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わが国には、変化に富んだ自然があり、多様な生物が生息・生育しています。そして、人々の暮らしの営みを通じて形づくられた特有の文化があります。これらの自然や文化は、それぞれの地域において長い年月をかけて育まれてきたものです。また、人々の暮らしは生物多様性の恵み、すなわち自然の様々な恵み(生態系サービス)を受けることにより成り立っています。このように、豊かな生物多様性は私たちのいのちと暮らしを支える基盤です。
しかし、近年、本来豊かであるはずのわが国の生物多様性が失われつつある中で、全国各地で、様々な立場の人々がお互いに協力し合って、自然や文化等の地域特性を活かした生物多様性の保全のための活動を実践しています。
こうした取り組みをより一層広げていくため、平成22年12月に「地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律(生物多様性地域連携促進法)」が制定され、平成23年10月から施行されました。
生物多様性地域連携促進法は、様々な立場の人々が互いに連携して生物多様性の保全のための活動(地域連携保全活動)を促進することで、わが国の豊かな生物多様性の保全を図ることを目的としています。
生物多様性地域連携促進法では以下のことが定められています。
地域の自然的・社会的な条件に応じて、地方公共団体やNPO等の民間の団体、地域住民、農林漁業者、企業、専門家など地域の様々な関係者が連携して行う生物多様性の保全のための活動を「地域連携保全活動」と呼びます。
こうした活動を通じて、人と人、人と自然のつながり、地域への誇りと愛着、そして地域の活力が生み出され、生物多様性の保全だけではなく、少子高齢化や過疎化等それぞれの地域が抱える課題を乗り越えるきっかけとなることも期待されています。
地域の特性に応じた活動が行われると・・・
活動が地域に根ざすことで・・・
自然の中での活動や様々な関係者との協働を通じて・・・
環境大臣、農林水産大臣、国土交通大臣は、地域連携保全活動の促進に関する基本方針を策定します。
基本方針についてはこちら(環境省HP)
平成29年度には、生物多様性地域連携促進法が策定から5年を迎えたことから、法を活用し生物多様性分野において今後さらなる地域の連携の促進を図るため、生物多様性地域連携保全活動の促進に関する検討会を開催しました。
検討会は3回にわたり開催し、関係自治体へのヒアリングや検討課題ごとの対応方針の整理を行い、その内容を報告書に取りまとめました。
市町村は、国が策定した「基本方針」に基づいて「地域連携保全活動計画」を作成することができます。また、NPO法人等は、市町村に対し、地域連携保全活動計画の案の作成について提案することができます。
地域連携保全活動計画に位置づけられた活動については、自然公園法等の法律に基づく許可や届出など一部の手続が不要となる特例措置があります。ただし、その場合は計画作成時に国または都道府県への協議が必要となります。必要に応じて、協議の窓口となる環境省自然保護官事務所又は都道府県担当部局に相談して下さい。
※特例措置が設けられているのは上記の法律の一部の規定のみとなります。
市町村は、活動計画の作成や実施のための協議・調整を行うため、協議会(地域連携保全活動協議会)を組織することができます。協議会は、活動計画を作成しようとする市町村、NPO等の活動主体、地域連携保全活動支援センター、地域住民、学識経験者、関係行政機関などで構成されます。
地方公共団体は、各主体間における連携・協力の斡旋(あっせん)、必要な情報の提供や助言を行う拠点として、地域連携保全活動支援センターを設置するように努めることとしています。
国及び地方公共団体は、地域連携保全活動に関し、情報の提供、助言などの必要な援助を行います。また、国、地方公共団体及び地域連携保全活動支援センターは、保全活動の円滑な実施が促進されるよう、必要な情報交換を行うなどして相互に連携を図りながら協力します。
生物多様性の保全を目的としてNPOなどが活動を行う生物の多様性の保全上重要な土地の取得(ナショナル・トラスト運動等)が促進されるよう、国は情報の提供、助言などの必要な援助を行います。