第4回自然環境保全基礎調査

調査結果の概要

 本年度自然環境保全基礎調査(サンゴ礁調査)の結果をみると、本県内のサンゴ群集は49箇所、うち、マンタ法・調査区法等で確認を行った群集数は19箇所であった。これを海域別でみるならば、日向灘域が42箇所、大隅(志布志湾)域が7箇所である。

 前回のサンゴ礁調査(1978年)にて確認された群集は日向灘域の10箇所だけであったのと比較すると、今回のデータではサンゴ群集が復元しているかのような印象を与えるが、これは調査手法・精度等の違いからくるものであり、実際、サンゴ群集は斬減していると考えられる。

 さて、県内のサンゴを生育型別に分けると、卓状がその6〜7割を占める。2割がソフトコーラル類、残り1割が葉状、枝状、塊状、被覆状のサンゴである。

 これをさらに種別でみてみると、卓状サンゴの大半はクシハダミドリイシ(Acropora hyacinthus)であり、他の種類としてはAcropora leptocyathusが確認された程度である。このクシハダミドリイシは、サンゴを食害するアクキガイ科の貝であるヒメシロレイシガイダマシ(Drupella fraga)が好んで食する種類であり、すでに串間市小夫婦浦湾(日南海中公園第6号)では昭和63年頃よりその被害が報告されていたが、今回の調査の結果、その食害は日南海中公園域各所のサンゴに広がっており、補助金等を活用した早期の対策が望まれるところである。

 その他、日豊海岸海中公園地区第1号の延岡市島浦沖にて葉状サンゴの大群集が確認されたが、これはキサンゴの一種のオオスリバチサンゴ(Turbinaria peltata)であり、直径2〜3メートルのものが61群体記録された。(調査成果品の群集番号5 調査区番号1を参照。)

 

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