調査結果の概要

 調査の方法

 前回調査(第2回自然環境保全基礎調査)と同様に調査地区を蒲江町南部沿岸に限定して調査した。調査地点は既往の文献(前回調査・大分県海中公園候補地学術調査報告書・日豊海岸国定公園学術調査報告書)からサンゴ礁の位置を把握し、今回の現地調査の地点とした。さらに、漁業者とダイバーからの聞き取りより調査地点を追加した。現地調査は船上より箱眼鏡を用い、サンゴ礁の状況を調査要綱に従い観察した。また、サンゴ礁の分布面積を計測するため、サンゴ礁の縁辺部で岸からの距離を測距儀またはロープで測定した。その他については調査要綱に従った。

 調査の結果

 分布面積は133.0haで深島周辺が51.5haと最も広く、その他、屋形島周辺も多い。深島ではごく一部を除き、島の周辺のほとんどでサンゴ礁が分布しており、とくに北部の白礁周辺や東部でサンゴ礁が多い。島の南部沿岸は急峻で深いため、分布面積は狭い。造礁サンゴはテーブル型のミドリイシ科を中心によく発達しており、ウミアザミなどのソフトコーラルもあり、景観は変化に富む。屋形島周辺は北東の州の鼻周辺や南岸でもテーブル型のミドリイシ科のサンゴを中心に分布しているが、深島周辺と比較し、被度や種数は低い。離島以外の地点ではサンゴは極めて分散しており、サンゴ礁としての景観は乏しい。また、猪串湾や名護屋湾では内湾や濁りの強い場所でも生育するシコロサンゴが分布している。12年前の前回調査と面積の比較は厳密にはできないが、6haの減少であるが、測定誤差などを考えるとサンゴ礁の分布面積は大きく変化していない。

 

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