サンゴ礁調査

生態系「サンゴ礁」

生態系「サンゴ礁」

多くの生きものが暮らし、単位面積あたりの生物種の数が地球上で最も多い場所のひとつです。多様な生きものが共存し、生物多様性がとても豊かなサンゴ礁は、「海の熱帯林」と呼ばれることもあります。
日本は世界サンゴ礁分布の北限域にあたります。サンゴは沖縄等の暖かい海だけでなく、九州から本州までの比較的水温の低い海にも分布し、多様なサンゴ礁生態系を形成しています。

トピックス

調査項目と内容

現地調査主体:研究者や市民団体

■調査者・専門家へのインタビュー

調査項目 調査内容 調査結果の概要
サンゴ 被度、生育型、加入数、白化現象の有無
  • 被度、加入数の経年変化
  • 被度と白化現象の関係
  • 生育型の変化
    (南方性種の分布拡大)
オニヒトデ 個体数、優占サイズ、食害率
  • オニヒトデの大規模発生、被害状況
物理環境 位置、地形、底質、水深、水温
  • 大規模な白化現象発生時の高水温との関係性
その他の攪乱要因 サンゴ食巻貝の発生状況・食害率、大型定着性魚類の個体数 ほか
  • サンゴ食巻貝の発生状況
  • 台風や土砂流入によるサンゴへの影響など

■詳しくはマニュアル・動画マニュアルをご覧下さい。

分かってきたこと

南に生息するサンゴの北上

日本に生息するサンゴの種類は「沖縄などの水温の高い南の海」と「九州から本州までの比較的水温の低い北の海」とで少し異なります。海水温が年々上昇することによって、これまで南の海に生息していたサンゴの分布が、比較的温度の低い海で拡大しつつあることが分かりました。

串本周辺サイトにおけるサンゴ礁の変化の様子

写真. 串本周辺サイトにおけるサンゴ礁の変化

2003年3月(左)には、テーブル状サンゴやクシハダミドリイシが見られていましたが、2014年3月(右)には南方系の枝状サンゴやスギノキミドリイシが増加したことが分かります。(写真提供:野村恵一)

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■その他分かってきたことは、分かってきたこと一覧をご参照下さい。

施策への活用

  • ・サンゴの大規模白化に関する緊急宣言発令
  • ・サンゴ礁生態系保全行動計画策定の基礎資料
  • ・オニヒトデの駆除(小笠原、串本、鹿児島南部、奄美群島、石西礁湖など)
  • ・自然再生事業における評価・検証(石西礁湖)
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  • ■詳しくは施策への活用一覧をご参照下さい。

調査結果へのリンク