地 図
番 号

調査区
番 号

市 町 村 名

地    名

      

調査年度

1989

10

15

西条市禎瑞

加茂川河口西

都道府県名

愛媛県


 

 

 

 

1.地形・底質
 県内の代表的河川、加茂川と中山川の河口に広がる県内最大の河口干潟。標本区の範囲は約317haで、沖出幅は約1.3km。干潟面はほぼ同じ傾斜で低潮線まで続いているが、護岸下と途中に数本のみお筋がある。底質の大部分は砂であるが、河口付近では泥混じりの礫である。海水の清澄度は良好である。
2.海岸改変状況
 河口付近と海岸線はすべて人工海岸化され、高潮線には護岸が設置されている。
3.植生
 干潟と陸域の間は護岸で分断されており、干潟内には顕著な植生は存在しない。
 護岸の背後はヨシ等の茂る水路をはさんで水田が広がっている。











1.底生動物
 測線全体を通じて、ゴカイ類、スナモグリ類、アサリなどが広い範囲で出現し、特にゴカイ類は個体数が多かった。ゾーン別にみると、上部ではウミニナ、ツメタガイ、チゴガニ、イソガニ、ヤドカリ類が多くかつて多産したシオフキは極めて稀になった。中部と下部の動物相は類似しており、ユムシ・アナジャコの生息密度が高く、マテガイ、バカガイは稀であった。全般に20年以前と比較すると、種数、生息密度ともに激減した。
 カブトガニは絶滅したと思われる。これは、農薬、生活排水中の有害物質、アサクサノリ養殖地で用いられている化学物質、上流に建設されたダム等の影響によると推測される。
2.藻場
 干潟上部のみお筋にアナアオサが分布している。干潟ではアサクサノリが養殖されている。







 県内では、重信川河口と並ぶ有数のシギ・チドリ類の渡来地として知られており、調査地は種数、個体数ともに県下最大である。年間を通じて約22種のシギ・チドリ類が確認されている。渡りの最盛期は4月と9月で、最大時には渡来数は1000羽を越える。主な種としてはシロチドリ、ハマシギ等で、ホウロクシギのような大型のシギが見られることが特徴である。シギ・チドリ以外にカモ類、カモメ類、またワシ・タカ類も見られ、この干潟で記録された鳥類の総種数は約150種にのぼり、冬期の生息数は3000羽を越える。
 干潟はシギ・チドリ類の採餌の場として利用されており、また水面はカモ類の休息の場となっている。







 





 
 
 
5



1


 

 

 


調

 所属 松山東雲短期大学

 氏名 石川 和男

調査

方法

○1 現地調査 1989年5月7日
○2 資料調査
○3 ヒアリング



愛媛県自然渚の現況調査報告T 愛媛県 1978
東予市誌(第4章生物) 東予市 1987


 

 

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