影響とその後の回復も、震災前からモニタリングを行っていたからこそ、明らかにすることが出来ました。沿岸域で生物を対象とする長期モニタリングは世界でも例が少なく、モニタリングサイト1000 は国際的に高く評価されています。

里地の先生にインタビュー!

得られた成果は何に活かせるの??

石井 実 氏(大阪府立大学名誉教授・学長顧問)

里地里山は、野生生物の生息場所でもあります。里地調査の結果から、里山のノウサギ、ヒヨドリなど身近な動物の個体数や植物の種数の減少傾向が分かりました。一方、外来植物やアライグマ、ガビチョウなどの外来動物、南方系チョウ類、ニホンジカなどの野生獣は増加・拡大傾向にあり、里地里山の変貌が明らかになりました。里地調査の担い手は市民です。地域の自然を大切に思い調査を続ける人たちのためにも、得られた成果を里地里山の保全施策に活かすことが大切です。