20.山ロ県
(1)分布及び消滅状況の概要
1現存干潟
日本海側における干満差は小さく、大潮時でも1m程度であり、干潟は、形成されにくく、油谷湾奥部の前浜干潟(調査区番号1、2)のみ(計23ha)である。 両調査区とも概して上部ゾーンは礫場、中〜下部ゾーンは砂場であり、一部にコアマモ場、沖合にアマモ場が散在している。 この干潟は、潮干狩、海水浴に利用されている。 前回調査以降の干潟環境は、海水清澄度、底質、植生等からみても殆ど変化はない。
一方、瀬戸内海側の干潟の総面積は、2,338haで、そのうち周防波灘西部が約70%以上を占めている。 今回の干潟定義により、総面積1ha以上、沖出し幅100m以上に該当しない干潟は対象から除外されたため、前回調査時より約500haの減少となっている。 干潟のタイプは全般的には前浜型、河口型ともほぼ同数であるが、周防灘東部は前浜型、周防灘西部は河口型が多い傾向にある。 底質は、一般に外洋性の干潟は砂質で、内湾性干潟は泥質である。水産上、干潟のもつ役割は大きく、幼稚魚の育成場として、また甲殻類、貝類の生産の場となっている。 さらに、近年、ゴミ等の漂着、打ち上げも多く、海藻ではアナアサオ、オゴノリ等の異常繁殖が目立ち、干潟の汚染につながっている。
2消滅干潟
日本海側においては、調査区番号2の干潟(19ha)の一部(計1ha)が1990年に港湾施設、公園緑地等の目的で埋められた。 この干潟は、冬期にアオサ、アオノリが少量繁殖する程度であり、利用状況は、海水浴があるくらいで潮干狩、釣り等は行われておらず、あまり利用されていないようである。
一方、瀬戸内海側においては、周防灘東部で3箇所(約21ha)の消滅がみられた。 これらの干潟は、昭和55年、61年、平成2年にそれぞれ護岸工事、埋立、浚渫工事等で消滅に至ったものである。
現存干潟・消滅干潟総括表
海 域 名 |
現存干潟 |
消滅干潟 |
||
調査区数 |
面積(ha) |
調査区数 |
面積(ha) |
|
周 防 灘 西 |
24 |
1,785 |
|
|
周 防 灘 東 |
22 |
326 |
3 |
21 |
伊 予 灘 東 |
3 |
23 |
|
|
広 島 湾 |
15 |
204 |
|
|
響 灘 |
2 |
23 |
1 |
6 |
合 計 |
66 |
2,361 |
4 |
27 |
〈調査実施方法〉
目視察観並びに漁協及び地元漁業者等からのヒアリング調査を行った。
また、不十分な点は、航空写真等によって補った。
なお、資料として、前回干潟調査結果(第2回自然環境保全基礎調査報告書)、特定地域(油谷湾)漁業振興及び環境整備基本計画調査報告書(1975年)及び最新の国土地理院発行の5万分の1地形図を参考とした。
(3)現存、消滅干潟分布図
山口県 干 潟 分 布 図
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山 口−2 |
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山 口−1 |
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山 口−3 |
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山 口−5 |
山 口−4 |