6. 山形県
(1) | 分布及び消滅状況の概要 |
1 | 現存藻場 |
山形県沿岸域は単調な海岸線であり、鶴岡市加茂地区を境にして北は砂浜域、南は岩礁域に分かれる。藻場調査は、本県唯一の離島である酒田市飛鳥一帯と秋田県境付近及び鶴岡市加茂から温海町鼠ケ関にかけての岩礁域(1ヘクタール以上)を対象とした。 | |
藻場の分布状況をみると、全域ともにホンダワラ類が優占しているガラモ場がほとんどであり、特に飛鳥ではヤツマタモク、ノコギリモク、オオバモク等の群落が形成されている。本土側ではジョロモクの群落が特に消波堤の内側でみられる。 | |
前回調査(昭和53年)以降の分布域や粗密度の変化はほとんどみられないものの、近年「磯焼け現象」が部分的に発生してきている。 | |
2 | 消滅藻場 |
本県の藻場が消滅している主な原因として、海岸保全のための消波ブロックの設置及び漁港の新設や拡張にともなう掘削と防波堤の延長等によるものである。 | |
前回の調査区で今回0.5ヘクタール以上消滅したのは3調査区であり、いずれも漁港の新設(工事進行中)や拡張によるものである。 | |
消滅時期は調査区番号2(飛鳥・中村)が平成元年、調査区3(飛鳥・法木)が昭和54年であり、調査区12(米子)は昭和58年から現在も進行中である。 |
現存・消滅藻場総括表
海 域 名 |
現 存 藻 場 | 消 滅 藻 場 | ||
調査区数 | 面 積(ha) | 調査区数 | 面 積(ha) | |
山 形 | 16 | 152 | 3 | 5 |
合 計 | 16 | 152 | 3 | 5 |
<調査実施方法>
前回の昭和53年調査報告書を基にして調査区を設定し、藻場の消滅域は港湾事務所や庄内支庁建設部からの開きとりと現地確認で行った。また、藻場の現地確認は海藻の最も繁茂する6~7月を主体にして、船上から箱メガネで目視観察による海藻の分布状況及び採集による種の同定を行い、部分的には潜水調査も実施した。
(2)現存、消滅藻場一覧表
現存・消滅藻場一覧表
調査区 番 号 |
地図 番号 |
海 域 名 | 市町村名 | 地 名 | タイプ 番 号 |
面 積(ha) | |
現存藻場 | 消滅藻場 | ||||||
1 | 24 | 山 形 | 遊 佐 町 | 三 崎 海 岸 | 2 | 1 | |
2 | 25 | 〃 | 酒 田 市 | 飛 島・中 村 | 2 | 12 | 1 |
3 | 25 | 〃 | 〃 | 飛 島・法 木 | 2 | 15 | 3 |
4 | 25 | 〃 | 〃 | 飛島西海岸 | 2 | 76 | |
5 | 33 | 〃 | 鶴 岡 市 | 由 良 | 2 | 2 | |
6 | 33 | 〃 | 〃 | 三 瀬 | 2 | 2 | |
7 | 33 | 〃 | 〃 | 釜 谷 | 2 | 2 | |
8 | 33 | 〃 | 〃 | 鯵 ケ 崎 | 2 | 4 | |
9 | 33 | 〃 | 〃 | 小 波 渡 | 2 | 5 | |
10 | 34 | 〃 | 温 海 町 | 鈴 | 2 | 9 | |
11 | 34 | 〃 | 〃 | 暮 坪 | 2 | 2 | |
12 | 34 | 〃 | 〃 | 米 子 | 2 | 5 | 1 |
13 | 34 | 〃 | 〃 | 大 岩 川 | 2 | 4 | |
14 | 34 | 〃 | 〃 | 住 吉 | 2 | 2 | |
15 | 34 | 〃 | 〃 | 萱 岡 | 2 | 6 | |
16 | 34 | 〃 | 〃 | 鼠 ケ 関 | 2 | 5 | |
計 | 152 | 5 |