調査結果4
次に、建物に巣を作る場合、どんな位置が選ばれているかをまとめてみました。その結果、ツバメでは軒やひさしの下がもっとも多く、全体の約4分の3がそうした位置に作られていました。これは、ふだんツバメの巣を見つける時の印象と一致すると思います。 |
室内が1割を占めているのに驚かれる方もいるでしょうが、その占める割合には大きな地域差がありました。図に示したように、都市部では室内の割合はわずかに4%だったのに対し、農村部では30%も占めているのです。かつては、多くの農家で、土間の天井などにツバメが巣を作っていたようですが、そうした人とツバメの親しい関係が今も生き続けていると言えるのでしょう。 |
室内に巣を作っている例 | ||
(写真/兵庫県・尾崎夏海さん) |
*階段室、ガレージを含む。 |
コシアカツバメでも、同じように軒やひさしの下が多く選ばれていますが、その他では階段室が多いのが目立っています。階段室というのは、3階とか5階建てのアパートや団地で、共通階段のあるスペースのことで、そこを上がりきった所の天井に営巣している例が多く見られます。都市部と農村部をくらべると、都市部にだけ階段室の利用がありますが、これは中高層の住宅の有無を反映したものです。 |
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イワツバメでも建物に営巣した場合には、軒やひさしの下が多く使われており、室内の例がほとんどないこと以外はツバメと傾向が似ていました。 |
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*階段室、ガレージを含む。 |
大きな建物の各階にあるコシアカツバメの巣 |
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3階以上の建物について、どこの階で巣が見られたのかを集計すると、ツバメでは1階が圧倒的に多いのに対して、コシアカツバメでは3階以上が多くを占めていました。これは、おそらくコシアカツバメの方が尾が長めで、ツバメのように素早く宙返りする飛び方よりも、流れるように滑空する飛び方を多く使うので、出入りしやすい高い階を選んでいるためではないかと思われます。なお、イワツバメは例数が少ないので、グラフには示しませんでしたが、ツバメと同様に1階に多くの巣が見られました。 |
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(写真/広島県・小島規嗣さん) |
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