8-3,4 分布域が限定される絶滅危惧種の確認種数(動物及び維管束植物)

  • 8-3 分布域が限定される絶滅危惧種の確認種数(動物)

    8-3 動物

  • 8-4 分布域が限定される絶滅危惧種の確認種数(維管束植物)

    8-4 維管束植物

  • 参考:塩性湿地を指標する絶滅危惧種(維管束植物)の確認種数

    参考 塩生湿地

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概要

環境省レッドリストに掲載されている日本の絶滅危惧種(絶滅危惧I類及びII類)のうち、分布域がごく狭い種の確認種数を示した地図。

考え方

絶滅危惧種の中でも分布域が限られている種は、現在ある生育・生息地が失われることが、直ちに絶滅につながるおそれがある。種の絶滅を防止する観点からは、これらの種の生育・生息地を確実に保全することが特に重要となってくる。このため、この地図では、絶滅危惧種のうち分布域がごく狭い種(ここでは便宜的に、分布記録のある2次メッシュが10メッシュ(国土の約0.2%)以下に限られるもの)を対象として、それらの種が集中的に分布する地域を評価した。

<参考:塩生湿地を指標する絶滅危惧種(維管束植物)の確認種数>
生物相から見た総合的な地域の環境を把握する手法として、その環境を指標する種選定し、その分布状況から把握する手法がある。この指標種を用いる手法は気温等の環境条件を直接に測定することと異なり、その場所の過去からの連続的な状況を総合的に把握できること等の利点がある。しかしながら全国レベルの状況を指標種で評価することは地域毎の元々の生物相の違いや分布調査の精度差等、様々な要素が関係するため、評価が難しい。

ここでは試行的に「塩生湿地」と呼ばれる満潮時に海水の影響を受ける湿地に生育する植物を指標として選択し、その分布状況から全国レベルの塩性湿地の評価を行った。こうした地域は海と陸との移行帯(エコトーン)として、生物多様性の保全上、重要視されている環境の1つである。

データ及び加工方法

地図8-1および2のデータから、国内の分布メッシュ数が2次メッシュで10メッシュ以下の動物429種、維管束植物629種(合計1,058種)を抽出し、分布種数を2次メッシュで分類群ごとに集計した。

【データ】

  • 第2回自然環境保全基礎調査 動物分布調査 哺乳類(昭和56年、環境庁)
  • 第2回自然環境保全基礎調査 日本産鳥類の繁殖分布(昭和56年、環境庁)
  • 第3回自然環境保全基礎調査 動植物分布調査 鳥類(越冬期)(昭和63年、環境庁)
  • 第5回自然環境保全基礎調査(種の多様性調査)動植物分布調査(平成14年、環境省)の以下の分類群の調査結果
    哺乳類、両生・爬虫類、淡水産魚類、陸産・淡水産貝類、昆虫類、貝類
  • 第6回自然環境保全基礎調査 哺乳類分布調査(平成16年、環境省)
  • 第6回自然環境保全基礎調査 鳥類繁殖分布調査(平成16年、環境省)
  • 農林水産省 田んぼの生きもの調査(平成14~21年、農林水産省)
  • 絶滅危惧種分布情報公開種 植物I維管束植物 (環境省)
    平成12年レッドデータブック刊行時 データ
    平成19年レッドリスト選定時 データ
  • 日本植物分類学会提供データ(平成19年、植物分類学会)

参考:塩生湿地を指標する絶滅危惧種(維管束植物)の確認種数
以下の分布データの中から、塩生湿地の指標となる以下の10種の絶滅危惧種の分布データを抽出し、確認種数を集計した。なお、( )内は環境省レッドリストでのランクである。

アッケシソウ(VU)、シチメンソウ(VU)、ヒロハマツナ(VU)、ウラギク(VU)、
ハマサジ(NT)、フクド(NT)、シバナ(NT)、オオシバナ(NT)、オオクグ(NT)、
ヒメウシオスゲ(NT)

【データ】

  • 絶滅危惧種分布情報公開種 植物I維管束植物 (環境省)
    平成12年レッドデータブック刊行時 データ
    平成19年レッドリスト選定時 データ
  • 日本植物分類学会分類学会提供データ(平成19年、植物分類学会)
地図により表現される生物多様性の状況

南西諸島、小笠原諸島などの島嶼部は、地史的成立過程などによって特徴づけられる固有種が多いため、これらの地域は分布域の限定される絶滅危惧種が集中している。また、本州の南・北アルプス、北海道の大雪山や日高山脈等の高山帯にも、同様の理由で集中が見られる。動物においては奄美大島、沖縄島、石垣島、西表島などに、植物では南アルプス、屋久島、奄美大島などに、それぞれ顕著な集中が認められる。

こうした地域のうち危機要因がある地域(地図12,14,15参照)では、危機要因に応じた適切な対策を講じることが必要である。

<参考:塩生湿地を指標する絶滅危惧種(維管束植物)の確認種数>
塩性湿地の指標種のみを抽出して評価を行うと、瀬戸内海沿岸(特に周防灘)、有明海や大村湾等の沿岸部に確認種数の多い地域が見られた。こうした地域は、全種での評価では出てこないが、保全上重要な地域である。

データの
ダウンロード
データの出典

【動物の分布記録】

  • 第2回自然環境保全基礎調査 動物分布調査 哺乳類(昭和56年、環境庁)
  • 第2回自然環境保全基礎調査 日本産鳥類の繁殖分布(昭和56年、環境庁)
  • 第3回自然環境保全基礎調査 動植物分布調査 鳥類(越冬期)(昭和63年、環境庁)
  • 第5回自然環境保全基礎調査(種の多様性調査)動植物分布調査(平成14年、環境省)の以下の分類群の調査結果
    哺乳類、両生・爬虫類、淡水産魚類、陸産・淡水産貝類、昆虫類
  • 第6回自然環境保全基礎調査 哺乳類分布調査(平成16年、環境省)
  • 第6回自然環境保全基礎調査 鳥類繁殖分布調査(平成16年、環境省)
  • 農林水産省 田んぼの生きもの調査(平成14~21年、農林水産省)

【維管束植物の分布記録】

  • 絶滅危惧種分布情報公開種 植物I維管束植物(環境省)
    平成12年レッドデータブック刊行時 データ
    平成19年レッドリスト選定時 データ
  • 日本植物分類学会提供データ(平成19年、植物分類学会)
データに関する注意事項等
  • GISファイルには2次メッシュ(約10km四方)毎の種数のみを載せている

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