カルタヘナ法に関するQ&A

s_07-01.jpg 遺伝子組換え生物の利用については、安全性などに関して漠然とした不安を感じてしまいます。
s_07-02.jpg  カルタヘナ法では生物多様性の観点から安全性を確認していますが国内ではそのほかにも、下図のとおり利用目的に応じて安全性が確認されたもののみが利用されています。
 なお、食品としての安全性が確認された遺伝子組換え食品については、JAS法及び食品衛生法に基づき表示ルールが定められています。
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s_07-04.jpg 具体的な個別案件の評価内容を知りたいのですが。
s_07-05.jpg  「カルタヘナ法に関する情報の公開」で紹介しているJ-BCHホームページ(http://www.biodic.go.jp/bch/)で、第一種使用のすべての案件について、評価に用いられた評価書の概要とそれに対する学識経験者意見を掲載していますのでご覧ください。
s_07-06.jpg 除草剤の影響を受けない遺伝子組換え植物が雑草化してしまうことはないのでしょうか? また、その遺伝子が雑草に移って、除草剤をまいても枯れない雑草が増殖してしまったらどうするのでしょうか?
s_07-07.jpg  栽培用に育種された農作物は、ほとんどのものが、人が除草し、水・肥料を与えて保護しなければ生育できません。これまでに使用が認められている除草剤耐性作物は、除草剤耐性の遺伝子を持っていても、それだけで生命力や繁殖力が強くなるわけではないと評価されています。また、導入されている除草剤耐性は特定の除草剤のみに耐性を示すもので、道路沿いや河川敷で特定の除草剤が広く継続的にまかれることは考えにくいことから、他の植物より優位に生存することはないと評価されています。
 なお、導入されている遺伝子は交配によって伝達されるので、交配ができない別種の雑草に遺伝子が移り、その雑草の性質が変わるようなことはありません。
s_07-08.jpg 遺伝子組換えナタネがこぼれ落ちて野外に生えており、環境省の調査で他種との雑種がみつかったと聞きましたが。
s_07-09.jpg  これらの遺伝子組換えセイヨウナタネは、カルタヘナ法に基づき、こぼれ落ちて野外に生えたり、それが近縁種と交雑しても生物多様性への影響のおそれはないと事前に評価されたうえで、野外での栽培を含めた使用が承認されています。
 環境省による調査で見つかった種子は、遺伝子組換えセイヨウナタネと「在来ナタネ」との雑種であると推察されました。「在来ナタネ」は、作物由来の外国原産の植物であり、在来の野生種ではないので、遺伝子組換えセイヨウナタネが交雑することによって、我が国の生物多様性に影響を与えるものではないと考えられます。
s_07-10.jpg 遺伝子が組み換えられた光る魚がいると聞いたことがありますが、日本で飼ってもいいのでしょうか?
s_07-11.jpg  クラゲなどの蛍光タンパク質を発現させる遺伝子が導入された「光る魚」(メダカやゼブラダニオなど)については、海外では飼われているケースもありますが、平成28年12月現在、我が国でカルタヘナ法に基づく承認はされていません。
s_07-12.jpg 遺伝子組換えゼブラダニオ
提供:自然環境研究センター
s_07-13.jpg 評価時点で予測できなかった生物多様性への影響が生じた場合、どのように対処するのですか?
s_07-14.jpg  こうした事態が生じた場合に備え、第一種使用規程の申請者に対し、生物多様性への影響が生ずるおそれがあると認められるに至った場合の緊急措置に関する計画書を定め、こうした事態が生じた場合には迅速に必要な措置をとるよう求めています。また、このような場合、第一種使用規程を変更又は廃止するとともに、その使用者に対し、使用等を中止するなどの命令をすることができるよう法律で定められています。