ツバメ類はどこに 分布しているの? |
今回の調査では、多くの参加者の方が、鮮明な写真を送ってくださったので、全体の82%にあたる調査票が、写真を使ってツバメ類の種を確認することができ、合計8,373件のツバメ類の巣の記録を集めることができました。このことは、こうした調査を行うにあたって、写真を使うことが役に立つことの証明ともなりました。 種別にみると、ツバメが89%にあたる7,482件でもっとも多く、ツバメ類の中でいちばん身近な種であることが裏付けられました。次に多かったのはイワツバメ437件、次がコシアカツバメで413件でした。ヒメアマツバメとリュウキュウツバメは報告が非常に少なく、それぞれ37件と4件のみでした。この2種はもともと分布が局地的なために、こうした結果になったと思われます。 ツバメ類は、身近な野鳥として、その分布などについて、今までもさまざまな調査が行われてきましたが、その巣の環境や場所、形などについて全国的に約8,700件もの情報が集められたのは初めてで、ツバメ類の生態を知る上で貴重な資料を集めることができました。 |
分布図や集計表の作成にあたって
このページ以降にご紹介する分布図や集計表は、種名と位置を確定することができた調査票から、以下のような確認作業を経て作成しました。
●種名の確認作業(同定作業) お送りいただいたツバメ類の巣の写真は、神奈川県平塚市博物館の浜口哲一学芸員と東京大学大学院農学生命科学研究科の藤田剛助手によって種の確認作業(同定作業)が行われました。写真が不鮮明であったりして判断に迷ったものは除かれました。 ●位置の特定方法 調査票から分布図を作成するには、調査票にご記入いただいた地名が日本の中のどの場所なのかを特定しなければなりません。大量の調査票を処理するこの作業には、コンピュータを使用しました。 調査票にご記入いただいた都道府県名、市町村名、地名をコンピュータに登録させた大字名の「住所データ」と2万5千分の1地形図の地名を収録した「地名データ」に照合して、位置を特定しました。 しかし、お寄せいただいた調査票のなかには、残念ながら都道府県名だけのものや市町村名だけのもの、あるいは地名が記入されていてもコンピュータでは正確な位置が特定できないものがありました。 今回は、ご記入いただいた地名から「2次メッシュ」が特定できた調査票をもとに分布図を作成しました。 なお、「メッシュ」というのは緯度・経度を基準として日本全国を格子状に区分した区画で,「2次メッシュ」は約10km四方の区画です。日本全国をこの区画で区分すると4,738メッシュ(北方領土を除く。)になります。 |
■都道府県別巣の件数
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