概要 |
地球温暖化に伴うイワナ類の生息適地の変化を予測した地図。 |
考え方 |
国内の代表的な渓流魚であるイワナ類は冷水域に生息する魚類であり、日本産のイワナは世界のイワナ類の中でも南限に分布する。 河水残留型のイワナは、過去の氷河期の寒冷な時代に海と河川との間を往復する降海型であった個体群が、氷河期後の温暖化とともに水温の低い各河川の上流域に閉じ込められたと考えられる。そのため河川・支流毎に長い間、遺伝的な交流がなく、それぞれに独自に分化して多様な変異が認められる。 イワナ類は渓流釣りの対象魚として人気があるため、捕獲圧が高いほか、河川の横断工作物による生息地の分断化や改修工事、他の河川から持ちこまれた個体や外来魚・養殖魚の放流等により交雑や競合を起こし、個体群の縮小や純粋な地域型の個体が少なくなっている。そうした状況の元で温暖化の影響によって水温が上昇すると、生息に適する地域が減少し、地域個体群の絶滅リスクが高まる。 本地図ではこうした状況にある日本産のイワナ類について、現存の分布記録を元に現在の環境下における生息域の予測モデルを作成し、気候変動に関する政府間パネルIPCC(2007)等を参考に水温が3℃上昇すると生息適地がどのように変わるかを予測した。 |
データ及び加工方法 |
本地図ではイワナ類の分布を鑑み、本州以南と北海道の2つの地域に分けて予測を行った。
(引用・参考文献) 産業技術総合研究所地質調査総合センター (編) (2010) 20万分の1日本シームレス地質図データベース 2010年2月1日版.産業技術総合研究所研究情報公開データベースDB084,産業技術総合研究所地質調査総合センター. |
地図により表現される生物多様性の状況 |
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データの ダウンロード |
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データの出典 |
【イワナ類・オショロコマ類の分布データ】
【生息適地図のデータ】
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データに関する注意事項等 | - |