1.調査結果の概要


 岩手県における干潟は、宮古、山田、唐丹湾奥の5地区しかない。従って、標本区として3湾から1地区ずつ(津軽石、織笠、片岸)選定し、7月10日、11日に調査した。

 3地区とも高潮帯は約10%の勾配であり、中潮帯から低潮帯にかけては緩やかな傾斜で、その沖出し幅は100〜300mとなっている。底質は砂が主であるが、川に沿って大きな礫がみられ、アオサ等が生育している。

 高潮帯にはヒメハマトビムシ、ヒゲナガハマトビムシのヨコエビ類が多く、ダンゴムシ類も出現するが、他生物はみえない。中潮帯以深にはイソシジミ、アサリ等の二枚貝が多く、津軽石、片岸ではゴカイ類も多い。また、ニホンスナモグリ(アナジャコ類)は片岸、織笠で多いが、津軽石では出現しない。ホソウミニナは織笠の中潮帯で非常に多いが、津軽石では少なく、片岸ではみられなかった。

 シギ、チドリ類は津軽石ではイソシギ、ハマシギ、メダイチドリ、シロチドリなどが春と秋にみられるが、織笠、片岸では非常に少ない。

 

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