1.調査結果の概要


 高知県の干潟は前浜干潟,河口干潟を合わせて6ケ所ほどである。その他にも1haに満たない干潟が6ケ所ほどある。選定した標本区は現存の各干潟をそれぞれ標本区としたが,各干潟とも規模が小さいためである。標本区は白浜,浦の内湾,興津,松田川河口,湊及び小築紫の6ケ所である。これらの干潟の底生生物は二枚貝類が主体であり,シジミ,アサリなどの良い潮干狩りの場所となっていィる。全体的に個体数は多いものの,種類数は少ない。チゴガニなどのカニ類は巣穴も多くみられ,個体数も多い。またヤドカリなどはどの標本区でもみられる。白浜及び興津は細砂が主体でほとんど泥がないため,生物は少ないものの,県下では有数の海水浴場となっている。

 鳥類の飛来は松田川河口,湊及び小築紫において特に多く四季を通じて約60種,5000羽以上が確認されている。主な種類はチドリ類,カモ類,シギ類,サギ類,カモメ類などで,少数ながらホウロクシギ,ミヤコドリがみられ,その他ウミネコやカワウなども多く鳥類の楽園となっており,バードウオッチングも盛んに行われている。

 その他の干潟では,鳥類の個体数,種類とも少ない。

 

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