3−9 湖沼調査要綱
1. 調査目的及び調査概要
わが国の天然湖沼については、近年、富栄養化・汚水の流入等による水質の悪化、埋立・干拓等による消失・湖岸の開発等による生物の生息環境の悪化、レクリエーション資源としての価値の低下等、天然湖沼の自然性の消失が問題とされているが、保全のための継続的・体系的調査はほとんどなされていないのが現状である。
このため、本調査においては、天然湖沼の自然性の消失を監視し、その保全を図るために、全国の天然湖沼を対象に、水質の総合指標であり、それ自体、価値の高いレクリエーション資源でもある透明度をはじめ、湖岸の改変状況等を調査する。また、代表的な61湖沼については、さらに魚類相についても調査する。
2. 調査実施者
国が都道府県に委託して実施する。各都道府県の調査分担は、別表1「調査対象湖沼一覧」に示す。
3. 調査対象湖沼
別表1「調査対象湖沼一覧」に示す天然湖沼について調査する。
なお、その他の天然湖沼で面積1ha以上のものは調査対象としてさしつかえない。
4. 調査実施期間
契約締結の日から昭和55年3月31日までとする。
5. 調査内容及び調査方法
下記の事項について調査する。なお、調査方法の詳細は別紙1「湖沼調査実施要領」による。
(1) 別表1に示す湖沼については次の事項を調査する。
ア 湖沼概要
既存資料により次の項目について調査し、湖沼の概要を把握する。
保全地域の指定状況、鳥獣保護区の設定状況、位置、成因、湖沼型、水面標高、面積、最大水深、平均水深、容積、湖岸線延長、水位変動、水温、結氷の有無、流入流出河川数、埋立干拓面積、水質、湖沼の利用状況、生物相の概要等。
イ 透明度調査
現地調査を実施し、透明度、水温、PH、DO等について測定する。
ウ 湖沼の改変状況
現地を観察することにより、湖沼の改変状況を次の項目について調査する。
(ア) 湖岸地先における挺水植物群落の有無
(イ) 湖岸の改変状況
(ウ) 湖岸の土地利用状況
(エ) 湖岸の保全地域の指定状況
(オ) 湖岸の建築物等の状況
(力) 埋立・干拓の状況
(2) 別表2「特定湖沼一覧」に示す湖沼(以下「特定湖沼」という。)については、上記(1)のア、イ、ウに加え、魚類の生息状況等について次の事項を調査する。
この調査は、各種資料の収集・整理及び漁協等からの聞き取りにより実施する。
ア 生息する魚種名(エビ類、貝類を含む。)
イ 漁獲量
ウ 放流量
エ 天然繁殖の有無
オ 魚類相に関する調査記録
6. 調査結果のとりまとめ
受託者は調査結果を下記の図票等にとりまとめる。
(1) 湖沼概要調査票
湖沼概要について調査した結果は、「湖沼概要調査票」(様式1)にとりまとめる。
(2) 透明度調査票
透明度等について調査した結果は、「透明度調査票」(様式2)にとりまとめる。
(3) 湖沼調査図
湖沼の改変状況等について調査した結果は、「湖沼調査図」(様式3)にならい国土地理院発行の1/2.5万地形図(1/2.5万地形図が未発行の場合は、1/5万地形図、以下同じ)にとりまとめる。
(4) 湖沼改変状況調査票
湖沼の改変状況等について調査した結果は、「湖沼改変状況調査票」(様式4)にとりまとめる。
(5) 魚類の生息状況等について調査した結果は、「魚類調査総括表」(様式5)にとりまとめる。
7. 調査結果の報告
受託者は、調査結果をとりまとめ、報告書150部及び湖沼調査図帳1部を、それぞれ別紙2「報告書作成要領」(略)、別紙3「湖沼調査図帳作成要領」(略)により作成し、昭和55年3月31日までに環境庁自然保護局長あて提出する。
(別紙1) 湖沼調査実施要領
1 通則
第2回自然環境保全基礎調査湖沼調査は、この実施要領に従って行うこととし、その調査内容は次のとおりとする。
(1) 湖沼概要調査
(2) 透明度調査
(3) 湖沼改変状況調査
(4) 魚類調査(特定湖沼のみ)
2 湖沼等の定義
(1) この調査で「湖沼の区域」とは、最高の水位の時の静水面の広がっている区域をいう。(したがって流入流出する河川の区域を含まない。)
(2) 「水際線」とは、最高の水位における水面が陸地と接する部分をいう。
(3) 「湖岸」とは、水際線より陸側100mの区域をいう。
(参 考)
3 湖沼概要調査
別表1に示す調査対象湖沼の概要を把握するため、各種資料等により、次の事項について調査し、「湖沼概要調査票」(様式1)を作成する。
また、湖沼全体の状況が把握できる写真を撮影する。(写真は「湖沼概要調査票」裏面に貼付する。)
(1) 関係市町村名
当該湖沼が所在する市町村名を調べる。
(2) 保全地域の指定
当該湖沼の区域、島及び湖岸のそれぞれにおいて、自然公園、自然環境保全地域等(以下「保全地域」という。)が指定されている場合には、その地域地区区分を次のコード番号で示す。2以上の地域地区区分がある場合は、そのすべてのコードを示す。
地 域 地 区 区 分 | コード | |
国 立 公 園 |
特 別 保 護 地 区 | 11 |
特 別 地 域 | 12 | |
普 通 地 域 | 13 | |
国 定 公 園 | 特 別 保 護 地 区 | 21 |
特 別 地 域 | 22 | |
普 通 地 域 | 23 | |
県 立 自 然 公 園 | 特 別 地 域 | 32 |
普 通 地 域 | 33 | |
原 生 自 然 環 境 保 全 地 域 | 41 | |
自 然 環 境 保 全 地 域 | 特 別 地 域 | 52 |
普 通 地 域 | 53 | |
県 自 然 環 境 保 全 地 域 | 特 別 地 域 | 62 |
普 通 地 域 | 63 |
(3) 鳥獣保護区設定状況
当該湖沼の区域、島及び湖岸のそれぞれにおいて、鳥獣保護区の設定状況を調べ、次により区分し、コードで示す。
区 分 | コード | |
鳥 獣 保 護 区 の 設 定 が な い | 0 | |
鳥獣保護区の設定がある | 特別保護地区の指定がない | 1 |
特別保護地区の指定がある | 2 |
(4) 位 置
当該湖沼の湖心の緯度、経度を1/2.5万地形図より調べる。緯度、経度は、四捨五入により「度」、「分」まで表示する。
(5) 成 因
当該湖沼の成因を次により区分して示す。
断 層 湖……断層によってできた凹地に水をたたえたもの |
カルデラ湖……土地が鍋状に陥没して、その落ちこんだ凹地に水をたたえたもの |
火 山 湖……火口、火口原に水をたたえたもの(カルデラ湖をのぞく) |
堰 止 湖……河谷、凹地が種々の要因でせきとめられて生じたもの(海跡湖をのぞく) |
海 跡 湖……かつて海であったところが湖になったもの |
そ の 他 |
不 明 |
(6) 湖 沼 型
当該湖沼の湖沼型を次により区分する。また、汽水湖、淡水湖の区別を行う。
|
(7) 水面標高
地形図等の各種資料により、最近の最も信頼できる数値を採択するものとし、単位はm(小数点以下第1位を四捨五入する。以下同様)で表わす。
関連資料がない場合は、1/2.5万地形図の陸岸付近の標高により推定する。
また、採択したデータの出所を明らかにする。
(8) 面 積
「湖沼の区域」の面積を原則として国土数値情報湖沼名一覧表に示す数値(昭和50年10月現在の1/2.5万地形図上で、国土地理院が測定機により計測したもの)で示す。ただし、埋立・干拓等のため、その数値が適当でない場合には点格子板により図上で計測する。なお、この際、湖沼内に島がある場合は、島の面積を除いたものを湖沼面積とし、単位はkm2で小数第2位まで示す。
また、採択したデータの出所を明らかにする。点格子板により計測した場合は「データの出所」欄に「点格子板」と略記する。
(9) 最大水深・平均水深・容積
地形図等の各種資料により、最近の最も信頼できる数値を採択するものとし、単位はmで小数第1位まで示す。(容積については、単位はkm3で小数点以下は適宜取扱う。)最近の資料がない場合は、特に支障のない限り「Morphometric Feature and Classification of all the Lakes in Japan (本邦全湖沼の湖盆形態の特徴及びその分類)」 Shoji Horie(堀江正治 1962)に記載されている数値によるものとする。
また、採択したデータの出所を明らかにする。
(10) 湖岸線延長
「湖沼の区域」の外周線の延長(河口部、海への開口部の延長も含む)を計測し、単位はkmで小数第1位まで示す。なお、湖沼内に島がある場合は、島岸延長も湖岸線延長に含める。
また、この場合、「データの出所」欄に計測方法を例えば「キルビ」というように略記する。
(11) 水位変動
人為によって水位の変動がある場合は、年間における水位変動幅を単位はmで小数第1位まで示すとともに水位変動の主たる原因となっている行為について次の例示により具体的に示す。長年のデータの蓄積がある場合は、過去5年間(S49〜S53)の年平均値を示す。
また、採択したデータの出所を明らかにする。
発電用取水 | 工業用水用取水 |
農業用取水 | 飲料用水用取水 |
水産用取水 | その他(具体的に) |
(12) 水 温
各種資料により、表水面及び底層におけるそれぞれの年間の最低水温、最高水温及び測定水深を、たとえば「0m 5.6〜25.7℃」「17m 4〜8℃」というように単位は℃で小数第1位まで示す。長年のデータの蓄積がある場合は、最も湖心に近い測定点における過去5年間(S49〜S53)の平均最低(及び最高)水温を示す。関連資料がない場合は表示する必要はない。
また、採択したデータの出所を明らかにする。
(13) 結 氷
結氷(湖面の全面凍結)の有無及び結氷期間を調べ次の例にならい示す。
(例)
記 入 例 | |
(1) 例年結氷が見られる場合 | 有(12月〜2月) |
(2) 通常は結氷しない場合 | 無 |
(14) 流入河川数・流出河川数
通常、年間を通じて水流のある河川本数を、流入、流出別に調べる。
(15) 埋立、干拓面積
1945年以後、埋立または干拓された区域を「湖沼調査図」(様式3)に図示し、その面積を点格子板により測定し、単位はkm2で小数第2位まで示す。(面積については、「沖出し幅×延長」で算出してもさしつかえない。)
(16) 水 質
当該湖沼の水質に関し、既存資料により次の項目について調べる。多くの測定結果がある場合には、表面水に関するものであって、最近の夏期におけるデータのうち、最も湖心に近い測定点での数値を採用するものとする。なお、同一日に同一測定点で2検体以上測定している場合は、平均値をもって当該測定点の測定値とする。
また、採択したデータの出所及び測定年月を明らかにする。
( | 過去10年間にさかのぼって水質に関する資料が得られない場合は、表示されなくてもさしつかえない。 | ) |
ア PH | 力 CI¯ | サ 大腸菌群数 |
イ DO | キ ケルダールN | |
ウ COD | ク NO2−N | |
工 TOC | ケ NO3−N | |
オ SS | コ T−P |
(17) 透 明 度
各種資料により当該湖沼に係る透明度に関するデータを調べ、単位はmで小数第1位まで示す。なお、多く測定値がある場合には、同一年においては最高の透明度を示す測定値を採択する等可能な限り長期にわたる経年変化がわかるよう適宜取捨選択する。関連資料がない場合は、表示する必要はない。
また、採択したデータの出所及び測定年月日(西暦)を明らかにする。
(18) 湖沼の利用状況
当該湖沼においてどのような利用状況が見られるかについて、次の例示により示す。2以上記入してもさしつかえない。
ア 水浴 | 力 モーターボート |
イ 魚釣 | キ 遊覧船 |
ウ 氷上釣 | ク 漁業 |
エ スケ一ト | ケ 養殖 |
オ 手こぎボート |
(19) 水辺環境における不快要因
「ゴミ等の堆積」「湖水の悪臭」「アオコの発生」「湖沼周辺の乱開発」等、当該湖沼及びその周辺において水辺環境として非常に不快感を生じさせている事例があれば、具体的に示す。
(20) 夏期における生物相
各種資料により、当該湖沼の夏期における生物相の概要を示すため、次の生物群ごとに優占種数種をリストする。(ただし水鳥については冬期の状況を示す。)夏期以外の時期における資料による場合は、その種が優占する時期を明記する。関連資料がない場合は記入する必要はない。
ア 挺 水 植 物 | 力 底 生 動 物 | |
イ 浮 葉 植 物 | キ 魚 類 | |
ウ 沈 水 植 物 | ク 水 鳥 | (ガン、カモ、ハクチョウ等の水鳥の渡来が多いか少ないかをできるだけコメントする。)
|
工 植物性プランクトン | ||
オ 動物性プランクトン |
※ なお、別紙2「報告書作成要領」に従い湖沼調査報告書を作成するに際し、別表1に掲載されていない面積0.01km2以上の天然湖沼のリストを作成することになるので、その湖沼名、位置、水面標高、面積を調べておくこと。
(様式1) 湖沼概要調査票
(湖沼概要調査票記入上の注意)
1 調査票の様式は前頁に掲げるものとし、用紙は110kg程度、B5版、左側2つ穴あきとする。
2 調査票は、1湖沼ごとに作成する。
3 「都道府県」には、当該湖沼の調査担当都道府県名を記入する。
4 「湖沼番号」には、別表1に示す当該湖沼の湖沼番号を記入する。
5 「湖沼名」には、「フリガナ」を付す。(カタカナ、使用のこと)
6 「湖沼型」には、当該湖沼の湖沼型を記入するとともに、淡水湖か汽水湖の区別を該当のものを○で囲んで示す。
7 「関係市町村名」には、当該湖沼が所在する市町村名を記入するが、当該湖沼が、調査担当都道府県以外の都府県にも属する場合は、その都府県名も併せて記入する。
8 「保全地域」には、湖沼、島、湖岸のそれぞれに何らかの保全地域の指定がなされている場合に指定されている地域地区区分の「コード」をそれぞれ記入する。
9 「鳥獣保護区」には、湖沼、島、湖岸のそれぞれにおける鳥獣保護区の設定状況を「コード」で記入する。
10 「PH」〜「透明度」の測定年は西暦で記入する。
4.透明度調査
別表1「調査対象湖沼一覧」に示す湖沼(ただし*印の湖沼を除く)について次により現地調査を実施し、透明度、気温、水温、PH、DOを測定する。
また、その他水質に関する測定が同時に実施されることが望ましい。これら調査結果をとりまとめ「透明度調査票」(様式2)を作成する。
(1) 調査は、できる限り夏期に、年1回実施する。(1回以上実施してもさしつかえない。)
(2) 調査日は、降雨のない平穏日が数日続いた後の風のない晴天の日を選ぶよう努める。
(3) 調査地点は、流入河川からの影響の少ない、湖岸からできるだけ離れた湖心付近の相互に離れた2地点を選定する。(2地点以上選定してもさしつかえない。)
調査地点には湖沼ごとにst1、st2のように通し番号(以下「調査地点番号」という。)を付す。調査地点の位置は「湖沼調査図」(様式3)に記入する。
(4) 透明度の測定については次のとおり実施する。
ア 調査には、透明度板(直径25〜30cmの表面を白色ラッカーで塗装したもので、板の中央に穴があいているものがよい)を使用する。
イ 測定は、太陽や天空の反射の影響を避けるため、船影やのぞき眼鏡等を利用して実施するものとし、透明度板を水中に沈めて見えなくなる深さと、次にこれをゆっくり引き上げていって見えはじめた深さとを、反復して確めて平均する。
ウ 測定した結果、湖底まで見透せる場合は、その水深を記録し、「○○m(全透)」と表示する。
工 測定値は、単位はmで小数第1位まで求める。
(5) 気温の測定は、調査地点において日光の直射および周囲の放射を避けて実施する。(単位は℃で小数第1位まで求める。)
(6) 水温、PH、DOの測定にあたってはできる限り垂直分布を調査すること。(測定値は小数第1位まで求める。)
この場合、測定された水深を明らかにする。
(7) 調査地点において、TOC、SS、Cl−、ケルダールN、NO2−N、NO3−N、T−P、COD、クロロフィルム等水質に関する測定が同時に実施されることが望ましい。なお、測定が行われた場合は、測定された水深、測定値(ppm)を「透明度調査票」(様式2)に記入する。
(8) また、測定項目ごとに測定方法を明らかにする。
(様式2) 透明度調査票
5 湖沼改変状況調査
別表1に示す調査対象湖沼について、現地観察により湖沼の改変状況等による湖岸線の区分、湖岸の建築物等の状況、埋立・干拓の状況について調査し、「湖沼調査図」(様式3)及び「湖沼改変状況調査票」(様式4)を作成する。
(1) 湖岸線の区分
ア 「湖岸地先における挺水植物群落の有無」「湖岸の改変状況」「湖岸の土地利用状況」「湖岸の保全地域の指定状況」がそれぞれ変わるごとに湖沼調査図上に区分線を入れて湖岸線を区分する。
上記のように細かく区分された湖岸線を以下「計測区間」という。
(下図参照)
イ 湖岸線の区分は次のとおり表1〜表4によって行う。
|
ウ 湖岸線を区分するにあたり、それぞれの区分においてその長さが100mに満たない場合は、その部分を折半し、その両側の区間に含める。
工 区分された計画区間の距離をキルビメーターにより計測する。その計測方法は次のとおりとする。
(ア) 出発点より区分の方向に、キルビメーターを動かし、湖岸線上を一周する。その途中、それぞれの区分線のところで出発点から距離としてキルビメーターの値をkm単位で小数第1位まで読みとる。
(イ) 上記(ア)を2回繰り返し、その2回の平均値を各計測区間の出発点からの距離の欄に記入する。(平均した場合、でてくる端数はそのまま記入する。)小数以下2ケタ。
(ウ) 出発点からの距離より各計測区間の区間長を算出し、記入する。
(2) 湖岸の建築物等の状況
湖岸における5階建以上(または13m以上)の建築物または建築物に準じる工作物の位置を「湖沼調査図」(様式3)に図示する。
(3) 埋立・干拓の状況
1945年以後、埋立・干拓された区域を「湖沼調査図」(様式3)に図示する。
(4) その他、湖岸及び湖岸地先に強い影響を及ぼすようなもの等、特記すべき事項があれば、「湖沼改変状況調査票」(様式4)の「備考」欄に記入する。
(様式4) 湖沼改変状況調査票
湖 沼 改 変 状 況 調 査 票
【表2 湖岸の改変状況区分表】
表3 湖岸の土地利用状況区分表 |
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表4 湖岸の保全地域指定状況区分表 |
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(注)区分は、湖沼(水面)の指定状況の如何にかかわらず、「湖岸」の指定状況のみについて行う。
(様式3) 湖沼調査図
(湖沼調査図例)
(湖沼調査図作成上の注意)
1. 湖沼調査図には、必ず国土地理院発行の1/2.5万地形図を使用する。複写図、編さん図等は使用しないこと。
2. 湖沼調査図例のように地形図の余白の所定の位置に「タイトル」「No.」(湖沼番号)「湖沼名」「調査年度」(西暦)、「都道府県」(当該湖沼担当都道府県名)を記入する。同一地形図に2以上の湖沼がある場合は、「No」「湖沼名」を連記する。
3. 湖岸線の区分は、次の手順に従って行う。
(1) 湖岸線の区分は、湖沼ごとに行う。(湖沼の区域が2以上の地形図にわたる場合も同様とする。
(2) 調査対象とする「湖沼の区域」を紫色の色鉛筆で明示する。
(3) 湖岸の区分を開始する点(以下「出発点」という。)を湖沼の北辺の適当な点に定め、進行方向に向って陸を左に見るように区分を開始する。
湖沼内に島がある場合には、それぞれの島の北辺の適当な点を出発点とする。
(4) 出発点には、湖沼調査図例のように◎印を記入する。
(5) 「湖岸地先における挺水植物群落の有無」
湖岸地先に挺水植物群落がある場合には、湖側にその区間を緑色の区分線(長さ3mm程度)で区分するとともに、挺水植物群落のある計測区間の湖側に沿って幅3mm程度に緑色で採色する。
(6) 「湖岸の改変状況区分」
表2「湖岸の改変状況区分表」による5種の区分に従って出発点から湖岸線を区分していく。区分点には、その湖側に区分線(長さ3mm程度)を青で引くとともに、その区分を示すコード(表2参照)を区分線と区分線の間に青で記入する。
(7) 「湖岸の土地利用区分」
表3「湖岸の土地利用区分表」による5種の区分に従って出発点から湖岸線を区分していく。区分点には、その陸側に区分線(長さ3mm程度)を赤で引くとともに、その区分を示すコード(表3参照)を区分線と区分線の間に赤で○で囲んで記入する。
(8) 「湖岸の保全地域指定状況区分」
湖岸が保全地域に指定されている場合は、湖岸線を表4「湖岸の保全地域指定状況区分表」により区分し、陸側を湖岸線に沿って3mm程度の幅に次に示す色鉛筆でうすく彩色する。
また、保全地域の名称を地形図に黒文字で記入する。
保全地域 | 地 種 区 分 | 指定色 | 色 鉛 筆 の 指 定 | ||||
自 然 公 園 | 特別保護地区 | 橙 色 |
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||||
特 別 地 域 | ピンク色 |
|
|||||
普 通 地 域 | 水 色 |
|
|||||
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原生自然環境保全地域 | 橙 色 |
|
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特 別 地 区 | ピンク色 |
|
|||||
普 通 地 区 | 水 色 |
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(例)
(注) 湖面の指定状況の如何にかかわらず湖岸の指定状況により区分及び採色を行う。
(9) 上記による湖岸線の区分終了後、各計測区間に1からはじまる通し番号を与える。(以下「計測区間No.」という。)
湖沼調査図の各出発点に、当該計測区間の「計測区間No.」を記入する。
出発点以外の計測区間には「計測区間No.」は記入しない。
|
4. 1945年以後に埋立・干拓された区域を茶線で囲んで示す。
5. 湖岸における5階建(または13m)以上の建築物等の位置を赤で直径1〜2mm程度の○で示す。
6. 透明度調査地点の位置に黒で×印をつけ、調査地点番号(st1、st2、……)を付す。
7. 調査図の下方の余白には、凡例を記入し、使用した記号の意味を明らかにする。
(様式5) 魚類調査総括表
(記入例)
6. 魚類調査(特定湖沼のみ)
別表2に示す特定湖沼において、そこに生息する魚類等について次の事項を調査し、「魚類調査総括表」(様式5)を作成する。調査は主として既存資料、漁獲統計、漁協からの聞きとり等により実施し、特に魚類相の調査に関しては、魚類に詳しい専門家の協力をあおぐものとする。
(1) 魚類相に関する記録
当該湖沼の魚類相全般について学術調査等による記録があれば、その時記録されている魚種名を記入する。
また、その記録にエビ類、貝類の生息について記載があればその種名も記入する。
(2) 現在の魚類相
既存資料及び漁協からの聞きとりにより、現在、当該湖沼で生息していると思われる魚種名を調べる。
また、エビ類、貝類の生息状況についてもわかれば記入する。
(3) 漁獲量(年平均漁獲量)
過去5年間の漁獲量の年平均を魚種ごとに単位はtで小数第1位まで調べる。
(4) 放流量(年平均放流量)
放流されている魚類があれば、過去5年間の放流量の年平均を魚種ごとに示す。卵放流の場合は、単位は「千粒」、稚魚(ないし成魚)放流の場合は、単位は「千尾」で示す。
(5) 天然繁殖の有無
当該湖沼に現在生息していると思われる魚種について、採卵、人工孵化によらず自然の状態で繁殖しているかどうかについて調べる。
(魚類調査総括表作成上の注意)
1. 「魚種名」は、別表3「魚類分類表」に示す順序で系統分類の順に記入するものとし、エビ類、貝類は魚類の次にエビ類、貝類の順で記入する。
2. 「魚種名」には標準和名を使用するものとする。また、「フナ」というような総称を用いることは避け、極力「ギンブナ」、「ゲンゴロウブナ」というように種レベルの名称まで調べるように努める。どうしても種名まで確認できない場合には、必ず「フナ類」、「ドジョウ類」のように表示する。
3. 記入例(ギンブナ、ゲンゴロウブナ、ジュズカケハゼ)のように、種名まで確認できなかった場合は(類)と表示する。
4. 記入例(カジカ類(1)、(2)のように、カジカ類に明らかに2種いることが判っているが、種名までは判明していない場合は、カジカ類(1)、カジカ類(2)と表示する。
5. 「漁獲量」が四捨五入しても0.1t/年に達しない場合は、「0.0t/年」と表示し、漁獲実績がない場合は「−」と表示する。
6. 「放流量」が四捨五人しても1千粒(または1千尾)に達しない場合は、「O千粒」(または「0千粒」)と表示し、放流実績がない場合は「−」と表示する。
7. 「天然繁殖」の有無がはっきりしない場合は「?」と表示する。
8. 「備考」には、それぞれの魚種について附記すべき事項があれば記入例を参照して記入する。
9. (計)には、現在生息していると思われる魚類及び現在天然繁殖していると思われる魚類の種類数を記入する。種名まで確認できず「○○類」とされたものは1種に数える。また、天然繁殖の有無がはっきりせず、「?」印となったものはカウントしない。
10. 表の欄外には、魚類相について調べた既存資料の名称等を必ず記載する。
別表1
別表2 特 定 湖 沼 一 覧 |
湖沼番号 | 湖沼名 | 都道府県名 | 湖沼番号 | 湖沼名 | 都道府県名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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別表3 魚類分類表 |
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