参考資料−6 第4回自然環境保全基礎調査、植生調査要綱

1.調査目的・概要

1:50,000現存植生図は、自然環境の中で最も重要かつ基本的な構成要因のひとつである植生についてのわが国の基本図として、第2回および第3回自然環境保全基礎調査において全国土を対象に作成され、各種計画のための自然環境保全上の主要な基礎資料として活用されている。

一方、この種の図では、経年変化に対応し、図示内容の更新を継続的・均質的にすすめていくことが重要である。

本調査は、広域均質性・同時性・周期性の面で優れた地球環境衛生画像の解析によって抽出した植生改変区域データに基づき、現地調査・資料調査等を実施することにより、既存の1:50,000現存植生図作成時以後の植生の経年変化状況を把握し、図示内容の修正・補完をはかるものである。

2.調査実施者

国が都道府県に委託して実施する。

3.調査対象地域

(1)「調査対象地区の位置図」(添付図)に示す地域について調査する。

(2)当該年度の調査対象地域は、「植生図修正・補完調査対象地域一覧表」(添付図)に示す地域とする。

4.調査実施期間

(1)平成2年度を初年度とする3か年計画で実施する。

(2)各年度においては契約締結の日から同年度末日までとする。

5.調査内容および調査方法

衛星画像解析による植生改変地のデータ、1:50,000現存植生図、植生に関する既存の調査研究成果、および空中写真判読結果等に基づいて資料調査および現地調査等を実施し、現行の1:50,000現存植生図の表示内容を修正・補完すべき区域・箇所(以下、「修正区域」と記す)を確認・抽出する。

詳細については、「植生図修正・補完調査実施要綱」による。

6.調査結果のとりまとめ

受託者は調査結果を下記の図表にとりまとめる。

(1)植生区分修正区域分布図

植生区域の領域および対象番号を示した分布図を、1:50,000の縮尺で表示する。

(2)植生区分修正区域一覧表

(1)に図示した修正区域の新旧植生、修正原因等について一覧表にとりまとめる。

図・表ともに個々の修正区域に対象番号をつけ、相互に対象出来るようにする。

(1)は、「植生調査図集」にとりまとめ、(2)は、「植生調査報告書」に挿入する。

7.調査結果の報告

受託者は調査結果をとりまとめ、「植生調査報告書」、「植生調査図集」、各々2部を、各々「植生調査報告書作成要領」、「植生調査図集作成要領」により作成し、環境庁自然保護局長あてに提出する。

8.調査フロー

 

植生図修正・補完調査実施要領

1.通則

第4回自然環境保全基礎調査植生調査/植生図修正補完調査は、この実施要領に従って都道府県毎に行う。

2.調査対象地域

「調査対象地区の位置図」(添付図)に示す地域について調査を実施する。

3.植生改変地の現地調査・資料調査

(1)「植生改変図」(衛星画像解析の成果、以下同じ)に示された植生改変地を以下に示す方法で確認する。

a)衛星画像・空中写真等の資料、土地利用・開発計画に関する調書・図面、植生に関連する既存の調査資料等を活用して、改変状況、現況植生区分を確認する。

b)代表的な植生改変地については、現地で改変状況、現況植生区分を確認する。

(2)衛星画像の解析では抽出困難な小群落等で、調査者が重要と認めるものについて、改変状況、現況植生区分を資料調査または現地調査により確認する。

(3)その他、前回調査以降の知見により、現存植生図の表示内容に修正するべきものがある場合も、「修正区域」として整理する。

4.植生区分修正区域の凡例区分・対象番号

(1)凡例区分は、原則としして第3回調査における各都道府県の植生凡例一覧表(以下「凡例表」と記す)に示す凡例区分によって行う。

(2)調査者が必要と認める場合は、凡例表に示す群落名以外の新たな群落名を追加使用することが出来る。この場合は、必ず当該群落の「植生調査表」(群集の場合は「組成表」)を作成・添付*するとともに、新たな群落名と凡例表に示す群落名との対応関係を記載する(例1〜4)。

(3)各修正区域の対象番号は、原則として「植生改変図」に示された対象番号とする。なお、この調査で新たに抽出された修正区域については、前者と区別が出来るように適当な飛び番を行って新たな対象番号を付ける。

…凡例表に既に記されている群落名については「植生調査表」(または「組成表」)は作成する必要は無い。

5.植生区分修正区域分布図の作成

以下に従い、植生区分修正区域分布図を作成する。

(1)作成方法

作成方法は、次の2通りのいずれかとする。

(1−1)「植生改変図」に、この調査で新たに抽出された修正区域を追加表示する。

(1−2)1:50,000地形図に、当該図郭に含まれる全ての修正区域を新たに表示する。

(2)精度

図上で2mm×2mm(現地で100m×100m)を越える大きさを有する修正区域は可能な限り図示する。

また、調査者が必要と認めれば、それ以下の大きさの修正区域を表示することが出来る*。この場合は、当該修正区域は直径約1.5mmの円(○)または幅約1mmの二条線(=、但し両端を閉じる)を用いて図示する。

*…高速自動車道等顕著なものは可能な限り図示する。

(3)図示方法

(3−1)「植生改変図」に追加表示する場合

@)「植生改変図」に表示されている境界線および対象番号のうち、変更する必要のないものは、確認した修正区域としてそのまま活かす。

A)「植生改変図」に表示されている境界線の位置を、この調査結果によって変更する必要がある場合は、赤実線で重ねて追加表示する。

B)追加表示する修正区域の境界線は幅0.2mm程度の赤実線で示す。

各修正区域の領域は必ず閉じた黒または赤実線で囲まれるようにする。なお、境界が不明瞭または不明の場合は仮の境界線を描示する。

C)追加表示する修正区域の対象番号を各々の領域内に、または引き出して、赤で表示する。

(3−2)1:50,000地形図に新たに表示する場合

@)すべての修正区域の境界線を赤実線で表示する。

A)表示する修正区域の境界線は幅0.2mm程度の赤実線で示す。各修正区域の領域は必ず閉じた赤実線で囲まれるようにする。なお、境界が不明瞭または、不明の場合は仮の境界線を描示する。

B)各修正区域の対象番号を、各々の領域内に、または引き出して赤で表示する。

(4)レイアウト

図全体のレイアウトは、[別紙2]に準ずるものとする。

(5)地図番号

地図番号は、「植生改変図」に記された地図番号とする。

(6)接合

隣接する図幅間および都道府県境界付近でズレが生じないよう特に配慮すること。

6.植生区分修正区域一覧表

[別紙3]に示す例に従って、都道府県名、地図番号、修正区域番号(対象番号)、新・旧植生*、修正原因等をとりまとめ、一覧表に記載する。

*…植生の表示番号(凡例番号)は、原則として第3回調査における「凡例表」の表示番号と共通とする。

7.都道府県別植生凡例一覧表

各都道府県で使用した全ての植生凡例{表示番号、群落名、コード}を一覧表にまとめる。

 植生区分修正区域分布図のレイアウトの例

植生図修正補完調査報告書作成要領

1.規格

A4版、左綴じ、横書きとする。

(印刷は必要としない。コピーでもよい)

2.表紙・背文字

表紙および裏表紙は原則として淡緑色とし、A4ファイル(ライオンNo.516 A4−S、またはほぼ同規格品)を使用する。表紙・背表紙のタイトル等の様式は下記のとおりとし、黒サインペン等による手書きでよい。

(注)1冊に編綴できない場合は、分冊とし一連番号を適宜附ける。

3.配列

(1)目次、(2)調査対象地域、(3)調査概要、(4)植生区分修正区域一覧表、(5)植生調査表または組成表*、(6)資料リスト、(7)調査担当者名簿

*…凡例表に示す群落名以外に追加使用する新たな群落(群集)名についてのみ。

4.調査対象地域

調査対象地域の範囲、自然{植生、地形、地質、気候}・社会の概要とそれらの最近約10年間の変遷等について簡潔に記載する。

5.調査概要

調査の実施方法等について簡潔に記載する。

6.植生区分修正区域一覧表

(植生図修正・補完調査実施要領[別紙1]の6.参照)

7.植生調査表

凡例一覧に示す群落名以外の新たな群落名を追加使用する場合のみ植生調査表または、組成表を添付する。

8.文献の引用

(1)この報告書の本文中での引用は次の例にならって記載する。

(2)記載例;

この調査(環境庁、1987)によると…

…という結論が得られている(北村,1952;石塚,1975;Saito,1979)。春木ほか(1982)の報告によると…

9.文献・資料リスト

(1)この調査(報告書作成を含む)で参考・引用した全ての文献・資料等について一括し、第一著者の姓のアルファベット順に並べて記載する。著者が日本人か外国人かは区別しない。同一著者の場合は、年代順に並べ、著者名を略さない。同一著者で同一年代のときは引用順にa,b,…を附ける。

(2)欧文単行本名・欧文雑誌名にはアンダーラインを附ける。

(3)巻号のある雑誌で巻毎の通し頁なら、号数の記載は省略する。

(4)頁は単行本の総頁を示すときは275p.,雑誌および論文集などの該当頁を示すときはno.2,p.12−19のように記載する。

(5)雑誌名等を略記するときは慣例に従う。

(6)記載例;編著者名(発行年)表題、掲載誌または発行主体名、巻号数、頁、石塚和雄(1975)早池峰のアカエゾマツ、植物と自然,9,no.5/6.P.22−27

環境庁(1985)現存植生図「甲府」。

宮城県(1979)第2回自然環境保全基礎調査 植生調査報告書。

環境庁,141p.

(7)この調査要綱は、文献・資料リストに載せる必要はない。

10.調査担当者名簿

この調査(報告書作成を含む)に従事した全ての者の氏名,所属,担当分野を次に示す様式で記載する。

・・県植生調査担当者名簿

氏名

所属

担当分野

・・・

・・・・

計画・総括,本文執筆

・・・

・・・・・

現地調査

・・・

・・・・・・

写真判読

・・・・

・・・・

資料整理,図表作成

・・・

・・・・・

現地調査補助

 

植生調査図集作成要領

植生区分修正区域分布図を、地図番号順に重ね、図面ファイル(B2,黒,藍,3ツ折,またはほぼ同規格品)に収納し、植生調査図集とする。

表紙及び背見出には下図に示す事項を記載し(黒サインペンによる手書きでもよい)、表紙中央に、地図番号と各図幅との位置関係を示した調査対象地域索引図を張り付ける。

 

植生調査表

植生調査表または組成表は、調査者の判断により凡例一覧に示す群落名以外の新たな群落名を追加使用する場合にのみ、当該群落のものを作成する。また、新たに使用する凡例が群集の場合は、組成表も作成する。

様式および記入上の注意については、「第3回自然環境保全基礎調査・植生調査要綱・別紙3」に示したものと同じとする。

 

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