地 図
番 号

調査区
番 号

市 町 村 名

地    名

      

調査年度

1989

26

35

笠岡市

瀬溝

都道府県名

岡山県


 

 

 

 

1.神島水道の南出入口に位置する笠岡市鳥ノ江海岸の沿岸道路に接した前浜干潟。夏目の港により北の子殿洲の干潟と隔てられている。笠岡干拓により内湾的要素を強めた。沖合が船舶の通路に当り浚渫のためか、干出域は減少傾向を示し、護岸に直角に長さ約30mの砂流出防止用の堤が設置されている。雨水は地下管や地下溝で流入し、干潟北部の一部には砂浜が残っている。標本区は約16ha、沖出し幅は起点とした人工護岸の下端から約130m。起点から15mのところが高潮線で、礫の多い砂底が約30mの幅で存在する。これに続く4〜5mにタイドプールに接した泥地があり、これより以遠は砂泥底で、起点から40〜80mの間は砂分が多い。そして沖合になるほど泥質を増し下部の大半は泥底である。海水の清澄度は良くなく少し濁っている。
2.北部の一部の砂浜を除いて砂礫の海岸であるが、人工護岸が近く、自然護岸要素は乏しい。後背地は山林地で、平野部に集落、畑作地がある。
3.上部の礫には、アナアオサ、ウスバアオノリの着生があり、中部でアナアオサ、オゴノリの点在を僅数みとめたが、干潟内に顕著な植生は認められない。北部の砂浜陸域にオカヒジキ、ハマヒルガオ、ツルナなどの海岸植物の小草叢を認めた。











1.ゴカイ科が全域に及んで数多い。イトゴカイ科は中部に、アナジャコは下部に、ニホンスナモグリは中部・下部にそれぞれ数多く、全域に及んで分布している。この他、チロリ科、フサゴカイ科、イソギンチャク類、マテガイが全域に及んで生息する。また、上部ではアサリが数多く、上部の泥底でオサガニを、中部の砂泥底でコメツキガニを認めた。確認種数は38種で、節足動物、環形動物が数多い砂泥地の良好な動物相である。
2.干潟内にも、沖側の潮下帯にも藻場は認められない。







 近接地の子殿洲にゴイサギ、コサギを主にダイサギ、アオサギの約700羽のサギ類の集団営巣があり、干潟はサギ類によく利用されている。隣接しての草原を欠くため、シギ・チドリ類の利用は余り多くない。水面も航路のため、カモ類の利用も聞かない。近隣に広大な溜水池、草原のある笠岡湾干拓地があるため、現在、渡鳥の利用はもっぱらこの干拓地である。







 一帯の海岸は国の天然記念物カブトガニ繁殖地として保護されている。





 
 
 
5



1


 

 

 



調

 所属 川崎医大

 氏名 佐藤 國康

調査

方法

○1 現地調査 1989年7月1日
 2 資料調査
 3 ヒアリング



 

 

 

目次へ


総目次へ