2.カライワシ目

カライワシ科

○カライワシ Elops hawaiensis

第3回の分布調査では回答がなかったが、今回は太平洋側に位置する4県から記録された。本種は主に南日本の沿岸域に生息する。幼魚が稀に河川の流入する湾奥に入り、汽水域でも記録される。成魚は沿岸の定置網でも稀に捕れる。太平洋側の分布北限は茨城県(北浦)である。奄美諸島以南の記録が不足している。

○ハイレン(イセゴイ) Magalops cyprinoides

カライワシと同じで、南日本太平洋側の沿岸域で稀に記録される。河口、汽水域には幼魚が侵入し、稀に群れをつくる。今までにも日本海側では新潟県、太平洋側では千葉・東京・神奈川・静岡・和歌山・高知・熊本・鹿児島・沖縄の各県からも記録されており、近年の報告では神奈川県(竹嶋,l989)、鹿児島県奄美大島(諸喜田ほか,1989)、沖縄県西表島(秋山ほか,1990)などがある。

(林 公義)

引 用 文 献

秋山信彦・増田修・波部忠重. 1990. 西表島北・西部の陸水性魚類. 平成元年度西表島崎山半島地域調査報告書, 環境庁自然保護局:243-266.

諸喜田茂充・吉野哲夫・比嘉義視. 1989. 奄美大島の河川魚類相と分布. 昭和63年度奄美大島調査報告書, 環境庁自然保護局:227-236.

竹嶋徹夫. 1989. 相模湾初記録の魚類3種について. 神奈川県博物館協会報,(61):1-3.

 

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