議定書の締約国の会合としての役割を果たす締約国会議の中期的作業計画
(第2回会合より第5回会合まで)

1.
中期的作業計画は、恒常的問題と個別的問題から構成される。

2.
恒常的問題には以下が含まれる。
(a) 財政的制度及び資源に関係する問題。
(b) 議定書の運用に関する事務局からの報告。
(c) 事務局の作業計画及び予算議定書に関する事務局の分割された費用計画。
(d) 遵守委員会からの報告及び同委員会からの提言の検討。
(e) バイオセーフティに関する情報交換センターの活動に関する報告。
(f) 能力開発活動の状況及びバイオセーフティに関する専門家名簿の利用状況に関する報告。
(g) 他の組織、イニシアチブ及び条約との協力。

3. 議定書を実施するために必要なその他の問題及び派生的活動は、そうした個別的問題が議定書の締約国の会合としての役割を果たす締約国の決定に従い、議定書の締約国の会合としての役割を果たす締約国会議によって最終的に設置されるワーキンググループを含め、関係する補助機関により展開され継続的に処理されるという理解の下に、各会合で採択される特定議題に基づいて対処される。

4.
議定書の締約国の会合としての役割を果たす締約国会議は、その第2回会合において、特に、以下の項目について検討する。

(a) 通 知:

(i) 輸出者による通知が確実に行われ、かかる通知に記載された情報が正確であることを確保するために、輸出締約国による要件に関し、第8条を実施するための選択肢を検討する。

(b) リスク評価とリスク管理:

(i) どのような問題があるかについて検討する。

(ii) リスク評価とリスク管理における共通アプローチについての指針と枠組の策定を検討する。

(iii) 生物の多様性の保全と持続可能な利用に対して悪影響を与える可能性のある改変された生物または特定の形質の識別(人の健康に対するリスクも考慮し、さらにかかる改変された生物または特定形質の取扱いに関する適切な措置も講じる)における協力(第16条5)。

(c) 取扱い、輸送、梱包及び表示:

(i) 第18条2(a)に基づく識別情報及び独特の識別表示を含め、食品または飼料として直接に利用し、または加工することを意図した改変された生物の識別のための詳細な要件についての決定を検討する。

(d) 責任及び救済:

(i) 改変された生物の国境を越えた移動から生じた損害についての責任と救済の分野における国際的な規則及び手続きの作成ために設定されたプロセスについての第1回進捗状況報告を検討する。

(e) 社会・経済上の配慮:

(i) 改変された生物の社会・経済的な影響、特に原住民社会及び地域社会に及ぼす影響に関する研究及び情報交換についての協力(第26条2)。

(f) 市民の啓発及び参加:

(i) 生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関連し、人の健康に対するリスクも考慮し、改変された生物の安全な移送、取扱い及び利用にかかわる公衆の啓発、教育及び参加を促進し、また容易にすることを他の国家及び国際的な組織と必要に応じて協力するための選択肢を検討する(第26条2)。

5.
議定書の締約国の会合としての役割を果たす締約国会議の第3回会合は、特に以下の項目について検討することとなるであろう。

(a) 取扱い、輸送、梱包及び表示:

(i) 他の関連する国際機関と協議し、表示、取扱い、梱包及び輸送の方法に関する基準を作成する必要性及び形式について検討する(第18条3)。

(b) 責任及び救済:

(i) 改変された生物の国境を越えた移動から生じた損害についての責任と救済の分野における国際的な規則及び手続きの作成ために設定されたプロセスについての進捗状況報告を検討する。

(c) 補助機関:

(i) 議定書の第30条1に基づき、議定書を管理するひとつの補助機関または条約の他の補助機関を指名する必要性、及びかかる補助機関が実施する役割を特定する必要性を検討する。

(ii) 議定書の実施を強化するために、更なる補助機関を設置する必要性があるかどうかを検討する。

(d) 監視及び報告:

(i) 議定書の実施に関する、締約国による暫定的な国別の報告書(注)を検討する。

(e) 評価及び再検討:

(i) 議定書の第35条に基づく要件を満たすために、議定書の有効性の評価プロセス(その手続きと附属書の評価を含む)を開始する。

6.
議定書の締約国の会合としての役割を果たす締約国会議は、その第4回会合において、特に以下の事項を検討することになるであろう。

(a) 監視及び報告:

(i) 議定書の実施に関する、締約国による第1回の定期的国別報告書を検討する。

(b) 議定書の履行の再検討:

(i) 必要に応じ、議定書の実施のために必要と認められる議定書及びその附属書の変更、ならびに追加附属書を検討し、採択する(第35条及び第29条4(e))。

(ii) 第10条7に従って採択された意思決定の手続き及び機構(メカニズム)を再検討する。

(iii) 遵守(Compliance)の手続き及び制度を再検討する。

7.
議定書の締約国の会合としての役割を果たす締約国会議は、その第5回会合において、特に以下の事項を検討することになろう。

(a) 事前の情報に基づく合意の手続きの適用:

(i) 第7条4に基づく決定に到達するために、人間の健康に対するリスクを考慮に入れ、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に悪影響を及ぼすことがないと思われる改変された生物を特定できる方法を検討する。

(c) 中期的作業計画(第2回〜第5回会合)の再検討:

(i) 中期的作業計画の全体的再検討を行い、長期的作業計画を検討する。