生物多様性センター

藻場分布図の概要

藻場分布図の基本仕様

藻場調査(2018~2020年度)で作成した藻場分布図の基本的な仕様は下表のとおりです。

表 藻場分布図の基本仕様
調査対象海藻藻類からなる「藻場群落」及びアマモ等の維管束植物からなる「海草群落」の両方を対象としています。
対象海区北方領土及び一部の離島を除く国土の全域を対象(東北太平洋沿岸※1、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海※2、有明海及び八代海※3は調査対象外)。藻場分布図の整備対象の海区は、海藻相の特徴や過去の調査との整合性に加え、効率的な現地調査実施の観点から行政界等にも配慮して8海区を設定しました。なお、東北太平洋沿岸海区は、2015年~2016年度に藻場分布図を作成しているため、藻場調査(2018~2020年度)の調査対象の海区には含まれていませんが、公開する藻場分布図のGISデータは、同海区も含めて整備しています。
作成方法高解像度衛星画像(解像度50cm程度)を用いた衛星画像の解析と判読により藻場分布域を抽出し、藻場タイプの凡例を付与した上で、GISデータとして藻場分布図を整備しました。
衛星画像解像度50cmを基本として、主に2014~2018年の衛星画像、各海区の藻場の繁茂期、画像の鮮明さ、観測波長帯などを考慮して選定しました。
精度画像解析に使用した衛星画像の状態(解像度、撮影年、撮影時の海況等)に依存します。
凡例アマモ場、海藻藻場、スガモ場(スガモ、エビアマモが主要な構成要素の一つである海藻混生藻場)の3区分
最小取得面積1ha(ただし、1ha未満であっても表記されている場合があります)
藻場分布図形態GISデータ(「藻場分布図GISデータ製品仕様書」参照)
留意点 藻場分布図の精度は衛星画像に依存するため、調達する衛星画像は、現況に近いものとして「原則2018年から直近3年間」で各海区の藻場の繁茂期のものを選定し、場所によって画像解析に利用できる衛星画像が得られなかった場合は「2018年から直近5年間(2014~2018年)」としています。この期間で入手できなかった場合は、最大2011年まで遡って調達しています。なお、高解像度衛星画像(50cm解像度)の入手が困難な場合は1.5m解像度の画像を調達しています。
縮尺1/25,000での利用を想定しています。GISデータで作成した藻場分布図のため、実際には1/25,000より大縮尺でも閲覧可能ですが、使用した衛星の軌道によって起伏のある海岸線では位置ずれが生ずる場合があります。詳細は「使用した衛星画像および藻場分布図の位置精度について」をご覧ください。
藻場分布図の精度は衛星画像に依存しますが、衛星画像から作成した藻場分布図の精度の確からしさを確認するため、2019年と2020年に全国59か所の海域で実施した現地調査の結果を利用して精度検証を行っています。このため、精度検証の結果は、解析に利用した衛星画像の撮影年(主に2014~2018年)と現地調査を実施した年(2019、2020年)とにずれが生じていることを踏まえて確認してください。

※1 「東北太平洋沿岸海区」については、平成27年度東北地方太平洋沿岸地域植生・海域等調査(環境省生物多様性センター,2016)で作成済の藻場分布図を判読、凡例置換により新規に作成する藻場分布図と同一規格とし、統合しました。
※2 「瀬戸内海における藻場・干潟分布状況調査について」(環境省水・大気環境局水環境課閉鎖性海域対策室)を参照してください。
※3 「有明海北部海域における藻場・干潟分布状況調査の結果について」及び「有明海南部海域及び八代海における藻場・干潟分布状況調査の結果について」(環境省水・大気環境局水環境課閉鎖性海域対策室)を参照してください。