2.調査方法

 本調査における調査フローを下図に示した.



図1 調査フロー


 作業の手順としては,先ず,現存する産物帳から地方名・方言などで記載された鳥獣名を抽き出し,原文のまま地域(国・藩)別のリストを作成した.そのリストの鳥獣名を,「古名録」,「物品識名」などの資料を用い,各地域における同物異称を当時の標準的な呼称と置き換えた.次いで,当時の呼称と現在の種名との対応付けを行った.その際には,「本草絹目啓蒙」に記述されている鳥獣の特徴及び産地を,参考資料として用いた.これらの作業の結果として,種別の分布表を作成した.

 一方で藩政期(末期)の「国境」を,第2回自然環境保全基礎調査(動物分布調査 哺乳類)のとりまとめに使用された日本全図に書き入れ,分布図の原図とした.尚,原図には現在の県境,県庁所在地,主な河川をも書き入れた.

 以上の2資料(分布表・原図)から,以下の2条件を満たすものについて分布図を作成した.

  ・いくつかの地域から分布情報がえられており図化する意味がある.

  ・種名の比定に問題がない.

 

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