1 陸域に関する調査【地形地質・歴史的自然環境・景観ほか】

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表土改変状況調査

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昭和54年度

A表土改変状況調査報告書(昭和55年)

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1.調査の目的

自然環境の重要な構成要素であり、陸上の生態系の基盤である表土は、動植物の生息・生育の場、水の貯留、有機物の蓄積・分解等多くの機能を有するが、その生成には非常に長時間を要するうえ、地表上にごく薄く存在するにすぎない。このように、表土は貴重な資源であるが、その重要性はあまり認識されておらず、各種の土地利用において安易な表土の改変が行われている。

このため、本調査においては、関東地方(1都6県、島嶼部は除く)における表土の改変状況を昭和20年頃、35年頃、50年頃の戦後の3時期において調査することにより、時系列的に表土の改変の実態を量(面積)的に把握することを目的に実施された。

 

2.調査の内容と方法

空中写真の判読を主に、その他資科をも活用し、基準地域メッシュ(「3次メッシュ」ともいう。約1km×1km)ごとに表土の改変状況を区分した。

 

3.調査結果

戦後の30年間において関東地方では都市地域が拡大し、自然表土地(森林、草原等)や半自然表土地(農地等)を蚕食していくという顕著な傾向が把握された。この30年間を昭和35年頃を境に前期と後期に分けると、前・後期の間には明らかに異なる傾向が見出された。すなわち、前期においては、表土の改変に都市化傾向が強くみられたのは、東京都と神奈川県のみであったが、後期に入るといずれの県でも都市化的な改変傾向が顕著になった。

 

■表土改変区分

○非改変

表土の改変を受けていない地域

○表土の被覆

植物の生育が阻害されるような被覆物で覆われるようになった地域

○盛土

在来の表土の上に新たな表土を持つようになった人工地形地域

○表土の壊廃

在来の表土が撹乱された地域。在来の表土を欠失した地域

○表土の反転

表土の反転は見られるが、地域的移動はしていない地域

○畑地化

非潅水状態で耕耘されて利用されるようになった地城

○水田化

潅水状態で耕耘されて利用されるようになった地域

○表土の水没

在来の表土が水没した地域

○その他

 

 

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