調査結果 1

21 タイワンヒグラシ

【分布と生態】 八重山諸島に分布し、6〜10月に発生する中型のセミ。日本の産地は本種の北限にあたるものです。低地〜山地にかけての、スダジイ、カシ類などの広葉樹からなる暗い林に生息しています。数はあまり多くありません。

【今回の調査結果】 西表島から1個のぬけがらが寄せられました。深い森にすむセミなので、ぬけがらの収集も容易ではありません。たった1つのぬけがらですが、その価値はとても高いものです。

22 オオシマゼミ

【分布と生態】 奄美諸島〜沖縄本島までの南西諸島に分布し、8〜11月に発生する中型のセミ。山間部に見られ、スダジイ、リュウキュウマツなど、いろいろな林に生息します。

【今回の調査結果】 沖縄本島から1個だけぬけがらが寄せられました。この個数から見れば、生息数が少ないように思われますが、沖縄県名護市名護城では、10月下旬の最盛期には大木に多数の成虫を見ることができるそうです。時期を選んでふたたび収集してみてください。

23 クロイワツクツク

【分布と生態】 九州(大隅半島)〜沖縄本島以北の南西諸島に分布し、7〜11月に発生する中型のセミ。平地〜山間部に生息し、その数も多く見られます。また、山間部よりは、人家周辺の林で多いようです。いろいろな林に生息し、とくに好む樹種はありません。

【今回の調査結果】 今回寄せられたぬけがらは、沖縄本島からの2個だけでした。人家近くに多くすむセミとしては、意外な結果です。これは公園や人家の庭など、収集しやすい環境で発生が見られないことによるものか、その原因について発生地のくわしい情報を得る必要があります。

 

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