２．標本区環境調査票

地　図番　号	調査区番　号	市　町　村　名	地　　　　名		調査年度	1989
3、7、8	5	名護市	松田		都道府県名	沖縄県
環　境　の　概　況	１．地形・地質　沖縄本島北部東海岸に面し、久志大川、西銘川、慶武原川、鍋川の４つの川の河口域にひろがる干潟。沖出し幅は約500m、標本区の面積は44ha。底質はおもに泥だが、干潟下部では砂泥、国道沿いの護岸付近では砂レキとなる。近年は広範囲にわたって多量の赤土が堆積している。海岸線は国道沿いを除いてほぼ自然海岸である。２．植生　干潟内に植生はない。
底生生物相の概要・特徴	１．底生生物　出現種数では環形動物が最も多く、ついで節足動物のうち甲殻頬（特にミナミコメツキガニとコメツキガニ）および多毛類が優先していた。出現個体数では甲殻類が最も多く（76.3％）、ついで二枚貝（リュウキュウナミノコガイ、18％）、そして多毛類（5.4％）の順であった。２．藻場　干潟下部でわずかにカサノリやアオサがみられた程度で、藻場はない。
鳥類の渡来状況	1986年８月から11月までに、11科34種の野鳥が観察された。それらを渡りにより区分すると、留鳥７種（20.6％）、夏鳥３種（8.9％）、旅鳥６種（17.6％）、冬鳥18種（52.9％）となる。　個体数ではシロチドリが最も多く、キアシシギ、ハマシギ、ムナグロ、ベニアジサシ、コアジサシの順で多かった。　干湾内では陸鳥の摂餌もみられ、留鳥にとってもこの干潟が重要であることがうかがえる。
その他特記事項	1980年頃には干潟のみお筋にミナミコメツキガニが大集団をなしていたが、近年は激減したようである。

位置図　　　 5 万分の 1
概　況　写　真

調査者	所属　琉球大学理学部　氏名　山田　正士　岡地　賢	調査方法	1　現地調査 ○2　資料調査　3　ヒアリング
資料名	潟原地区の生物と赤土に関する調査報告書（沖縄総合事務局農林水産部土地改良課、昭和62年）

　