曲淵ダム(福岡市水道局)
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上下流の連携等による水資源の保全

日本列島は、中央部に北から南に縦断して山脈が連なっています。この山脈に広がる森林では、大小無数の孔を持つスポンジ状の構造を持つ土壌中に雨水が浸透することで、雨水の浄化や貯留が行われています。また、浸透する過程で岩石の間を通ることにより、ミネラル分を含む、いわゆる「おいしい水」を生み出しています。この水が、山から河川や地下水脈を通じて海に向かって流れることで、飲料水や農業用水、工業用水等としての利用や、海洋生物の成長に必要な栄養分の供給を可能としています。森林や河川、地下水脈が持つこのような機能を維持することが、私たちの暮らしを支えるために重要です。

日本では、水資源を持続的に利用できるよう、上流における森林の維持管理に、河川水を水資源として利用する下流の受益者が支援する協力関係の模索が、古くから行われてきました。18世紀の終わり頃には、水道事業体や電力会社が、上流域の林業者に対し、植林や育林に対して補助金を支払っている例が確認されており(熊崎, 1984) 、現在では様々な事例が各地で見られています。

ここでは、森林の持つ「水源涵養」や「水質浄化」などの生態系サービスを受けている下流域の受益者が、行政区を超えて水資源の保全のために上流域の森林の維持管理費用を負担する仕組みとして、2つの取り組みを紹介します。また、地下水を水資源として利用している企業がその水脈に利用した量以上の水を戻すことによって、地下水脈を保全している事例も併せて紹介します。

●参考文献
・熊崎実(1984)「水源林をめぐる上流と下流:その対立と協力の歴史」農村計画学会誌3(2) p16-23

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