11-1 過去の開発により消失した生態系(長期的な土地利用変化)

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概要

過去約100年間における土地利用(森林・農地・市街地)の変化の状況を示す地図。

考え方

生物多様性の損失は土地利用の変化と深く関わっており、過去から現在までの土地利用の変化を把握することにより、過去にどこでどのような生物多様性の損失が起きてきたかを推測することができる。この地図では、過去約100年間で、生物多様性に最も大きな影響を及ぼしてきたと考えられる「第1の危機」の指標及び近年影響が顕在化している「第2の危機」の指標として次の3つの土地利用変化を示す。

<「第1の危機」の指標>

  • 森林から農地又は市街地への変化(森林が開発された地域:地図上の橙色)
  • 農地から市街地への変化(農地が宅地等に転換された地域:地図上の赤色)

<「第2の危機」の指標>

  • 農地から森林への変化(農地が放棄または植林により森林化した地域:地図上の水色)
データ及び加工方法

<1900年頃の土地利用状況>
明治期の1900年頃の全国の土地利用状況を示した資料として当時の陸軍が整備した地形図がある。文部省重点領域研究「近代化と環境変化」(平成2-4年度)土地利用変化研究班(代表:氷見山幸夫氏)はこの明治期の地形図から土地利用を2kmメッシュ単位で読み取りデータベース化した。

<現在(2006年)の土地利用状況>
現在の土地利用状況を示すデータについては、国土交通省 国土数値情報の土地利用細分メッシュデータから2006年度のデータを選択した。このデータは、人工衛星(TERRA(Aster)、ALOS)を利用したリモートセンシングによる画像データについて、幾何補正やNDVI(正規化植生指標)算出等を行い、数値地図も用いて、土地分類基準に従い2次メッシュ単位の正規化座標で整備したものである。

本地図は1900年と2006年の約100年間の森林・農地・市街地について、それぞれ土地利用の変化があった地点を抽出し、地図化した。土地利用については、1900年頃の土地利用の凡例を国土数値情報と同じ凡例に読み替え、2kmメッシュの北西角の地点のデータを用いた。

【データ】

  • 北海道教育大学 氷見山幸夫氏データ
  • 国土数値情報 土地利用細分メッシュ(平成18年、国土交通省)
地図により表現される生物多様性の状況

過去約100年間において、特に平野部を中心に、我が国の土地利用は大きく変化した。具体的には次の通りである。

【森林が農地又は市街地として開発された地域】
日本全国に広く見られる。特に、広い平野部である北海道東部や関東地方北部ではまとまった地域で農地化が起きている。

【農地が市街地に転換された地域】
関東、中部、近畿の三大都市圏で顕著であるほか、地方の中核都市でも見られる。

【農地が放棄または植林地化された地域】
北海道西部、中国、四国、九州地方等に多く存在する他や全国に広く点在する。

データの
ダウンロード
データの出典

【現在(2006年)の土地利用データ】

  • 国土数値情報 土地利用細分メッシュ(平成18年、国土交通省)

【1900年頃の土地利用データ】

  • 氷見山幸夫氏(北海道教育大学)ら作成のLUIS(Land Use Information System:現在は非公開)のデータ
データに関する注意事項等
  • GISデータについては非公開

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