湖沼や湿原は様々な個性的な環境を形成し、多くの生物種・群集が生活する場としてきわめて多様性が高くなっています。湿原は、植物群落の種類組成や泥炭の構成植物等から、低層湿原、中間湿原、高層湿原に区分され、低層湿原は北海道から沖縄まで広い範囲に分布し、中間湿原及び高層湿原は、屋久島を南限としてわが国の冷温帯に分布しています。特に高層湿原は氷河期の遺存種等の生息・生育環境として重要な場となっています。
湖沼・湿原の生態系は、周辺域の開発・利用、それらによる水質汚染、河川・湖岸改修や工作物の設置等に伴い大きな影響を受けてきました。湖沼・湿原は、人為的影響を受けやすい脆弱な生態系であることから、直接的な改変や水質汚染等の圧迫を強く受け、移入種の侵入や乾燥化の進行によって劣化しつつあるものも多くなっています。
モニタリングサイト1000では、全国10ヶ所の湖沼で底生動物調査、水生植物調査、淡水魚類調査などを実施し、全国7ヶ所の湿原で植生調査などを実施しているほか、全国80ヶ所の地点でガンカモ類の個体数カウント調査を実施しています。 |