平成22年度採択事業の概要

No. 事業内容 団体名 根拠法 事業実施期間
1 カミツキガメ及びウチダザリガニの防除に関する防除実施計画策定及び実証 千葉県 外来生物法 H22 ~ H24
2 タイワンザルの防除に関する防除実施計画策定及び実証 和歌山タイワンザルワーキンググループ 外来生物法 H22 ~ H24
3 ソウシチョウの防除に関する防除実施計画策定及び実証  特定非営利活動法人四国自然史科学研究センター 外来生物法 H22 ~ H24
4 自然再生事業実施計画の策定  特定非営利活動法人自然再生センター 自然再生推進法 H22 ~ H23
5 自然再生事業実施計画の策定  財団法人阿蘇グリーンストック 自然再生推進法 H22
6 ニホンジカの個体数調整(特定鳥獣保護管理計画)の実証  群馬県 鳥獣保護法 H22 ~ H24
7 ニホンジカの個体数調整(特定鳥獣保護管理計画)の実証  山梨県 鳥獣保護法 H22 ~ H24
8 ツシマヤマネコの保護増殖事業計画の策定  長崎県対馬市 種の保存法 H22 ~ H24
9 生物多様性地域戦略の策定  北海道礼文町 生物多様性基本法 H22 ~ H23
10 生物多様性地域戦略の策定  北海道黒松内町 生物多様性基本法 H22 ~ H23
11 生物多様性地域戦略の策定  神奈川県横浜市 生物多様性基本法 H22
12 生物多様性地域戦略の策定  新潟県佐渡市 生物多様性基本法 H22 ~ H23
13 生物多様性地域戦略の策定  兵庫県西宮市 生物多様性基本法 H22 ~ H23
14 生物多様性地域戦略の策定  広島県北広島町 生物多様性基本法 H22 ~ H24
15 生物多様性地域戦略の策定  沖縄県 生物多様性基本法 H22 ~ H24

 

1 千葉県(カミツキガメ及びウチダザリガニの防除に関する計画策定及び実証)

  • ワナを用いたカミツキガメ捕獲作業

    ワナを用いたカミツキガメ捕獲作業

事業実施期間

平成22年度~24年度

法定計画名(法律名)

防除実施計画(外来生物法)

事業の概要および成果

特定外来生物に指定されているカミツキガメについて、千葉県が策定している県全域における防除実施計画に基づき広域的な防除の実証事業を実施。また、平成21年度に関東地方ではじめて確認された特定外来生物のウチダザリガニについて、外来生物法制定以後に生息が確認された早期防除対策の一例として、防除実施計画の策定及び初期防除の実証事業を実施。事業実施場所ではカミツキガメが低密度化・小型化。本事業により生息密度の大小が明らかとなってきており、効果的な防除の推進に向けた情報が蓄積されつつある。ウチダザリガニは平成22年度6月以降捕獲されず、事業対象地域の生息個体数は極めて少数か根絶されたことが判明。

2 和歌山タイワンザルワーキンググループ(タイワンザルの防除に関する計画策定及び実証)

  • 自動撮影カメラで確認されたタイワンザル交雑種(ワカモノ:メス)

    自動撮影カメラで確認されたタイワンザル交雑種(ワカモノ:メス)

事業実施期間

平成22年度~24年度

法定計画名(法律名)

防除実施計画(外来生物法)

事業の概要および成果

交雑によるニホンザルの遺伝的かく乱が問題となっている特定外来生物のタイワンザルについて、和歌山県では自治体や研究者等が協力して駆除を実施した結果、平成21年度末時点で20頭まで減少させ成果をあげてきたが、残存する個体の捕獲が極めて困難であった。本事業により、捕獲手法やモニタリング手法の開発、防除実施計画の策定及び低密度下にある外来ザルの根絶に向けた防除の実証事業を実施。平成24年度調査で一頭の交雑ザルが捕獲されたが、継続調査の結果、群れが生息しているという情報はなく極めて根絶に近い状況であることが確認された。委託事業終了後も、引き続き和歌山県により根絶確認に向けた継続的なモニタリングが実施されている。

3 特定非営利活動法人四国自然史科学研究センター(ソウシチョウの防除に関する計画策定及び実証)

  • 大型捕獲ワナ実証実験

    大型捕獲ワナ実証実験

事業実施期間

平成22年度~24年度

法定計画名(法律名)

防除実施計画(外来生物法)

事業の概要および成果

特定外来生物ソウシチョウの侵入が高標高地域の原生林地帯で確認されており、放置すれば既存の鳥類群集の構成を大きく変化させてしまう可能性がある。本事業では、四国において、これまで防除実施計画の確認・認定及び国内での防除事例も報告されていない本種に関し、市民の参加を得て、国内初の防除実施計画の策定と、捕獲方法の実証事業を先進的に実施。誘因捕獲や繁殖干渉、越冬地における大量捕獲等の捕獲手法の実証試験や、分布情報や生態情報の収集・解析を基に、平成24年に防除実施計画を策定するとともに、効果的な防除手法に関する検討会を開催。

4 特定非営利活動法人自然再生センター(自然再生事業実施計画の策定)

  • 繁茂した海藻(オゴノリ)の回収

    繁茂した海藻(オゴノリ)の回収

事業実施期間

平成22年度~23年度

法定計画名(法律名)

自然再生事業実施計画(自然再生推進法)

事業の概要および成果

中海における干潟、浅場の豊かな生態系の再生を目指し、主として承水路を中心とした、海藻の循環利用による干潟、浅場の生態系の再生と干潟、浅場の生態系に重要な構成要素であるコアマモ場の再生を目的とした自然再生事業を推進するため、海藻類の分布及び現存量の把握やアマモ・コアマモ場の拡大のための調査研究など行い、自然再生事業の内容を明らかにした自然再生事業実施計画を作成。

5 財団法人阿蘇グリーンストック(自然再生事業実施計画の策定)

  • 阿蘇草原の維持管理

    阿蘇草原の維持管理

事業実施期間

平成22年度

法定計画名(法律名)

自然再生事業実施計画(自然再生推進法)

事業の概要および成果

阿蘇草原における生物多様性の保全上重要な湿地において、その保全再生を図るため、現地調査を行い、周囲の草原環境の維持管理の変化や盗掘等により、急速に衰退しつつある生物多様性の危機的状況を明らかするための調査などを行い、自然再生事業の内容を明らかにした自然再生事業実施計画を作成。

6 群馬県(ニホンジカの個体数調整の実証)

  • 生態系へのシカの影響について説明を受ける子供たち

    生態系へのシカの影響について説明を受ける子供たち

事業実施期間

平成22年度~24年度

法定計画名(法律名)

特定鳥獣保護管理計画(鳥獣保護法)

事業の概要および成果

山岳地域である赤城山鳥獣保護区において、シカの生息密度及び希少植物等への影響を調査し、専属の指導者を中心とした捕獲体制の下で、新技術を用いたわなによる効率的なシカ捕獲等を実施した。また、地元自治体である前橋市、地元観光協会、自然保護団体等、地域の多様な主体との連携により、樹幹へのネット巻きやシカ侵入防止柵の補修等、希少植物等への保護対策を実施した。
本事業により、ニホンジカの生息密度の減少傾向が確認された。また、植生の状況についても、調査区の出現種数の増加傾向が見られ、生物多様性保全への効果が確認された。

7 山梨県(ニホンジカの個体数調整の実証)

  • 山岳地域におけるシカ捕獲手法の開発(囲いワナによる集団捕獲)

    山岳地域におけるシカ捕獲手法の開発(囲いワナによる集団捕獲)

事業実施期間

平成22年度~24年度

法定計画名(法律名)

特定鳥獣保護管理計画(鳥獣保護法)

事業の概要および成果

国立公園や国定公園として指定されている南アルプス及び八ヶ岳、富士山等においては、ニホンジカの生息数が増加しており、農林業被害だけでなく、自然植生への影響が深刻なものとなっていた。
本事業は、当該地域周辺において、シカの個体数調整を効果的に推進するため、行動域調査や捕獲方法の実証等を実施。
行動域調査の結果に基づき、各地域の状況に応じた方法による捕獲実証を行い、効率的な捕獲手法を開発した。
山岳地域や牧場におけるシカ管理手法の全国のモデルとなり得る先進的な取組である。

8 長崎県対馬市(ツシマヤマネコの保護増殖事業計画の策定)

  • ツシマヤマネコ

    ツシマヤマネコ

事業実施期間

平成22年度~24年度

法定計画名(法律名)

保護増殖事業計画(種の保存法)

事業の概要および成果

ツシマヤマネコの好適生息環境の減少に対応するために、ツシマヤマネコの餌資源である小型ほ乳類や鳥類、両生は虫類の生息に配慮した森林管理指針の策定を目的として、ツシマヤマネコの行動パターンの把握や、森林域におけるネズミ類の生息密度の調査、間伐等に伴う植生変化の調査を行うとともに、市民による調査実施体制等の整備を併せて実施した。
痕跡調査、自動撮影カメラ調査、糞のDNA分析による個体識別調査を実施し、舟志地区内に少なくとも16個体の生息を確認。ツシマヤマネコの生息に関連する要因を整理し、ツシマヤマネコの生息に配慮した森林施業方針の検討を実施した。

9 北海道礼文町(生物多様性地域戦略の策定)

  • 花の浮島、礼文

    花の浮島、礼文

事業実施期間

平成22年度~23年度

法定計画名(法律名)

生物多様性地域戦略(生物多様性基本法)

事業の概要および成果

北海道礼文町は、漁業と観光の小さな離島である。「豊かな自然を未来につなぐいきいきとした元気な礼文づくり」をテーマとする礼文町総合振興計画との整合・連動を図るとともに、島民を中心とする多様な主体が島の自然を守り活かすこと目指した地域戦略を策定する取組。
資料の収集及び整理を行うとともに、専門家等からなる検討委員会を7回開催、礼文島における生物多様性の現状を把握、課題を抽出し将来像、基本方針及び施策について検討。
事業最終年度の平成24年3月に礼文島生物多様性地域戦略「礼文島いきものつながりプロジェクト」を策定。

10 北海道黒松内町(生物多様性地域戦略の策定)

  • 生きもの調査

    生きもの調査

事業実施期間

平成22年度~23年度

法定計画名(法律名)

生物多様性地域戦略(生物多様性基本法)

事業の概要および成果

北海道黒松内町は、北限のブナ林、横断構造物の無い河川、湿原、さらに農地や森林、市街地がつながり合った多様な生態系が成り立っている。この町の豊かな自然を守り育て、自然からの恵みを将来にわたって受け続けるために、森・里・川・海のつながりに着目した地域戦略策定のための取組。
町の生物多様性の現状を把握するための「町の生物多様性調査」を実施、専門家等からなる検討委員会を5回開催し、戦略の内容を検討。また、町民の意見を戦略に反映させるために、勉強会を7回実施し町民の生物多様性への理解を推進するとともに、意見交換会や町民アンケートを実施。
それらをまとめて、事業最終年度である平成24年3月に黒松内町生物多様性地域戦略を策定。

11 神奈川県横浜市(生物多様性地域戦略の策定)

事業実施期間

平成22年度

法定計画名(法律名)

生物多様性地域戦略(生物多様性基本法)

事業の概要および成果

12 新潟県佐渡市(生物多様性地域戦略の策定)

  • 生物多様性推進研修会

    生物多様性推進研修会

事業実施期間

平成22年度~23年度

法定計画名(法律名)

生物多様性地域戦略(生物多様性基本法)

事業の概要および成果

新潟県佐渡市は、野生復帰を行っているトキが暮らす島である。その佐渡の生物多様性が育む豊かな自然と暮らしを保全・再生する地域戦略を策定する取組。
水田での生物多様性評価種選定及び種の多様性分析調査、市が所有する生物多様性データベースの機能強化、生物多様性を基盤とした地域の農業経済の活性化や都市住民との交流の活性化等についてのフォーラムを開催。学識経験者等からなる検討会を初年度は5回開催し、地域戦略の骨子案を作成。2年目は骨子案を元に、学識経験者や関係行政機関等で構成する専門委員会を4回、専門委員会の下にワーキングチームを設置し4回検討を実施し、戦略案を作成。
事業終了翌年度の平成24年6月に「トキと暮らす島 生物多様性佐渡戦略」策定。

13 兵庫県西宮市(生物多様性地域戦略の策定)

  • 渡り鳥が飛来する甲子園浜

    渡り鳥が飛来する甲子園浜

事業実施期間

平成22年度~23年度

法定計画名(法律名)

生物多様性地域戦略(生物多様性基本法)

事業の概要および成果

兵庫県西宮市は、北部には六甲山系、南部には甲子園浜、その2つをつなぐ武庫川・夙川等、豊かな自然に恵まれた都市である。環境学習を通じ、豊かな心を育み、自然の恵みを未来つなぐ地域戦略を策定する取組。
レッドデータブックや里山などに関する資料収集・整理、ビオトープ池における動植物のデータ収集を実施。動植物の分布状況やフィールドの活用状況、環境学習の推進状況等についての調査・分析・評価を行うために、最も効果的な評価スケールの検討を行うとともに、その評価案(基準)を作成。生物多様性に関する市民の活動や理解を促進するための講演会を実施。戦略案作成のための専門家等からなる協議会等を開催。
事業終了年度の平成24年3月に「未来につなぐ 生物多様性にしのみや戦略」を策定。

14 広島県北広島町(生物多様性地域戦略の策定)

  • 生物多様性調査

    生物多様性調査

事業実施期間

平成22年度~24年度

法定計画名(法律名)

生物多様性地域戦略(生物多様性基本法)

事業の概要および成果

広島県北広島町は、中国山地の森林地帯に位置する自然豊かな町である。その自然条件を活かした地域戦略を策定する取組。
生物多様性の現状を把握するとともに希少種情報を整理するため、鳥類・哺乳類・植物相・昆虫等の分野ごとに合計約300回の調査を実施、生物多様性の地域への浸透と地域の課題を明らかにするためのワークショップを約30回実施、生物多様性への理解を深めるための重要地点における現地学習会を約40回実施。地域戦略の案を作成するため、学識経験者、地域住民等からなる検討会を13回開催。
事業終了年度の平成25年2月に「生物多様性きたひろ戦略」を策定した。

15 沖縄県(生物多様性地域戦略の策定)

  • ワークショップ(国頭村)

    ワークショップ(国頭村)

事業実施期間

平成22年度~24年度

法定計画名(法律名)

生物多様性地域戦略(生物多様性基本法)

事業の概要および成果

沖縄県は、広大な海域に多くの島が点在する豊かで多様な自然環境を有している。その豊かな自然環境の中で幸せに暮らし、経済的・文化的に発展していくとともに、沖縄らしい自然と歴史、伝統、文化を大切にする島として、次世代へ引き継ぐ道筋を示す地域戦略を策定する取組。
県の生物多様性の全体像を把握し、課題を抽出するために、文献調査を実施、生物多様性に関する基本的な情報等の周知を行うとともにシンポジウム及びワークショップを10回以上実施。学識経験者、企業、NPO等からなる検討会を5回開催し、戦略の目標、行動計画、推進体制等を検討し、パブリックコメントを実施。
事業最終年度の平成25年3月に「生物多様性おきなわ戦略」を策定した。

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