1.調査結果の概要


 名和町における干潟は前浜干潟であり、底質は全部礫である。周辺の海岸には、同様の成因による干潟がみられる。

 淀江町今津から大山町の海岸をへて、名和町大雀の海岸にも、沿岸帯に漂礫がみられる浅瀬があり、干潟地形がみられる。

 また、赤碕図幅においても、名和町松河原から御崎にかけて礫浜が発達する。しかし、名和町下木料、真子川、下坪、御来屋の干潟は、東西にかけての連続性もよく、幅員も最大100mを越すので、干潟地形とした。

 また、米子図幅における中海地域の干潟は、干拓地として形成された。ここに、水鳥公園の計画が進行する現在、この干潟の自然環境を検討する必要がある。この水域、干潟地帯は、高さ2mくらいの堤防によって囲まれ、陸地とは水路によってはばまれ、人々が近づき難い環境である。

 鳥取県におけるシギ・チドリ類の渡来状況をみると、千代川や天神川の河口には少なく、日野川や彦名干拓地に多い。また、1990年1月15日調査によると、千代川河口で2,441羽、天神川河口で1,857羽なのに対し、日野川河口のガン・カモ類は4,361羽であった。鳥類の豊富な鳥取県西部海岸の自然保護が必要である。

 

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