地 図
番 号 |
調査区
番 号 |
市 町 村 名 |
地 名 |
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調査年度 |
1991 |
5 |
1 |
相場市 |
松川浦 |
都道府県名 |
福島県 |
環 境 の 概 況 |
1 地形・底質
包囲海岸の中にある中州で、南北に約1200mある細長い島の東岸にある。高潮線から低潮線までは20〜80m程の砂泥質の干潟であり、ゆるやかな傾斜のなめらかな干潟面が低潮線まで続いている。海水の清澄度は底質が砂泥質のためにそれほど良くない。
2 海岸改変状況
第2回の自然環境保全基礎調査ではクロマツの林から砂浜がゆるやかに延びて砂泥浜へと続いていたが、今回はコンクリートの護岸工事が進み、自然海岸が半自然海岸へと変化している。
3 植生
護岸の後背地はクロマツ林で、ハイネズ、ケカモノハシなどが見られる。 |
底 生 生 物 相 の 概 要 ・ 特 徴 |
1 底生動物
二枚貝ではアサリとイソシジミが、巻貝ではキサゴ類とウミニナ類が多く見られた。カニ類ではコメツキガニとアシハラガニが観察されたが、アカテガニ、チゴガニおよびヤマトオサガニは今回は見られなかった。エビ・ヤドカリ類ではニホンスナモグリが出現しているが、テッポウエビは今回は見られず、ソトオリガイやムシロガイも観察されなかった。全体的に種類数、個体数が減少している。上部、中部、下部での生物相に顕著な差は見られない。
2 藻場
全体的にみるとアマモ場になるが、底質は砂泥質であり、海藻類は貧弱である。潮間帯上部にはアマモ、イギス、アナアオサ、オゴノリの漂着が多く見られた。調査地点に出現した海藻のほとんどは小さな石や貝殻の破片を基物として生育しているもので、被度は小さい。 |
鳥 類 の 渡 来 状 況 |
松川浦はシギ・チドリの渡来地として知られており、4月下旬から5月にかけての春の渡りと、9月から10月にかけての秋の渡りの休憩地となっている。年間を通して観察されるシギ・チドリ類は約30種である。種々の条件に左右されるが、1回に見られるシギ・チドリの数はそれ程多くなく、ふつう数十羽が見られる程度である。しかし、なかにはオグロシギ・オオソリハシシギなどの大型のシギが含まれることもある。
冬にはガン・カモ類が見られ、1992年1月15日にはヒドリガモ・マガモ・ヨシガモ等約10種800羽が確認されている。(ヒアリング:日本野鳥の会福島支部 福島 方部)
他に山野の鳥類、外洋性の鳥類を含めると、松川浦干潟周辺では約200種の野鳥が観察されている。 |
そ の 他 特 記 事 項 |
護岸工事によりコンクリートの岩盤が設置されたことにより、生物相に影響が現われ始めたと考えられる。 |