調査結果 1

2 コシアカツバメ

Hirundo daurica

 

(写真/静岡県・高橋一隆さん)

巣にとまる成鳥。背中は黒くて、腰の部分が淡い赤茶色をしています。胸から腹に縦のすじがあるのも特徴です。

【分布と生態】東アジアから地中海沿岸地方までに分布し、日本には北海道から九州までの地域に夏鳥として渡来します。(まれ)に越冬する個体もいます。ツバメよりも1ヶ月ほど遅く、4月下旬から5月上旬に渡来します。建物や橋で営巣し、巣の形がトックリ型をしている点に大きな特徴があります。ツバメと同じように昆虫を餌にしますが、滑空をおもにゆったりと飛び、ツバメよりも空中の高い所で餌をとる傾向があります。10月から11月初めまで繁殖地に留まり、巣をねぐらに使い続けます。

【今回の調査結果】関東地方以西に多く分布し、とくに近畿地方から中国地方にかけて、多く生息している傾向が明らかになりました。東北地方では、日本海側の方がより北まで分布するとされてきました。今回の調査でも秋田県で巣が記録され、同じ傾向が改めて裏付けられました。北海道では過去にごく少数の繁殖例がありますが、今回は記録されませんでした。

 

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