ポスト2020⽣物多様性枠組について

ポスト2020生物多様性枠組について

ポスト2020生物多様性枠組とは、2020年までの国際目標であった愛知目標に代わる、2021年以降の新たな国際目標です。生物多様性条約第15回締約国会議での採択を目指し、現在各国間での交渉が行われています。

2050ゴール・2030マイルストーン

ゴールA

自然生態系の面積、連結性及び一体性が少なくとも15%増加し、すべての生態系サービスの一体性が強化されることで、すべての種の健全かつレジリエントな個体群が支えられるとともに、絶滅率が少なくとも十分の一に削減され、すべての分類学及び機能群に属する種のリスクが減らされ、また、野生及び家畜化された種が保護されることで、すべての種の少なくとも90パーセントの遺伝的多様性が維持される。

マイルストーンA.1

自然生態系の面積、連結性及び一体性が少なくとも実質5パーセント増加する。

マイルストーンA.2

絶滅率の増加を止めもしくは反転させ、絶滅リスクが少なくとも10パーセント削減されるとともに、絶滅の恐れのある種の割合が減少し、種の数と分布が促進もしくは少なくとも維持される。

マイルストーンA.3

野生及び家畜化された種の遺伝的多様性が保護されることで、その少なくとも90パーセントの遺伝的多様性が維持されている種の割合が増加する。

ゴールB

保全と持続可能な利用により、自然がもたらすもの(NCP)が高く評価され、維持され、もしくは強化され、すべての人々の便益のための世界的な開発アジェンダを支えている。

マイルストーンB.1

自然及びそのもたらすもの(NCP)が十分に説明され、すべての関連する市民及び民間の意思決定に対し情報が提供される。

マイルストーンB.2

自然がもたらすもの(NCP)についてすべてのカテゴリーの長期的な持続可能性が確保されるとともに、減少しつつある現状が回復され、関連する持続可能な開発目標それぞれに貢献する。

ゴールC

遺伝資源の利用から生じる利益が公正かつ衡平に配分されるとともに、生物多様性の保全及び持続可能な利用等のために配分される金銭的及び非金銭的利益が大幅に増加する。

マイルストーンC.1

伝統的知識の保持者を含む供給者が受ける金銭的利益の配分が増加する。

マイルストーンC.2

研究及び開発における、伝統的知識の保有者を含めた、供給者の参加等の非金銭的利益が増加する。

ゴールD

利用可能である実施のための財政的及びその他の手段と2050年ビジョン達成のために必要なそれら手段の間のギャップが縮小される。

マイルストーンD.1

本枠組の実施のための十分な資源が利用可能で有効活用され、少なくとも年7,000億米ドルにのぼる財政上のギャップを2030年までに漸進的に埋めていく。

マイルストーンD.2

2030年までの本枠組の実施のため、能力構築・開発、科学技術協力、技術移転等のその他の十分な手段が利用可能で有効活用される。

マイルストーンD.3

2030年から2040年までの間の十分な財政的及びその他の資源が2030年までに計画もしくは誓約される。

ターゲットについて

1. 生物多様性への脅威の削減

ターゲット1 陸・海を空間計画下に置き、 自然生態系の再生を可能にする。

既存の手つかずの地域及び原生自然を保持しつつ、すべての陸地及び海域が地球規模で、土地/海の利用の変化に対応する生物多様性を含んだ統合的な空間計画下にあることを確実にする。

ターゲット2 劣化した生態系の20%を再生・復元

劣化した淡水域、海域及び陸域の生態系の連結性を確実にし、優先する生態系に重点を置き、少なくともその20%が回復の状態にあることを確実にする。

ターゲット3 陸・海の重要地域を保護

少なくとも30パーセントの陸域及び海域、特に、生物多様性にとって特に重要な地域及びそれが人々へもたらすものが、効果的及び衡平に管理され、生態学的に代表的で、また良好に連結された、保護地域及びOECMのシステムを通して保全され、また、より広範なランドスケープ及びシースケープに統合される。

ターゲット4 種の回復・保全、野生生物との軋轢減

種と野生及び家畜化された種の遺伝的多様性の回復と保全を可能にするための積極的な管理の行動を域外保全等の取組を含めて確保し、また、ヒトと野生生物の軋轢を避けもしくは減らすためのヒトと野生生物との関わり合いを効果的に管理する。

ターゲット5 種の採取、取引、利用を合法、持続可能に

野生動植物の採取、取引及び利用が持続可能で、合法的で、人間の健康にとって安全であることを確保する。

ターゲット6 外来生物侵入率減少、優先度の高い地域での影響減少

侵略的外来種の侵入経路を管理することで、侵入及び定着率を少なくとも50パーセント削減し、また、優先度の高い種及び場所に重点的に対応して侵略的外来種を管理もしくは根絶することでその影響を除去もしくは軽減する。

ターゲット7 富栄養化、殺生物剤、プラ廃棄物削減を含む、汚染物の影響低減

環境への養分流出を少なくとも半減、殺虫剤の少なくとも3分の2を削減し、またプラスチック廃棄物の流出を根絶すること等により、生物多様性と生態系の機能及び人の健康にとって有害とならない水準まですべての汚染源からの汚染を低減する。

ターゲット8 NbS、Ecosystem-based Approachesによる緩和・適応、防災・減災の増加

生物多様性への気候変動の影響を最小化し、少なくとも年100億tCO2eの地球規模の緩和のための取組に貢献しながら、生態系を基盤とするアプローチにより緩和及び適応に貢献し、また、すべての緩和及び適応のための取組が生物多様性への負の影響を防ぐことを確保する。

2. 持続可能な利用と利益配分を通じて人々のニーズを満たすこと

ターゲット9 種の持続可能な管理による栄養、食料安全保障、生計、健康、福利の確保

野生の陸生、淡水及び海洋生物の持続可能な管理、及び先住民及び地域社会による慣習的な持続可能な利用の保護を通じて、人々、特に最も脆弱な人々のための栄養、食料安全保障、薬品及び生計を含む便益を確保する。

ターゲット10 農業生態系等のレジリエンスと持続可能性を支えることにより生産性ギャップ減

農業、養殖及び林業が営まれている全ての地域が、特に生物多様性の保全及び持続可能な利用を通して、持続可能に管理されることを確保し、これらの生産システムの生産性及びレジリエンスを増加させる。

ターゲット11 NbS、Ecosystem-babsed Approachesにより大気、災害、水の質と量の調節に貢献

大気質、水の質及び量の調整、また災害及び異常事象からすべての人々を守ることに対する自然による貢献を維持及び強化する。

ターゲット12 緑地、親水空間へのアクセス増加

都市部及びその他人口密度の高い地域における人間の健康及び福利のため、緑地及び親水空間の面積、アクセス、便益を増加させる。

ターゲット13 ABSにより保全・持続可能な利用に配分される利益を増加

相互に合意する条件及び事前の情報に基づく同意等を通じて、遺伝資源へのアクセスを促進し、遺伝資源、また関連のある場合には関係する伝統的知識から生じる利益の公正かつ衡平な配分を確保するために地球規模及びすべての国々において措置を実施する。

3. 実施と主流化のためのツールと解決策

ターゲット14 計画、政策、会計、開発プロセスへの生物多様性の価値の主流化、影響評価への統合

すべての行動及び資金の流れが生物多様性の価値に合致することを確保しつつ、政策、規則、計画、開発プロセス、貧困削減戦略及び会計、さらに、政府のすべてのレベル及び経済界のすべてのセクターにわたる環境影響評価に生物多様性の価値を全面的に統合する。

ターゲット15 持続可能な生産、サプライチェーンにより経済活動の影響削減

各地域から地球規模まで、すべてのビジネス(公的・民間、大・中・小)がそれぞれの生物多様性に対する依存状況及び影響を評価及び報告し、漸進的に負の影響を低減して、少なくともこれを半減し正の影響を増加させ、ビジネスへの生物多様性に関連するリスクを削減し、採取/生産活動、ソーシング/サプライチェーン、使い捨てにおける完全な持続可能性を目指す。

ターゲット16 持続不可能な消費をなくす

食料及びその他の物質の廃棄や、関連する場合は過剰消費について、その量を半減させるべく、文化的志向を勘案しつつ、人々を促し、責任ある選択を行い、関連する情報及び別の選択肢にアクセスできるようにすることを確保する。

ターゲット17 バイオセーフティー 措置の確立・実施により影響を削減

バイオテクノロジーによる生物多様性及び人の健康に対する潜在的な悪影響を防止、管理もしくはコントロールするための措置をすべての国において確立し、実行可能な能力を強化し、実施し、これらの影響のリスクを低減する。

ターゲット18 最も有害な補助金削減、その見直し。奨励措置の生物多様性への有益性又は中立性の確保

生物多様性にとって有害な奨励措置の転用、目的の変更、改革又は撤廃を公正・衡平に行うことで、最も有害な補助金のすべてを含め、少なくとも年5,000億ドル減額し、また、公共及び民間の経済的及び規制的なものを含む奨励措置が生物多様性に対して正もしくはニュートラルなものであることを確保する。

ターゲット19 国内・国際資金増加、能力構築、技術、科学協力

各国の生物多様性のための資金計画を勘案しつつ、途上国への国際的な資金の流れを少なくとも年100億ドル増加させ、民間資金を活用し、国内の資源動員を増やしながら、すべての財源から、追加的かつ効果的な新規資金等を少なくとも年2,000億ドルまで増加させる。また、本枠組のゴール及びターゲットの野心度に見合う実施へのニーズを満たすため、能力開発、技術移転及び科学協力を強化する。

ターゲット20 啓発、教育、研究により、伝統的知識を含む質の高い情報の生物多様性管理への利用の確保

モニタリングを可能にし、また、啓発、教育及び研究の推進によって、先住民及び地域社会の自由で事前の情報に基づく同意に基づいた伝統的知識、工夫、慣行を含む関連する知識が生物多様性の効果的な管理のための意思決定に対する指針を与えることを確保する。

ターゲット21 生物多様性に関連する意思決定への衡平な参加、先住民族、女性、若者の権利確保

生物多様性に関連する意思決定への女性、女子及び青少年に加え、先住民及び地域社会による衡平、効果的な参加を確保し、また、彼らの土地、管轄する領域及び資源に対する権利を尊重する。