要約 |
本調査は環境省が募集した多数の自然愛好家に参加いただき、「環境指標生物」となる身近な動植物の分布や生態を調べる事で、 以下の事項を達成する事を目的とした。
・一般の方々の居住地周辺にある身近な自然を全国一律・一斉に調査する事で、数少ない専門研究者だけでは困難な多数の情報を収集する。
・調査を通じて国民の身近な自然への関心を高め、その保全の必要性等についての理解を深める。
第3回基礎調査(環境指標種調査の1回目)においては、基準地域メッシュ(「3次メッシュ」ともいう。約1km×1km)を単位として、 76種類の動植物について、その分布(確認)情報(「その種がいた」)が収集した。また、第4回基礎調査(環境指標種調査の2回目) においては、同様の単位で10コース48種類の動植物について「見つかった」、「見つからなかった」、「わからなかった」のいずれかの情報を 収集した。
第5回基礎調査においては、データの信頼性を確保するために、種の確認ができるもの(平成7年度はセミの抜けがら、 平成8年度はオナモミ等の種子、平成9年度はつばめの巣の写真)を分布情報とともに参加者から収集する方法を採用した。 採取された標本もしくは写真と、採集場所の地名、採集物の種名などが情報として収集され、それらをもとに専門家によって種の正確な同定 (識別)がなされた。そして、地名から導き出された標準地域メッシュをもとに全国分布図を作成し、対象種の最新の分布状況を明らかにした。
第6回基礎調査においては、参加者の方々に居住地近くの「身近な林」を対象地に選んでいただき、四季を通じてその林に出現する動植物や 周辺環境を継続的に調査していただいた。このことにより、広く国民に身近な自然環境に対する興味・関心を持っていただき、 合わせて得られたデータを集計、種の同定、結果の解析をすることにより、参加者の方々が身近に感じている自然(身近な林)の特徴、 抱えている問題点、保全の方向性等を得ようとした。
本冊子は、その案内パンフレット。 |