地 図
番 号

調査区
番 号

市 町 村 名

地    名

      

調査年度

1990

5

16

沼隈町

阿伏兎垂水

都道府県名

広島県


 

 

 

 

 備後灘に面した海浜で直接波浪に洗われる場所であって、清澄度は概ね良好である。幅約100m、最大干出幅約30m、後背は約40mの断崖である。干出面は岩盤により凹凸をなす。底質は岩盤を基盤とし、岩盤の裸出した所、砂に覆われた所が多いが、転石の多い場所もある。転石部には硫化水素の発生している所があった。
 陸岸にはクロマツ、ウバメガシ、トベラ等が目立つが、僅かながらツルナ等の海浜植物も見られた。
 此処は漁業者や釣り人の他は訪れる人もなく、海岸線は全くの自然海岸である。











 此処は、外観的には自然がよく保存されているが、生物相は意外に貧弱で、砂地は特に貧弱で生物はほとんど見られなかった。生物のうち全体に広く分布していたのはマガキ、ヒロイソガニ、ゴカイ類、アナアオで、アナアオサは疎生しているだけで、繁茂している訳ではない。
 ゾーン別にみるとタマキビは個体数は少ないが上部でのみ見られ、中部を中心にアサリ、イソギンチャク類が見られたが個体数は少ない。スガイ、ヒザラガイ類は中部から下部にかけて見られ、カサガイの類、ヒメオウギガニが下部で見られた。海藻はアナアオサの他、中部と下部にウミトラノオ、イソダンツウ、マクサ、ボウアオノリが僅かに見られたが、夏枯れ以外の季節の調査では異なった結果が得られるであろう。







 夏期には、アジサシ、コアジサシが50〜100羽渡来する。冬期には、カンムリカイツブリ、シロチドリ、ダイゼン等のチドリ科が、少数ではあるが飛来する。カモメ科では、ユリカモメ、セグロカモメ、カモメ等が多数飛来する。また、マガモ、オナガガモ、ヒドリガモ、キンクロハジロ等のカモ類も、少数ではあるが飛来する。

(日本野鳥の会会員からの聞き取り)







 





 
 
 
5



1


 

 

 


調

 所属 広島大学生物生産学部

 氏名 佐々田 憲

調査

方法

○1 現地調査 1990年7月29日
 2 資料調査
 3 ヒアリング



 


 

 

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