1.調査結果の概要
標本区については、県内のできるだけ広い範囲にわたって選定することを基本として、各地域を代表すると思われる干潟を選定した。
標本区として選定した干潟は、次表のとおりである。
名 称 |
海 域 |
市町名 |
干潟のタイプ |
面積 ha |
的 形 |
播磨灘北 |
姫路市 |
前浜干潟 |
5 |
新舞子 |
播磨灘北 |
御津町 |
前浜干潟 |
14 |
唐 船 |
播磨灘北 |
赤穂市 |
前浜干潟 |
6 |
甲子園浜 |
大阪湾北 |
西宮市 |
前浜干潟 |
2 |
成ヶ島 |
大阪湾南 |
洲本市 |
前浜干潟 |
7 |
県内の干潟は規模の小さなものが多く、干潟内に藻場の存在するものはない。
底生生物については、潮干狩場としてアサリの放流が行っているところも多く、どの干潟でもアサリは普通に見られた。
他の二枚貝では、生物の生息できる砂の層の厚い的形と新舞子の干潟で、クシケマスオガイが多く見られるのが大きな特徴である。
また、この二つの干潟では、砂に穴をあけて生息しているコメツキガニも多く見られた。
巻貝類については、礫の多い成ケ島の干潟で特に多く見られた。
その他の生物では、甲子園浜を除いてゴカイ類が普通に見られた。
鳥類の渡来状況については、シギ・チドリ類のコチドリ、シロチドリ、ハマシギ、チュウシャクシギなどが一般的に見られ、干潟によっては、カモ類、サギ類、カモメ類も多く見られるようである。
特に甲子園浜の干潟では、底生生物が少ない上に、鳥の数が他の干潟より多く見られ、鳥による捕食圧が相当あるものと思われる。