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植物だけでなく生物の分類は種という単位を基本としている。種の進化してきた道筋を考えあわせ、種は属、科、目、
綱などのグループ(これを分類階級という)にまとめられる。種にはいろいろな変異(個体差など)が含まれ、その
変異の程度に応じて亜種、変種等の種内分類群が認められている。
『植物目録』(昭和62年版)では、5,565種の種を採録したが、一部の種では種内分類群として亜種、変種、品種、
亜品種が区分された。亜種、変種などを含む総数は8,118である。種、亜種、変種などは以下のように定義される。
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●種
植物の分類群の基本になる。重要な分類学的形質によって、他の個体と明らかに区別できる個体
の集まりをいう。遺伝するはっきりした形態学的特徴をもち、一般に細胞遺伝学的、生態学的、生
理学的にも他の種と異なっている。
●亜種
多くの個体については同じ種と区別できるが、わずかな中間形によって連続するような場合に用い
られる。はっきりと分布地域が異なるような変種を亜種とすることもある。現在、植物分類学では亜
種の定義は学者によって異なり、亜種を認めない立場もある。
●変種
基本的には同じ種の他の個体と同じだが、大きさや毛の有無などで区別できる個体をいう。変種は
独自の分布域をもっているのが普通である。亜種の下の階級であるが、亜種を認めない立場では、
亜種の概念も含まれる。
●品種、亜品種
基本的には同じで、花の色の違いなどごく一部のみの違いがある個体を品種という。普通は独自の
分布域をもたず、同じ種の他個体の中に混生していることもある。亜品種は違いの程度がさらに軽
微な個体で、この階級は使用されることが少ない。
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