長期モニタリングの重要性

モニタリングすることは、人の健康診断に似ています。定期的にチェックすれば、生態系で生じた異常を早く見つけることができ、すぐに対策をすれば、回復も早く、費用も安く済む場合もあります。また、対策をした場合は、どう回復したのかを知るためも、モニタリングが大切になります。

長期モニタリングの重要性

コラム 奄美の在来種、回復の兆し

1979年に奄美大島に持ち込まれたマングースは急速に数を増やし、もともとすんでいたアマミノクロウサギや鳥類、カエル、トカゲ類などの在来種の動物たちを食べ、それらの数は少なくなってしまいました。そのため2000年からマングースの本格的な捕獲を行い、これまでに32,000頭以上を捕獲した結果、アマミノクロウサギをはじめとする在来種の数が回復傾向にあることが分かっています。

マングースの捕獲効率の変化

マングースの捕獲効率の変化

CPUEは、のべ1,000個のわなで捕獲できるマングースの数を示しています。CPUEは急激に低下しており、マングースが少なくなっていることがわかります。

在来種の発見頭数(※)

在来種の発見頭数(アマミノクロウサギ)

全長41.1kmの奄美中央林道を夜間に車でゆっくり走り、見つかった在来種の数。調査は各年に4回実施されていますが、縦軸には調査1回あたりの発見数、横軸には調査した年が示されています

在来種の発見頭数(アマミイシカワガエル)

出典:沖縄奄美自然環境事務所発行 パンフレット 世界でたったひとつの奄美を守る 奄美大島マングース根絶にむけて 2019年度改訂版
※Watari et al.(2013)を改変