調査結果4
ツバメ類とヒメアマツバメ、さらにスズメ類は、人家の軒下に巣を作るという共通の習性を持っています。それらの間には、巣を作る場所をめぐって競争があると考えられ、時には違う種の巣をちゃっかり利用するようなケースも見られます。ヒメアマツバメがコシアカツバメやイワツバメの巣を利用することがあることはすでにふれましたが、ここでは、みなさんからお寄せいただいた写真を使っていろいろなケースを紹介してみましょう。
ツバメの巣を土台にしたイワツバメの場合には、古巣を利用したのか、追い出して横取りしたのかに興味が持たれます。コシアカツバメの巣の跡に営巣したツバメの場合には、追い出したわけではないでしょうが、同じ場所を選んだ理由があるはずです。泥をつけるのに巣跡の方がつきやすいためでしょうか、それとも別の理由があるのでしょうか。
(写真/群馬県・服部澄枝さん) |
3 イワツバメ |
1 ツバメ |
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ツバメの巣を土台にした イワツバメの巣 |
(写真/広島県・田中大路さん) |
1 ツバメ |
2 コシアカツバメ |
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コシアカツバメの巣のあった場所に 営巣したツバメ |
(写真/千葉県・伊藤誠さん) |
5 ヒメアマツバメ |
2 コシアカツバメ |
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コシアカツバメの巣を利用した ヒメアマツバメの巣 |
スズメは、瓦の間のような閉鎖的な空間を利用して巣を作ります。そうしたスズメにとって、コシアカツバメやイワツバメの作る巣は魅力的な場所に見えるようです。時にはヒナなどをくわえだして巣を乗っ取ることがあります。ツバメの巣の場合も、上に枯れ草をたくさん積み上げて利用することがあります。北日本で繁殖しているニュウナイスズメは、樹の洞や巣箱を利用して繁殖することが多いのですが、スズメと同じように人家に営巣することもあり、今回の調査でイワツバメの巣を利用した例が2件報告されました。 |
今回の調査で確認された、巣や巣の位置をめぐる違う種同士の関係 | |
(写真/北海道・佐藤嘉清さん) |
ニュウナイスズメ |
3 イワツバメ |
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ニュウナイスズメの使った イワツバメの巣 |
(写真/大阪府・南川充男さん) |
スズメ |
1 ツバメ |
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スズメの使った ツバメの巣 |
(写真/東京都・竹田みどりさん) |
スズメ |
2 コシアカツバメ |
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スズメの使ったコシアカツバメの巣 |