世界的な希少種で伊豆諸島鳥島と尖閣諸島南小島の2カ所のみで繁殖する大型の海鳥で、6月〜9月までの非繁殖期にはアリューシャン列島近海、アラスカ湾などに渡ることが確認されている。おもな餌はイカ類、魚類、甲殻類である。 かつては伊豆・小笠原・尖閣諸島などに分布していたが、19世紀後半から羽毛採取のため乱獲され、絶滅に瀕した。 昭和56(1981)年以降、環境庁などが鳥島で植生の回復による営巣環境改善や新しい営巣地への誘致などの事業を実施し、産卵数、巣立ち雛数は近年増加している。平成10(1998)年現在、推定生息数は950羽である。 なお、成鳥は背周辺が白いが、この個体は約3年の若齢メスで全身が灰黒色を呈している。